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2007年4月29日 (日)

山登りと無常

  本日、子持山に行ってきました。同行者は山岳のベテラン、サムュエル・トッドさん。高山村にある群馬天文台の駐車場から登り始め、新緑には早い季節であっても登山道の道端には多くの木々が小さな芽を覗かせています。高い位置にあった天文台の2つのドームが次第に下方に見えるようになり、一休止。上りのため呼吸や、脈拍は平時より速めに感じました。

 実は、私は昨晩の夕食で食あたりになってしまい、夜中の2時頃、目が覚め胃の具合が悪くて上げてしまいました。これでは折角の子持行きも断念かと、うとうとしてましたが、朝になったら少し回復し、朝食を取らずに家を出発したのです。

  このため2時間の登りは思ったよりきつく、心臓に負担のないよう歩幅を狭くした歩き方を続けました。ふと後ろを振り返ると、遥か遠くの空に上越国境の山々が長く連なっています。それ見た途端、白銀は疲れた足腰を忘れさせてくれたのです。頑張って登れば登るほど谷川岳や平標山の山嶺はその高さが増し、どうだとばかり気高い威容を見せつけるのです。

 1時間半で八合目ほどのNTT電波塔に到着。途端に今まで見えなかった南側に利根川の蛇行が目に入り、昨晩の食あたりは忘却となりました。そうこうしてるうちに遥か彼方に真っ白な富士を発見。それは「断然違うぞ」とばかりに純白に聳え立っていました。山道はいよいよ急勾配、最後の踏ん張りどころです。道の左も右も深い谷。登り始めた頃より体温は上昇し、山肌を拭う風がひんやり。とうとう山頂に着きました。

  海抜1296メートル、その高さが示すように十二分に苦労しました。頂上は広くて、すでに15名ほどの登山客が360度の絶景に目を取られ静寂でした。女性の方が多かったです。しかし、子持山山頂で行き会ったのも何かの縁、雄大なパノラマを共に見ながら日光白根山をはじめ、武尊山、草津白根、北アルプスなど遠くの山々についてお互いその位置を確かめ合い、心は次第に一つとなって打ち解け、笑いに包まれ、いつとはなしに近しい歓談となりました。

 私は思いました。今日のこの時間、偶然、子持山山頂でお会いし、共に楽しい時間を過ごしたにもかかわらず、「この方々とはもう2度と永遠にお逢いすることはない」ということです。これ考えた時、登山の無常を感じてしまいました。

  この寂しさと山頂を征服できた相反する感情をまとめるため、帰路に近くの高山温泉に立ち寄り、4時間歩いた汗を拭いつつ、山頂でのすがすがしさに満ちた彼女達の顔や声が脳裏を横切りました。

サムュエル・トッドさん一日中お世話様になりました。こころよりお礼申し上げます。

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