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2008年5月28日 (水)

忘れかけていた日本男児魂を垣間見る

 30年程前、今は亡き両親が関西旅行したとき、小さな杉の苗をお土産に持って帰りました。由緒ある神社で購入したとのことで、その後は御神木として育てていました。そして、この杉をいつまでも大切にするよう私に伝えていました。

 年代的に見て、この杉は私を青春時代からずっと見守ってきたのです。杉が成長してから殆ど何も手を加えませんでした。杉は上へ上へと高さが伸び、今では10メートルほどです。杉の特徴として枝は横に広がりません。しかしながら、枝の量が余りにも多く、枝を下ろすことにしましたが、高く危険なため私にはできません。

 そこで思いついたのがシルバー人材センターです。値段が専門業者の約半額と知り、それも魅力です。申込み後、10日目ほどで本日作業に取り掛かってくれました。10メートルもある木をどのようにして枝を下ろすのか見守っていましたが、驚いたことにまるで猿のようにスルスルよじ登り、高いところから切り落としを始めたのです。

 依頼人の私は、もしものことがあってはとハラハラです。良く見るとベルトに命綱をつけて幹と結び付けています。杉の木の梢近くは細くて、揺れ今にも折れそうで見ていられません。

 どうしてそんなにスルスル登れて、恐くはないのか、休憩のお茶のとき訊いてみました。そしたら何と、現役時代は電気工事関係の仕事に従事し、毎日のように電柱に登って作業してたとのことです。おお、なるほど!

 私はこのとき思いました。かつての経験をフルに生かし、現代社会のために持ってる特技を生かす典型的なシルバーパワーと思いました。70歳ほどの年令を重ねても普通の人にはできない高所での危険な作業です。

 私はこのように一般の人には不可能なことを堂々と実行してみせたり、精神の強い高齢の方々を心から尊敬してしまいます。

 今や日本の国では後期高齢者などとお役所的発想に基づく失礼な表現を無造作に使い、戦前戦後の苦難の時期を通して日本を先進国へと築き上げた年配の方々に恩を仇で返すような冷たい社会になりつつあるように感じます。

 本日の危険作業を拝見し、死語になりつつある日本男児魂を垣間見ました。高所作業に人生を賭けた筋金入りの生き方です。高齢者の方々の中には道は異なっても現役世代にはまだまだ負けない強い精神力の持ち主の方々はきっとたくさんおられると感じました。

 必ず誰にでも、いつかはやって来る70歳80歳90歳です。年を重ねれば重ねるほど充実した精神で過ごせ、安心な生活が保障される日本でありたいものです。今の世の中は年を重ねるとますます心配なことが膨らむ気配もあります。

 人口分布によって高齢者の割合が多くなるので、難しい点はあっても日本人の頭脳を持って立ち向かえば、年令が増しても国民にとって夢のある社会は可能でしょう。

 翻って私は社会のためにどうかと自問自答しています。全くの一人暮らしで現在どうしても張りのない日々を過ごしています。でも、この環境を脱皮できた暁には、シルバー人材センターの方々の仕事振りに感銘し、私もなんらかの形で音楽の素晴らしさについて鑑賞していただいたり、若い人に話ができる機会が生まれることを願ってます。

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