「蔵人」で聴くグラズノフの名曲
夕刻、音楽喫茶「蔵人」に行きました。築明治10年の蔵を改造した室内は太い丸太の梁が縦横に走り、俗世間とは趣を異にする雰囲気を漂わせています。音楽に耳を傾け、英国紅茶を飲みながらのお喋りはcloud nineのリラックスした気持ちになります。ここは「蔵人」(クラート)なので音が似てます。
本日は家から持参したCDをマスターにかけて頂きました。曲は先日ブログで触れましたサックスの名曲、近代ロシアの作曲家グラズノフの協奏曲です。晩年を過ごしたフランスで作曲されたといわれます。
サックスはベルギーで生まれフランスで発達した楽器のためか、彼は当時、クラシックサックスの最先端であるフランスでこの楽器の魅力に触れ、この曲と「サックス四重奏曲」の古典的名作を残しました。
作風は弦楽のユニゾンで始まるロシア的序奏。雰囲気はどちらかと言えば暗く重厚に響き古典的です。続いてアルトサックスによるこれまたロシア的な旋律が始まり、曲は徐々に速さを増し、高音からのアッチェルランドな半音階で下降、一段落します。
その後出てくる歌曲的なテーマはサックスの気まぐれ的持味が発揮され、人の声とも相通ずる心地よいビブラートが心を満たしてくれます。
ところで、気さくな「蔵人」のママさんは最近行かれた北軽井沢の紅葉について、その色彩の鮮明さに感銘されたようです。私はママさんの話とグラズノフに酔いしれ、時間の経つのを忘れてcloud nineの心境になりました。
近年、私はピアノに向かってることが多くなりましたが、時々はソプラノサックスを吹いて、青春に戻るのもいいでしょう。ゴールドプレートのセルマー・ソプラノは音の通りがいいので広い会場で吹いてみたい。
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