若き日、対数計算に挑戦
元来、数学はあまり得意ではありません。鳩レースを始めた頃、ピタゴラスの定理に近いような球面三角法を用いて距離測定の資格試験に挑戦した思い出があります。Logを使った対数計算には参りました。
鳩レースでは、小学生の時に習った「速さ=距離÷時間」が基本となります。小学校の問題では、一般的にこのうち二つが示されますので答えが出ます。しかし、鳩レースでは距離や時間は元々分からないので、この二つを実際に測らなくてはなりません。
距離では「鳩を放す地点」と「鳩が戻る鳩舎位置」を2万5千分の1の地図、あるいはGPSによってのこの二地点の位置を知り、その距離をメートルまで直線距離で計算し測らなくてはなりません。ところが、例えば札幌駅前から群馬・高崎駅前までの距離を測る場合、糸を張ったような本当の直線では秋田市の地下数十メートルの所になってしまいます。これは地球が丸いからです。ですから直線と言っても地面を這うような弧を描いての真っすぐな距離ということです。ここで登場してもらうのが地球の直径まで計算に入れる球面三角法という計算方法です。
日本の場合、北半球の東半球に位置しますので、2地点はそれぞれ北緯と東経で位置を調べます。度、分、秒、10分の1秒まで測ります。現在は人工衛星によるGPSで瞬時に分かります。この数値を基に山や谷、海のでこぼこは無視し、球面三角法により2地点間の距離がメートルまで出てきます。有難いことに、近年はコンピュータの出現により従来のように筆算で計算する必要はなく、打ち出された距離をだだ信じて使ってます。
鳩の優劣は珍しく分速で競います。分速が速いものを上位とします。時間については従来、上の写真のような外国製の手動鳩時計を使ってましたが、現在は下の写真のように各鳩舎に設置してある専用センサーが、帰還した鳩の足に装着してあるチップを感知し、到着時刻を自動的に記録します。
この到着時刻から放した時刻(放鳩時刻という)を引き、飛翔した時間が分かるのです。後は距離(メートル単位)をこの時間(分単位)で割 れば分速が出ます。実際には一般の鳩レース参加者は審査員がパソコンで計算してくれますので、結果が出るまでしばらく待ってます。
若き日、この距離測定試験を日本鳩レース協会で受験しました。どうしたことか練習問題集がないので、自分で問題集を作り(職場でも?)毎日解く練習したのが、今では懐かしい思い出となってます。努力の甲斐あってパスし、その晩のビールは格別でした。
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