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2008年1月17日 (木)

中国国歌に感泣の中国女性

 先日、近くの音楽喫茶「蔵人」で二人の中国人女性に会いました。一人は県内の大学院に留学中の方で、もう一人はその友人です。お二人とも張さんと言いました。

 ここ「蔵人」には、「松屋」と彫ってある元々昔のお店の看板であった大きな木製のテーブルがあり、それを囲んで紅茶・コーヒーをいただき、客は音楽を聴きながら初対面でもすぐ知り合いになれます。

 こんな雰囲気の中、中国の女性たちと紅茶で乾杯しすぐに打ち解けました。私もどうしたことか拙い中国語が蘇えり、天安門広場で毎日朝夕行なわれている国旗の掲揚と国歌の演奏についての印象を話したり、万里の長城の下のトンネルを列車で潜ったこと、内モンゴルのパオで飲んだ強いお酒の思い出などを話しました。

 彼女たちは日本語が堪能で驚きます。きっと頑張って勉強したのでしょう。私の話す中国語はどの程度伝わってるかは定かでありませんが、内モンゴルでの囲いのないトイレや日本の露天風呂の話では大いに盛り上がったので、少しは分かってもらえたようです。このような話はどの国の方でも男女を問わず共通しておもしろいのですね。

 外国の方とご一緒する機会に恵まれると、もっともっと語学をしっかりやらなくてはと痛感するのですが、人間の意思は弱いもの。なかなか努力が続きません。今回も彼女たちの語学力にかなり刺激を受けました。もっと中国語の単語を覚えなくてはなりません。

 私の趣味はレース鳩やピアノであることを伝えましたら、彼女たちはピアノが聴きたいと言いましたので、近くの私の家に行くことになりました。二人を連れて来られた日本人の方もご一緒です。

  はじめに中国の方には珍しいと思われる畳の部屋にお通しし、紅茶を出して歓談しました。ここでは中国人書家・銘揚氏の書を珍しそうに見ていました。これは「中日友好号」について書いてあります。

 いよいよピアノを聴いていただくこととなり、何を弾こうかと思いましたが、歓迎の気持ちを伝えようと私はとっさに「中国国歌」を弾き始めました。すると一人の女性は立ち上がり演奏を感慨深そうに眺め、もう一人の女性はどうしたことか感極まって目頭を押さえていました。

 まさか、日本に来て目の前でピアノによる自国の国歌が聴けるとは思っていなかったのでしょうか。それとも国歌を耳にして祖国の懐かしい家族・友人を思い出したのでしょうか。中国の方にとって「国歌に対する思いは常に崇高なもの」かもしれないと感じました。

 今までの和やかだった雰囲気は、途端にしんみりし、張り詰めた空気になりました。その後、荒城の月やべサメムーチョ、冬のソナタを弾きましたら彼女たちに笑顔が戻り私もホッとしました。中国の女性もヨン様がお好きなようです。

 国際交流の第一歩は、その国の音楽を演奏することで、互いの気持ちがぐっと近づくような気がしてなりません。 

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