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2008年1月19日 (土)

枝振りを誇る「しだれ桃」に学ぶ

340   いよいよ大寒の季節がやって来ます。日の入が最も早い12月5日頃に比べ、最近の日没は30分ほど遅く、夕方が長く感じられるようになりました。しかし、日の出はまだまだ遅いままです。この現象も不思議なことで、地球が楕円軌道を公転しているからでしょうか。研究したいところです。

 写真の「しだれ桃」は昭和63年4月に植樹したものです。父母が亡くなり我が家も世代交代となり、それを記念に植えました。花が咲き季節感がはっきりする樹木を探したところ、群馬の森の近くの松風園という植木屋さんで、ピンクの蕾をつけた開花直前のまだ小さなこの木を見つけました。あれから20年、築山に植えた「しだれ桃」は年々大きくなり、枝振りも悠々とした感じになってます。

 「羽衣」という種類のこの桃は毎年4月中旬に開花し八重の大輪を見せてくれます。昨年4月のブログには満開の写真を掲載しました。バックナンバー4月15日でご覧いただけます。

 寒中の今の時期、しだれ桃を見て「植木の美しさとは何か」いろいろ思索してます。私たちが美しいと感じることはいったい何についてなのでしょう。

 ものにはいろいろの見方があり、角度を変えて鑑賞してもいいし、見事な色彩からも味わえるでしょう。中でも私は「美の基本は形にこそあるのではないか」と感じるようになりました。

 葉もない花もない実もないこのような時期、私たちはややもすると見向きもしないで、鑑賞に値しないと思いやすいものです。しかし、今だからこそ、景観がよく分かり、手を差し伸べてるような誇らしげな振る舞いは見事な自然の創造であると感じます。

 厳寒の時期にあって人々から見放されていても、太く黒い幹は曲がりくねった枝々をしっかり支え、やがて来る春への息吹を内包してるようです。

 葉のない枝振りを眺めていると、つい自分のおかれた現状とダブってしまいます。家族がいないって、なぜこんなに毎日寂しいのだろう。大寒を向かえ、しだれ桃は確実に根を張り、確実に春へ向かって生きている。辛い日々こそ境遇に負けないで、夢を持って生きたいと思う。 

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