方向判定の神秘とエネルギー
普段、森や水辺、河川などで何気なく鳥を目にしますが、よく観察するとこれらの野鳥には小さな鳥から大きな鳥、また水鳥など種類がずいぶん多いです。これらの多くが外国から飛んで来てる渡り鳥とのことで驚きです。
従来からこの渡りの神秘を解き明かそうと試みが行われています。鳥に脚環をつけてその渡りの経路や目的地を知る手がかりにしたり、今では人工衛星を使っての追跡調査も可能となっているといわれます。
渡りは何のためにするかは科学的なことであるし神秘なことです。鳥の大きさに関わらず、北半球では春から初夏にかけて北上し、秋から初冬にかけて南下するようです。私たちは日本を中心に考えがちですが、多分、南半球では逆の可能性があるでしょう。鳥に訊いてみなければ本当のところはわかりません。
渡り鳥ではありませんが、同じ鳥類であるレース鳩を50年飼育してる私の考えでは、子孫を残すには繁殖に丁度良い温度が必要であり、その温度であれば自然界には子育ての元になる餌がたくさんあるということでしょう。ですから適温を求めて移動するのではないかと想像してます。
北半球において移動する2点間では一般的に北での繁殖が多いようです。でも、赤道を通過して渡りする鳥もいるようですし、南北でなく日本からアラスカなど、どちらかと言えば東西へも移動する鳥もいるようで複雑ですね。
概して大きな鳥は比較的高緯度で、また、いわゆる小鳥はそれよりは南の中緯度で繁殖するように感じますがどうでしょう。これは北半球でも南半球でも似てると想像できます。概して大きい鳥の方が寒さに強いのかもしれません。インドでは小鳥がたくさん自然界にいました。
ヨーロッパではアフリカとの間を中心に渡りがあり、北米、南米間、またヒマラヤ山脈を越えてインド大陸へ往復する鶴は有名です。日本ではシベリア・カムチャツカ方面から飛来すると思われる冬鳥、東南アジアとの往復であると思われる夏鳥、あるいはもっと超長距離飛翔のため、日本が目的地でなく栄養補給と休養に立寄るだけの鳥もいるのでしょう。
私が渡り鳥の不思議な力に感嘆するのは、何と言ってもその方向判定能力、及びあの小さな体で大海何千キロをも渡り切る体力です。それにもましての驚きは、生まれて間もない雛が何万年も続けてきた祖先と同様の軌跡を追って、大海原を越え目的地まで飛翔し、半年後に生まれ故郷に帰還するということです。多くの渡り鳥は一年を周期として往復すると考えられます。
これに比べて私たち人間は生まれてこの方、自分の足だけでどれほど遠方まで移動したことがあるでしょう。渡り鳥やレース鳩は国を越えて飛翔するのに、人間は国と国との間に国境を定め、なぜ争いが絶えないのでしょう。いつの日か平和条約を締結し、北方四島から群馬まで鳩を飛ばしてみたい。
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