世間の荒波を感じてるか
大屋根にいる鳩たちは7月中旬に卵として産み落とされ、両親が約18日間温めて8月上旬に卵から孵った雛たちです。両親には手伝ってもらわず、自分の力で卵を中からコツコツ割って出てくる姿には思わず「おめでとう」と言いたくなります。
生まれたての目が見えないときから、父鳩と母鳩からどろどろしたピジョンミルクを口移しでもらうため本能的に親の口元を捜します。1週間ほどで飼い主から協会の足輪を嵌められ、その頃になると口移しの餌も次第に小粒の餌が混ざったものに変化します。そして4週間くらいで両親から離れ、大きさは親と同じ程になります。いよいよ、選手鳩鳩舎の展望台で過ごし、周囲の景色を覚えたり同時に自分で餌を食べる独立心が養われます。
当舎ではご覧のような展望台ですので、上の窓を開くと中から飛び上がって外に出られる仕組みです。しばらくは上の窓をふさいで生活させ、夜になると鳩舎の中で生活します。主翼が伸びてきましたら上の窓を開けてやります。1羽出ると真似して次々出て行きます。このとき、音をたてたりして驚かすと飛んでしまい帰れなくなるので、静かにしてやることが肝心です。
それでも、鳩舎と周囲を覚える学習能力は高く、2~3日ですっかり覚え、飛び立っても戻るようになります。初めはばらばらに飛んでいても次第に集団で飛べるようになり、次第にレース鳩らしくなります。
今朝は3階の大屋根まで飛んで行ったので初めて町の景色を見てるのです。大屋根には2時間程いましたので、きっと上空を飛ぶ見慣れない大型の鳥やカラスなどの行き来を見て、箱入り娘だった時から精神的に脱皮し、世間の荒波を感じてることでしょう。
この鳩たちの血統は先日死んだベルギーのファンデルスミッセンの仔、オルハン・ミラーの仔、高塚ミラクルクイーン系、名前のない鳩鳩舎のヤン・エルネスト系、Fragrant Mountain鳩舎のジャンヌ・オレルアン系の仔です。10月より訓練を始め年末の連合会訓練までには80キロを個人訓練する予定です。今年は鳩舎改築により、鳩を籠に詰めるのが楽になり、週に2回の割りで訓練してみます。
| 固定リンク
「レース鳩」カテゴリの記事
- 群馬県の良さはユニークな山々に囲まれてること(2021.04.11)
- どっしり構える「三波石」(2020.12.13)
- 柔らかいラクダのこぶ・・・乗ったら掴っても駄目(2020.11.30)
- コロナ騒ぎでどこかへ行ってしまった愛鳥週間(2020.05.13)
- 固定資産が減ってもすぐ査察に来ない市職員(2020.04.22)
コメント