フランス南部モントバーン~オランダ北部間
愛犬「ころ」は柴犬のオスで日本犬の特徴を表現してると思います。現在、1才半ということもあり元気そのものです。裏庭に放し飼いにしています。家族の一員として、その役割を果たしてくれてます。
犬に比べてレース鳩は人になれることは稀です。ペット的に飼育すれば時々肩にとまったりすることもありますが、本来の目標は愛玩ではありません。
遠隔地から放されたら、自分の鳩舎まで直線上の近くを通っていかに速く帰還するか、方向判定能力、体力、帰巣意思など鳩本来の性能が求められ、これらは先天的な要素として先祖の血統、訓練で補われる後天的な要素があり、飼育者の経験による適切な管理や勘も求められます。
鳩レースは競走馬のようにレースが見えません。優劣はすべて計算によって比較します。地球は平面でなく球なので「球面三角法」により2地点間の距離を算出します。それを飛翔に要した時間で割りますと速さが出ます。実際には分速で計算し、ソートにより参加鳩の序列が出ます。一般的に速い場合は1500メートル前後になります。今ではコンピューターにより計算できますが、近年まで球面三角法は高校時代に習ったlogを使い対数計算により距離を筆算で測定してました。
世界ではヨーロッパの北部に位置するベルギー、オランダ、ドイツ、イギリスなどの愛鳩家や競翔家を中心に昔から鳩レースが盛んであったといわれます。鳩を放す場所のことを放鳩地といいますが、そこまではトラックやトレーラーで運ばれて行き、帰りは自力で各鳩舎まで飛んでくるのです。800キロから1000キロを越える長距離の放鳩地となりますとスペイン・フランス間に聳えるピレネー山脈の麓に多くの放鳩地が散在します。例えばフランス南部ではポー、ペルピニャン、サンバンサン、ダックス、ナルボンヌ、モントバーン、地中海沿岸のマルセイユなどです。スペインからではサンセバスチャン、ビルバオ、バルセロナなどが有名です。
これらの放鳩地からフランス上空を通過し、国境を越え、ベルギー、オランダ、ドイツ、イギリスなどへ飛んで来るのですからレース鳩の能力は誠に神秘です。イギリスへ向かう鳩はゴール寸前でドーバー海峡を飛び越えるわけです。
いよいよ明日、私の鳩舎にヨーロッパで活躍した「スチール号」♂が来ます。この鳩は南フランスに位置するモントバーンからオランダ北部プロンク鳩舎まで1022K飛び翌朝3時34分に帰還しました。
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