レース鳩、手を抜けない6月の管理
レース鳩にとって、梅雨と共にやってくるのが換羽の季節です。これから約半年間かけて主翼、副翼、尾羽を始めとし、すべて羽が生え変わる大切な生理現象で、飼い主としては来年のためにきれいに仕上げてやりたいものです。
同じ管理をしていても、換羽の進捗状況により、その鳩が健康であるかどうか一目瞭然に判定できます。健康な鳩はスムースに生え変わり、換羽中であることが分からないほど、少しずつ抜けては生えてくるので、そのように見えるのでしょう。一方、不健康な鳩は抜ける羽の量に対して体内での羽の生産が追いつかず、いかにも換羽中であることを示し、みすぼらしい姿になります。
この点からも飼育者は種鳩の新規導入時点において、優れた血統は言うに及ばず、剛健な種鳩を導入すべきで、これを誤ると数年間は不健康な鳩を世話することにつながります。最高の血統、健康な肉体は新規導入における大きな二つの車輪でしょう。
ところで、春のレースも終わり、競翔家にとっては何とはなしに気の抜けた感じの今日この頃ですが、この時期こそ反省したり、いろいろ再検討すべきと信じます。それは自鳩舎における血統及び管理についてです。
先日、長野県佐久市で開かれた「浅間山鳩舎」主催のオフ会でお会いしました「常念の麓鳩舎」では、種鳩新規導入において、徹底した厳しい基準のクリアーが感じられました。
「ヨーロッパでの1000K上位記録鳩でもすべて魅力があるわけではなく、放鳩地がペルピニャンやバルセロナのように内陸を飛んだ鳩であるかどうか」がポイントと話されました。いかに好成績であっても、海岸付近や平野を飛んで来た鳩は山岳向きではないのでしょう。
なるほど「常念の麓鳩舎」の位置するところは北アルプスを控えた急峻な山岳地帯。それにもかかわらず、今春の長距離レースにおいて、稚内、羽幌、グランプリと三冠を達成され、平地に構える鳩舎より燦然たる成績です。これを裏づける導入方針には哲学がありました。
ところで、本日のタイトルに関して、競翔家にとって最も嫌な長雨の昨今、鳩舎内は床や巣房を始めとして、すべて湿ってしまいます。口が利けない雛の巣皿近辺は毎日きれいにし、【特に巣皿の下に空気が通るよう工夫し】常に乾燥させてやりましょう。
餌の保管場所についても乾燥したところに保管し、梅雨の晴れ間には「天日干し」して乾燥させて、カビや害虫から餌を守りたいものです。
先日もブログで書きましたが、この時期、鳩舎内は十分な換気が必要です。空気は横に流れるだけでなく上下にも流れることを眼中に、今流行の「KY」は文字通り、鳩舎内の空気を読むことでもあり、舎内を乾燥させたり、空気の澱みがないよう工夫したいものです。
このためには、掃除は億劫ですが、今の時期、毎日してやりたいものです。レース鳩を飼育してる方はお互い頑張りましょう。
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