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2008年8月

2008年8月30日 (土)

フォーブス翻訳家マイさんに会う

 私の住む倉賀野町にはピアニストの保嶋亮子さんがおられ驚きましたが、先日、高崎市コアホールで彼女のリサイタルに感銘し、その後、お会いする機会に恵まれました。

 ピアニストならではの感性に触れることができ、貴重な体験をこれからの私の練習に生かしたいと思ってます。

 ところで、ブログにコメントをいただいたことがありますマイさんに一昨日、倉賀野の音楽喫茶「蔵人」でお会いすることができました。他にお客も殆どいなく、ブラームスなど聴きながら2人で1時間半ほどおしゃべりしました。

 マイさんについてはブログでご紹介とたことがあります。彼女も私の家から歩いて5分のところにお住まいで、こちらは英語が超一流です。

 驚くより他はありません。アメリカの著名経済誌「フォーブス」翻訳家です。英語の達人とは彼女のような人を言うのでしょう。英文を見ると瞬時に意味を理解されるようで、私が日本文を読むのと同じなのでしょう。あるいはそれ以上かもしれません。神秘的なほどまでの英語力です。倉賀野町には本当に素晴らしい女性がいると感じてます。

 拙いブログをご覧いただき私のホームコンサートにいらしたことがあります。音楽を聴くことがお好きで、先日もコアホールでのチェンバロ演奏会では偶然ごいっしょでした。

 彼女にお会いして感心させられることは翻訳家と言う職業柄でしょう、図書館に通われ関係する情報や知識を常に勉強されてます。知識の量も超人でしょう。

 翻訳という仕事は記事内容が森羅万象を対象とするため、物事の背景を理解してこそ読者に正しい訳を提供できるとお考えのようです。

  フォーブスは月刊誌ですから毎月、原稿提出期限があり、心の休まる暇がなく、旅行などに出られないようです。

 私は思いました。このように昼夜を問わず長時間、集中力を必要とする翻訳業には精神的バランスが不可欠でしょう。集中に対する休息です。彼女はクラシックがお好きですから、その点とてもいいと思われます。

 たまたま、私も音楽や英語が好きですから身近に感じます。私よりずっとお若いのに来る日も来る日も英文に集中され敬意を表します。

 彼女と知り合ってから、改めてボキャブラリーに挑戦したい気持ちです。私はJapan Timesから好きな記事を拾って読んでますが、いつになっても茨の道で、すらすら読むには年月がかかります。それでも「千里の道も一歩から」の気持ちは持ってます。

 一般的に「偉大な人ほど謙虚である」と聞きますが、マイさんのお人柄はそのものズバリ。私も見習い物事に対して「より本質を追求できるよう」集中心を養いたいものです。

 近いうちにホームコンサートの機会を作り、「テンペスト第1楽章」で翻訳の疲れをとっていただきましょう。お聴きになったら反ってお疲れになっては本末転倒なので毎日しっかり練習しよう。

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2008年8月28日 (木)

「どんどん」でスペイン人と乾杯!

 ブログを書いてるとどうしても言葉のみの世界になりがちです。一方、人間だけが言葉を話すのですから、これをしっかり使い、言葉使いには磨きをかけなくてはなりません。私たちは母語である日本語を正しく、また一つくらい外国語を使えるようになりたいものですが、一朝一夕にはいきませんね。

 この拙いブログも一瞬にして英文になるよう設定してありますので、時々ご覧いただければ幸いです。

 「北京オリンピック」の中継を見ても、世界人口の98パーセントが日本語以外で生活してることが分かります。進行アナウンスに日本語は一切聞かれませんでした。

 ところで、私はActions speak louder than words.【実行は百言に勝る】ということわざが好きです。前回のブログ「人は動脈とともに老いる」で歩くことがいいと書きました。このため、早速、昨日は「白衣観音慈悲の御手」と詠われる高崎観音丘陵地帯を散策しました。夏の終わりを告げる丘陵地一帯の空気は最高にいいです。

 昭和11年に建立され高さ41メートルを誇る観音様はいつ見ても穏やかな風貌で、何か安らぎのことばをかけてくれてるような気がします。

 観音様の後方に「光音堂」という宮があります。縁結びの神とのことなので早速お参り。果たして一人暮らしから別離できるでしょうか。

  最近はいよいよ神頼みの心境になりました。一人での夕食ほど辛いことはありません。言葉を話す人間にとって孤食ほど不自然なことはないのです。

 そんなことで、昨日は夕刻に私の家から、またしても高崎駅前「どんどん」まで約5キロを1時間10分かけて歩いたのです。どうしても運動不足気味なので、歩ける喜びを味わいながら、でも、本心は生ビールが美味しくなることを夢見て頑張り、汗ばみました。

 「どんどん」のカウンターで美味しくいただいてたら、偶然にもスペインの男性が来て隣りの席に座ったのです。

 これはチャンス!頃を見張からって、尽かさずExcuse me, "May I interrupt you ?"で話しかけてみましら、にこにこし応じてくれました。奥様をバレンシアにおいたまま仕事で日本に滞在とのことで、私と同じく、生ビールとお刺身で日本食を楽しんでいました。お互い趣味など話しました。

 【ところで、私はスペインに関係がありますが、何だと思いますか。】と質問しましたら目をぎょろぎょろさせて興味深そうにいろいろ質問してきました。

 そこで私は I am breeding racing pigeons with pedigee of European strains. Your motherland is very famous for it's releasing place, especially Barcelona. And many racing pigeons fly bound for northern Europe such as Holland and Belgium. The distance between the two is more than one thousand kilometers.のようなことを話したら驚かれたような顔つきで、スペインの友人もレース鳩を飼育していると言いました。

 そんなこんなで、話し相手のいない私は、昨日もしかして日本語より英語を話してた時間が多かったようです。スペイン人の彼も英語は外国語ですから、同じ立場で話せたことに、世界共通語であることが再認識できました。お陰で、これからもボキャブラリー挑戦を続けたい気持ちになりました。

 帰り際に私が「スペイン国歌」の旋律を歌いましたら、彼の目は少し潤んでいたようです。 毎回感じることです。外国の方とお会いし仲良くなるのはいいのですが、別れるのが辛いです。それはほとんど永遠の別れだからです。

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2008年8月26日 (火)

人は動脈とともに老いる

 タイトルは20世紀初頭に活躍した米国の医学者ウィリアム・オスラーの言葉といわれます。

 私たちは、生きてる限り体内では絶えず血液が循環していることを知ってます。その血液量は4~5リットル程でしょう。しかし、実際に動脈や静脈の血流を見ることはできません。

 ところが、動脈が身体のどの辺を通過してるかは大体わかります。例えば腕に関して、肩や肘そして手首などの関節付近では必ず内側にあることに気づきます。これらの関節の外側は怪我しやすい所なので、もし怪我しても血液が噴出しない仕組みになってることを考えると、体は神秘的でうまくできてると思います。

 ところで、心臓から凄い圧力で押出される血液は動脈を通過して流れますが、この大切な動脈が年齢とともに硬くなり、心筋梗塞などの原因になるといわれます。

 平素、動脈の流れ具合を見ることができたり、自分で硬さが分かれば注意しますが、自覚症状もないことから、この重要な動脈について、どうしても無頓着になりやすいです。

 私たちにできる唯一の方法は【定期的に血圧を測り、数値の異常を見逃さないこと】でしょう。

 一般的に早朝は血圧が高くなることが多く、この時間帯の激しい運動は危険といわれます。早朝は気分が良く感じても、起きたてのため硬くなってる動脈に血液が多量に送られることに無理があると考えられます。朝はのらりくらりがよく、これからは秋から冬へと次第に気温が下がるので、運動は10時過ぎになってからにしたいものです。

 毎日しっかり歩いたりすると「有酸素運動」になり、継続すると血圧が多少下がる傾向です。このため運動は動脈を柔らかくするのに効果があると考えられ、意識して両腕を振りながら歩くこともいいでしょう。

 しっかり運動、バランスの取れた栄養摂取、ぐっすり睡眠は基本です。しかし、食事に関しては落とし穴があります。それは私も難しいことですが、「食べ過ぎないこと」でしょう。

 専門家ではありませんが、私は適度な運動は動脈硬化を防くのに効果があると考えます。

 私の場合、意志の弱さに対し、長続きするため場面をいろいろ変化させたいです。健康のために皆さん頑張りましょう。

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2008年8月24日 (日)

日本で我慢を学びました。

 北京オリンピックの閉会式を見ながらブログを書いてます。

 死者6万人を超えた四川省大地震、大気汚染、チベット問題、長野市を含む各地での聖火リレーの混乱、開会直前の新疆ウイグル自治区カシガルを中心とした民族紛争で開催が危ぶまれましたが、無事、すべての競技を終え閉会式を行なってます。

 開会式同様、空中での演技を含む何と見事な演出でしょう。どれ一つとっても見応えのある集団演技で圧倒されます。指導者の感性の高さに感銘すると共に、各演技者たちの事前練習が周到であったことが窺えます。

  メダルに届いた人、届かなかった人、それぞれ感動的で人生の歴史に残る幸せなオリンピックだったと思われます。

 以下は試合を終えた日本人選手の言葉の中で私の記憶に残ったことです。

 ★福原愛選手【無事に終わってホッとしている。メダルを取れなくてくやしいけれど、練習を出し切ったので悔いは残っていない。】

 ★伊調千春選手【姉妹で歩んできたことが誇りです。何もしないで負けるより、何かをして負けるほうがいい。】

 ★上野由岐子選手【打たれると思うと打たれてしまう。自分を犠牲にしても、仲間のために頑張った。】

 ★谷亮子選手【練習も家庭も子育ても手抜きをしない。これからもロンドンをめざして頑張ります。】

 ★朝原選手【最後に最高の成績を出せて嬉しい。陸上競技で培った経験を違う分野にも応用できるようにしたい。】

 ★吉田沙保里選手【2連覇でき、決勝でフォール勝ちできたことが印象に残っている。苦労を共にした他競技の人たちを生涯の友人としていきたい。】

 ★マラソン金メダルのワンジル選手【日本で我慢を学びました。】

 80年ぶり銅メダルを獲得した陸上400mリレーは素晴らしいバトンタッチで心から感動しました。

  金メダルに輝いたソフトボールの上野投手は当地・群馬県高崎市「ルネサス高崎」に所属する選手です。

 ワンジル選手は仙台育英高校出身。昨年暮れに火を噴いた民族対立は「戦争のようだった」という母国ケニアの平和を願う金メダルであった。しかも、五輪新。

 選手の皆さんは戦いを終えホッとしてることでしょう。暫らく休んで疲れを癒し、心身ともに緊張を解してほしいです。お疲れ様でした。

 現在、世界ではあちこちで民族紛争及び大地震に見舞われ、それによって親を失った多くの子どもたち、食糧不足、また伝染病で多くの子どもたちが想像を絶する苦しみに耐えてます。

 そんな状況であっても【日本の野球チームの中に茶髪の選手がいたこと】が私には最も納得できなかったことです。オリンピックの意義について責任者から教育がなされないまま参加したのでしょうか。ハングリー精神など皆無です。ワンジル選手に学ぶべきです。

 北京オリンピックのスローガン「一つの世界、一つの夢」に向かって、世界中の人類が平和を享受できる日を望んでやみません。北京オリンピックは数々の感動的を与えてくれました。オリンピックを通じて、中国の偉大さに改めて感銘です。 

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2008年8月22日 (金)

くじで選ばれる裁判員制度

 私は裁判員制度について、すべてを理解できてませんので、12月に「呼び出し状」が来るかどうか、不安というのが本音です。

 司法制度の民主化として法制化され、来年5月21日から実施される予定です。

 このため、今年の12月までに有権者の中から、来年行なわれる裁判のために全国で約30万人が選ばれ、選ぶのは市町村の選挙管理委員会のようで、それは何と「くじ引き」で選ぶらしいです。当たった人には「呼び出し状」が届き、原則的に裁判員を辞退できないといわれます。辞退すると罰則があるといわれます。

 毎年12月までに翌年の裁判員が選ばれるので、人によっては生涯で複数回、選ばれる可能性もあるでしょう。

 裁判員制度についての国民の反応には、いくつかの統計があるようですが、私の推測では、多くは消極的のようで、それは裁判員になりたくないということでしょう。参加したい人より参加したくない人が多いと思われます。

 裁判員になると参加日数は3~5日のようで、平素の勤務を休まなくてはならず、本人はもちろん事業主まで、かなりの負担になるでしょう。

 任務については、地方裁判所で裁判官と一緒に刑事裁判の法廷に立会い、有罪か、無罪か、量刑に関与し、判決の宣告により終了のようです。

 その前に行なわれる評議については厳しい「守秘義務」が課せられます。評議内容について家族や友人に話すと罰則規定が適用されるようです。しかし、将来にわたって評議内容について「守秘義務」を守り通せるでしょうか。性格として、秘密を持って生きることが心の負担になる人もいるでしょう。

 裁判員になると、氏名は公表されなくても、裁判員同士はお互いに分かります。 以下は裁判員制度で私が危惧する点です。

【法廷内で被告人とその事件関係者、また、入廷した傍聴者に顔を覚えられてしまう可能性があります。】

【地方裁判所で判決に立ち会うため、被告人やその事件関係者が近所の人であったり、知人、同級生、同窓生、あるいはその家族、遠い親戚の場合も起こります。】

【判決いかんでは、被告人や事件関係者から将来、危害が加わえられる可能性】が考えられなくはありません。

【特に、不当判決といわれることが起こると、任務が終わった後も、ずっと心理的負担が続き、身辺まで不安となる。】

  被疑者の取調べが密室で行なわれてる現在、裁判ですから、ごく稀に冤罪になることもありうるでしょう。

 群馬県でも前橋地方裁判所が裁判員候補者割り当て数を公表しました。管内全体で6000人が必要とされ、高崎市が1012人、前橋市が949人と各市町村にそれぞれ割り当て数が決まりました。

 これから毎年、裁判所から「呼び出し状」が来るか、来ないか、晩秋から初冬にかけて憂鬱になりますね。 

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2008年8月20日 (水)

進化したクワトロ4WDスポーツカー

 お盆りの里帰りで横浜に住んでる長女が友人など総勢7名連れて我が家に2泊3日滞在していきました。余りの多さに私も驚きましたが、我が家を拠点にしてドイツ村や長野市の花火大会に行きました。

 夕食は私といっしょに楽しみましたが、私は料理を振舞うことができないので、近くの和風レストラン「一銚」で8人がワイワイ楽しい懇親会となりました。私のいつもの孤独感は宇宙の果てに消えて行きました。

 男性2人は車のセールスマン。私が車に興味があり、スポーツタイプの新車を探していることを察知。本来ならば自社の車をお薦めのところですが、私の好みを知りつくし開口一番「それはアウディーTT」が最も似合うと言うのです。どの観点からも素晴らしく、性能は抜群であると力説するのです。

 私は早速、昨日、高崎市と前橋市をつなぐ高前バイパス「アウディー高前」を訪れました。群馬県には2店舗のみというショールームには新車がずらりと並んでいます。その中で私の目を虜にしたのは、もちろん「アウディーTT」。

 燦然と輝きを放つスポーツカーはまるで新たな感動的出会い。あたかも「よく私を探してくれましたね。」とでも言ってるような表情で迎えてくれました。

 ピアノ演奏や英語、経済動向もそうですが、プロの判断というのは格段の差。より本質に迫り、一般人とは観点の高さが違うのですね。車において素人の私は、実物を拝見し「一銚」での論議は「なるほど」と思わざるをえませんでした。

 早速、運転席というよりコックピット感覚漂う空間に座ってみました。ハンドルはドライバーにフィットするかのように上下・前後に移動調整できるのです。車幅184センチは広くて、比較的身体の大きい私に余裕があり、椅子は運転者を優しく包み込むかの如く人馬一体感です。視界は良好。

 それにも増して機能が卓越。184kwを誇る6気筒、3.2リットルのエンジン、フルタイム4WDは245/40R18インチタイヤとともに、走行状況に合わせた接地感覚をもたらし、高速安定性は揺るぎないものと推測できます。

 120k/hに達すると自動的にせり上がる格納スポイラー。スタイリングは納得できる精悍デザイン。特に強固なボディー剛性はドイツの伝統でしょう。

 ところで、「一銚」での盛り上がりの中、私は「助手席に乗る人がいないので、すぐ買う必要がないのです。」と言うや否や、私を取り巻く人たちは異口同音に「そんなことを言っては誰も来ない。出会う前に納得した車を持ってなくてはならない」というのです。」経済は低迷期だし、どうしましょう。【涙】

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2008年8月18日 (月)

女性ピアニストから感性を習う

 8月1日に高崎市コアホールで行なわれたピアニスト保嶋亮子さんのリサイタルを拝聴し、その感銘を翌日のブログでご紹介しました。ブログを書き終え、すぐご本人に連絡したことがきっかけとなり、幸運にも昨日お会いする機会に恵まれました。

 グランドピアノが2台並ぶ部屋に通され、コーヒーをいただきながら1時間20分ほど一流のピアニストから直々に話を伺うという充実した時間は過ぎました。

 ピアノを弾く人は五万といてもリサイタルを開くピアニストは一握りでしょう。彼女は今まで海外に於いてはロスアンジェルス・インターナショナル・ピアノシンポジウムや、ドイツのテュービンゲンに於いてスクリャービンのソナタを弾くなどヨーロッパ各地で演奏活動をされました。これからも高崎市をはじめ各地でリサイタルを開かれるでしょう。

 彼女は世界の小澤征爾氏の後輩です。私は一流の音楽家とお会いすることなど暫らくぶりですから、近年にない胸のときめきがありました。それはカルカッタ・シンフォニーのユダヤ人指揮者バーナードヤコブ氏にお会いし指揮を教わったり、我が国クラシックサックス界パイオニア阪口新氏にお会いしレッスンを受けて以来のことです。

   今回、保嶋亮子さんからピアノ演奏についてどのくらい、お訊きできるか心配でしたが、ステージで拝見した華やかな衣装と異なり、リラックスした姿で気さくに接してくだいました。緊張してた私の心は彼女の笑顔により安堵し、スムースにいろいろ伺えました。このため初対面の感じはなくなりました。

 年齢はお若いです。ピアノ演奏に対するお気持ちには並々ならぬものを感じ、きっと美を追求する精神が張り詰めているのでしょう。言葉から情熱がひしひしと伝わります。こんなこともあり、先般のプログラムでは5楽章もあるブラームスのソナタを最後に弾かれたのだと思います。

 「どの作曲家を中心に弾かれますか」の問いには、多くの作曲家に挑戦してもドイツの作曲家に集中することが多く、中でもバッハは基本中の基本と話されました。「演奏中の頭の中で鍵盤をどのように捉えるか」については、やはりドレミで捉え、すべて「固定ド」とのことです。この点は「海外のピアニストも同様でしょう」と仰いました。鍵盤へのタッチを通して、作曲家が創作したイメージを演奏で実現する精神の職業と感じました。

 先日、話題にした腱鞘炎について、長いことピアノが弾ける状態になく、それは手の平だけでなく肩甲骨から腕全体が痛み、フォークやスプーンが持てない状態であったとのことで、この頃はピアニストとしてスタートラインに立った時であり、大変にお辛い時期であったことが分かりました。腱鞘炎を研究してるロシア人ピアニストの指導もあり、今となっては、結果的にこれを乗越えられたことが、これからピアニストとして生きていく上にも良かったとまで言われました。

 この話を伺い、楽聖ベートーベンが歩み出す頃、耳の病に罹り、作曲家としてどう生きるか絶望した時期があっても、そのことが、かえって名作の創造につながり、考えられぬほど数々の名曲を生み、偉大な第九交響曲創作につながったことが脳裏を横切りました。解決のないような大きな苦難に遭遇し、それを克服した人は、その後、それだけ素晴らしい未来が迫って来るのではないでしょうか。

 保嶋亮子さん、これからもドイツの作曲家の作品をお聴かせください。楽しみにしています。彼女の精神を見習い私も少しでも感性を磨きたいものです。

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2008年8月16日 (土)

金のなる木に経済回復を託す

 2ヶ月ほど前、隣りのTさん宅から「金のなる木」の枝をいただきました。 この枝は挿し木にすると根が出てくることは知ってましたが、「金のなる木」ですから文字通り、根と共に値が出てくればとも思いたくなります。ご覧のようについたと見え、葉に勢いが感じられます。このまま数年経てば大きくなるでしょう。この木に経済回復を託す気持ちになってしまいます。

 本物の世界経済は株価下落で、このところ日経平均も13000円程度、しかも原油高騰でまだまだ低迷です。北京オリンピックが終了する後に経済は上向くか、それとも下降するでしょうか。北京オリンピックと米国大統領選が今年の経済の節目であるとことは十分に考えられます。

 最近は微々たるものであっても、米景気の先行き不安を和らげる指標や、原油高騰により世界中で石油の消費量が落ち込んでくる状況下、原油先物取引の下落により、円売り・ドル買いが優先されてるといわれます。このためでしょう、為替レートは一時より円安傾向で、1ドル=110円台になってます。

 どうしたことか最近では7月16日が底をつきました。この日の経済状況は決して喜べなかったのです。因みにこの日は私の誕生日。素敵な女性から嬉しいプレゼントを頂きました。お陰でとっても幸せな気持ちになり、心のバランスはよく取れていました。

 一般庶民にとって経済推移はどうにもならぬことで静観するだけです。今年も残すところ4ヶ月余り、果たして1年半ぶりに120円台に行くでしょうか。株高円安・原油下落を期待してます。輸入関係は状況が下降し円高差益がなくなっても、概して日本中が元気になると考えられます。

 ところで、話は変わりますが、我が家の観葉植物は現在、庭でリハビリ中です。どれも見た目には快調のようで、コンシンネについては室内のみではどうしても葉の勢いが悪くなるので、毎年6月~8月までは植木鉢から出して、直接、地面に植え自然に帰してます。このためでしょうか、樹勢はいいです。

 君子蘭についても庭に出してますが、葉が焦げるので植木鉢のままで半日陰の場所に置いてます。サボテンは石の上に置かず、土の上に置くと威勢が良くなります。

 こんなことで植物の気持ちになって、それぞれ勢いがよくなるよう見守っています。レース鳩も植物もこまめに観察し世話すれば、必ず調子が上がると確信します。

 しかし、経済は天気と同じでどうにもなりません。どんな状況下であっても、安定生活の基盤ですから目が離せません。最近、私は機会あるごとに経済のプロと連絡を取り合い、現況の把握にアンテナを張るようになりました。

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2008年8月14日 (木)

年を取れば取るほど楽しくなる日本に

 国民の健康を守る制度に歪みが感じられます。人口1000人当たりの医師数2人は先進国の中でも低水準といわれ、医療現場では過酷な労働が余儀なくされ、医療関係者も国民もますます困窮の度が増してます。

 近年、増えてる女性医師の場合は、過酷な労働が結婚後の医療と家庭の両立に困難であるといわれます。医師が増えただけで解決できる問題ではなくても、医師の増員を図り、財源確保の政策を推進してほしいものです。

 一方、産婦人科を中心に医療訴訟が増えてるといわれ、このようなことが医師希望者減少の要因につながらないよう願いたいです。医療は人命の安全を保障するもので、国が繁栄する基盤です。

 ところで、もうすっかり定着した「後期高齢者」という言葉ほど、お役所から見て明確な表現はないのでしょう。対象者は戦前戦後を通じて大変な苦労をされた方々です。今日の繁栄の礎を築いた方々です。この人生経験豊富な方々から私たちはいろいろ学ばなくてはなりません。

 近所にも75歳以上の方々がたくさんおられます。お邪魔しお茶をいただきながら「後期高齢者」という言葉についての感想を伺うと、私の存じ上げてるすべての方々は異口同音にやり場のない不快な印象を述べられます。

 日本中でこの言葉が定着してしまったので、なかなか変えられませんが、私は冗談に「高貴高齢者にしたらどうでしょう。」と言いましたら、それはいいですねと仰ってました。

 いまの世の中、年齢がかさむと家族も少なくなり、若い人との交流がなく、頼りもされず、寂しい思いをしている方が多いように思えます。愛のない生活ほど辛いことはありません。若い人たちも必ず高齢者になるのです。人ごとではありません。

 国全体で【年を取れば取るほど楽しい日本】を合言葉に物心両面において高齢者を大切にする日本の国にしたいものです。 

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2008年8月12日 (火)

田村で金、谷で金、ママとして金です。

 北京オリッピク柔道女子48キロ級で「柔ちゃん」こと谷亮子選手が今大会において日本勢初のメダルを獲得しました。優勝はルーマニアの選手でしたが、3位決定戦でロシアの選手に1本勝ちして見事に銅メダルです。

 谷亮子選手は16才で初めてオリンピックに出場して以来、オリンピック五大会連続出場、しかも五大会連続メダルです。世間では「金」を逃したと話題にしてますが、ママさんアスリートとして日本中の母親に夢を与えている素晴らしい女性です。

 「谷選手の姿に自分の夢を重ねている」女性たち、とりわけ家庭の主婦は日本中、世界中にどれほどか多いことでしょう。これだけでも母親として立派な模範です。

 「世間のお母さんたちの気持ちを感じながら畳に立った。」との言葉に、アスリートを超えた彼女の深い人間性を感じます。きっと母親の代表として試合に臨んでる気持ちなのでしょう。

 長男佳亮ちゃんが誕生してからの練習は、佳亮ちゃんとのスキンシップを図るため、1歳までは抱っこしてのスクワットが日課とのこと。この光景を想像しただけで涙です。

 オリンピックに向けての本格的練習や復帰戦では試合の合間にも搾取しながら戦ったとのことで、夜中の3時間おきの授乳は睡眠不足に陥り、体調維持には人一倍苦労されたことが窺えます。

 今大会では応援に行った息子さんが、環境の違いからか39.6度の高熱になり、容態が心配であった中での試合。母としてどれほど辛かったことでしょう。

 幼子を育てながら柔道のトップベルを維持してるだけでも敬意を払わなくてはなりませんが、世間はどうしても金に拘ってます。そのため、各紙とも「金を逃す」との見出しが目につきます。

 先日ブログに書きましたクーベルタン伯爵の言葉がよぎります。「日々過酷な練習と主婦業との兼務は並大抵ではなかった筈です。クーベルタン伯爵と谷亮子選手の姿がダブります。

 お子さんが高熱という状況下にありながら、オリンピックで銅メダル獲得は見事という他はなく、母親として【大金星】を勝ち取ったのです。谷亮子選手の場合、銅という字は文字通り【金に同じ】となります。息子さんの回復を祈ります。 

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2008年8月10日 (日)

立秋を告げるツクツクボウシ

 太陽黄経90°の夏至からすでに50日が経過し、気がつかなくても日照時間は短くなってます。北半球の季節はどんどん秋に向い、地球の位置は夏至から45°も公転しました。

 殊のほか猛暑であった今年の夏ももうじき終わりに近づきます。何だか寂しい気持ちです。近くの洋服屋ではすでに秋物セールです。

 それにもまして、夏から秋への移り変わりを告げるのは庭で鳴くツクツクボウシです。平安時代から歌に読まれ独特の鳴き方です。

 近寄ると危険を察し逃げてしまいます。今日はラッキーにも鳴いてる姿をカメラに収めることができました。上の写真で幹にとまってるツクツクボウシの存在が分かりますか?下ならお分かりでしょう。

 「オーシンツクツク、オーシンツクツク」と約20回鳴き、その後は「もいよーす、もいよーす、もいよーす」と3~4回ほど鳴きます。私にはこの「もいよーす」「もいよーす」が「夏はもういよーす」「夏はもういよーす」と聞えてなりません。夏に終わりを告げるこれほど季節感を表わす動物は他にいないでしょう。

 ご参考です。 http://www.youtube.com/embed/fIXb61S9r4E

 この鳴き方を更によく聴くと、起承転結になってます。起はジーーーと暫らく鳴くいわば序奏、承はそのジーがクレッシェンドして、しかも、リタルランド、転はついにオーシンツクツク、オーシンツクツクとなり、最後に行くに従って次第に速くなり、音楽で言うアッチェルランド、結は「もいよーす、もいよーす、もいよーす」です。特に、転から結への移り変わりはベートーベンの「運命」の第3楽章から第4楽章へ移行する過程にそっくりです。蝉が似てるのではなく、ベートーベンの方がこれからヒントを得たのかもしれない。

 外敵から見つからぬよう保護色です。それは背景に対し立体感を打ち消す色合いにより、形の把握が難しく、自然界は誠に神秘です。羽は透明で黒っぽい斑点があり、体長3センチほどであっても鳴く音量は見事で、メスを呼んでるものと考えられます。想像を絶する大昔から命を繋いでるのでしょう。もしかして人類より先輩か。

 一方、ツクツクボウシの鳴声は昔から木魚を叩いて読経を読む僧侶の雰囲気に似てると古代人にも思われていたのでしょうか。ツクツクボウシのボウシという名前の由来は法師から来ているといわれます。こうなると僧侶がわざわざ各家に出向いてお経を唱えてくれてるようにも感じます。いよいよお盆の季節、何とタイミングよく供養をしてくれるのでしょう。

 蝉が地上に生きてるのは1週間程度といわれ儚い一生です。それに比べれば人間はあまりにも長命で幸せかもしれません。であっても、人間は人間で悩みはつきもの。

 私の心境を奏でるシンフォニーはいつになったら終楽章の歓喜の歌に達するか。Every cloud has a silver liningの心境を信じていいのでしょうか。 

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2008年8月 8日 (金)

クーベルタン男爵の言葉

 【The most important thing in the Olympic game is not win but take part, just as the most important thing in life is not the triumph but the struggle.】 

                      Pierre de Coubertin

 第2代IOC会長クーベルタンの言葉です。彼がフランス人であったことから、その後オリンピックのアナウンスは、まずフランス語、そして公用語の英語、最後に開催国の言葉が使われます。

 オリンピックに参加できるのはほんの一握りの方々であることを考えると、彼の言葉の後半については、すべての人間への道標であり、それぞれ【人生に於いては目標に向かって努力すること、己に勝つことの大切さ】を諭しています。

800pxolympic_flag_svg ところで、五輪のマークもクーベルタン男爵の考案といわれ、同一色でもよく、原色五色を用いる場合は、青、黄、黒、緑、赤で、オセアニア、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカの五 大陸を表わしていても、どの色がどの大陸であるかは指していないといわれます。しかし、印象として青はオセアニア、黄はアジア、黒はアフリカ、緑はヨーロッパ、赤はアメリカの雰囲気があるように思えます。

 古代オリンピックは紀元前8世紀に開かれたギリシャ・オリンピアの町に遡るといわれ、現代でも聖火はオリンピアのヘラ神殿前で反射鏡から採火されてます。

 オリンピックの華マラソンの由来は紀元前ギリシャの兵士が戦場マラトンから勝利を伝えるため、アテネまでの約40キロを走り、絶命した故事によることはよく知られています。

  古代ギリシャ文明発祥の地、オリンピックの起源を考えギリシャに敬意を払い、最初に入場行進する国をギリシャと定めているのでしょう。It's all Greek to me. などとは言っていられません。

 2008年8月8日午後8時と8が並んだ北京オリンピックの開会式では約10000人の選手が参加するといわれ、中国ならではの孔子の教えに始まり、歴史に基づく素晴らしい開会式を拝見しました。平和のシンボルである鳩も工夫されてユニークな動きがあり感動しました。

 入場行進により世界には多くの国々があることを改めて感じ、何と204の国と地域。日本はその中にある一つであることが再認識できます。

 こんなにたくさんいる各国の選手たちも、東京オリンピックの時には殆どまだ生まれてなかった人たちで、時代の変遷を感じます。

 本日のブログはテレビで開会式を見ながら書き遅くなりました。クーベルタン男爵のことばを忘れず、北京オリンピックの成功と、未来は人間をより大切にする世界に向かってほしいと感じてなりません。

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2008年8月 6日 (水)

楽しいお酒かどうかの分岐点

 代々アルコールの好きな家系に生まれた私は、ご多分に漏れず夕食の一杯(?)は楽しみです。2人の娘もその血を引いてます。

 特に長女はどうしたことかビールが大好きで、他のアルコールを飲むのを見たことがありません。【大好きというより愛するというのがぴったり】で困ったものです。来週、実家に泊まりに来ますが、私は太刀打ちできるでしょうか。

 父母は明治生まれ、家族を養うため雑貨業して頑張ってくれました。お酒が好きな両親であっても、飲むのは正月や祭りの日、祝い事など特別な日のみでした。8人家族では経済的余裕がなく、平素は精一杯子どもを育て、教育熱心でした。自身小学校卒のみでしたから我が子には教育をと考えてくれたのでしょう。晩酌など縁のない環境でした。

 晩年は私と3人の時もあり、「百薬の長」を実行し、ちびりちびり楽しんでました。その成果の表れでしょう。四半世紀前であっても共に88歳の生涯は明治生まれにしては長命だと思います。

 ところで、「お酒を飲むのは男性」というのは昔の話。近年、女性がお酒を楽しむ光景を多く目にします。ビアガーデンに行っても男女比はほぼ同数。屋上で飲む解放感がたまらないのでしょう。まるで人間を取り戻したかのような雰囲気でおしゃべりも楽しそうです。

 私は週に1度ほど高崎駅前「どんどん」に行きますが、客の半数近くは女性です。このようなお店に来られる女性は比較的飲める方なのでしょう。

  お酒が好きな私があまり言えませんが、最近、感じてることがあります。それは若い女性の飲酒量は確実に増えてます。見た感じでは女性の1割くらいの方はかなり召し上がります。長女もその中に入るでしょう。

 飲酒の背景は男女とも相違がなくなってきました。男性の場合、多くは職場関係の付き合いから飲みますが、女性も社会進出に伴ない同様のことから飲む機会が増えてるでしょう。この他、職場での人間関係や家庭環境のストレスも考えられ、女性によっては家庭でキッチンドリンカーを楽しむ人もいると聞きます。

 お酒は取りも直さず、【飲酒の量が問題です。】これは男性も同じですが、男性と同じように飲むと女性は適量を超えることになります。

 専門的なことは言えませんが、女性の場合、アルコールを分解する肝臓は小さい筈ですから、それだけ負担が大きいでしょう。また、アルコールは水に溶けやすく、脂肪組織には溶け難いといわれ、一般的に女性は体脂肪が多いので、その分、水分が少ない筈です。このようなことからアルコールの血中濃度は上がりやすいと考えられます。

 お酒が「百薬の長」であるためには、適量をわきまえ楽しみながら朗らかにいただきたいものです。適量を超えマイナスに作用したときの判断力ほど危険なものはありません。

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2008年8月 4日 (月)

ヨーロッパの鳩レース情報最先端

 ブログ開設以来、カテゴリーの異なる462の文章を書きましたが、このうち、「人気記事ランキング」で常に10位以内をキープしてるのは【レース鳩の血統のみを職業】です。レース鳩飼育者にとって、きっと関心の高い記事なのでしょう。ご覧いただき私も嬉しいです。

 この記事は、長崎平和公園~伊賀国際鳩舎間のレースに於いて【Alone Prayer号】をもって1羽帰り優勝された埼玉県在住「名前のない鳩さん」のご紹介により、近年、交流させていただいてるFragrant Mountainさんについてです。

 このお名前は私が勝手にハンドルネームとして表現してるだけで、本名は岐阜県在住の香山さんです。彼の名については、英語で香はFragrant 山はMountainですから、私のPersimmon Marshと同様の呼び方をさせていただいてます。インターネットでは本名を使用するのは失礼かと思い、普段はこれをハンドルネームのように使用させて頂いてます。

 彼は類稀にも、ヨーロッパを中心としたレース鳩の血統のみを職業とされ、毎年9月に渡欧した折は国際レースなどで好成績を残したベルギー・フランス・ドイツ・オランダの鳩舎を訪問されてます。  

 どの職業でも「仕事のできる人は素早い情報キャッチが生命でしょう。」常にヨーロッパ鳩界情報の最先端にあり、もしかして彼は、レースに参加したヨーロッパの鳩舎自身よりも、放鳩時刻やレース結果の速報をいち早くキャッチしてる可能性があります。何と驚くべき迅速さでしょう。

 彼は私の掲示板【プロフィールをクリックし、私の掲示板はこちらをクリック】にヨーロッパにおける著名な5レースついて、放鳩時刻をいち早く掲載してくださいました。現在は情報化社会といわれても、ヨーロッパという遠隔地から飛翔情報を天候など考慮し、衛星地図入りで到着予測や、実際のレース結果をリアルタイムで提供してくださいました。まるで、現地にいるようです。いやいや、現地より早いかもしれません。

 ところで、ヨーロッパの鳩レースが日本と異なるのは羽数が極端に多いことでしょう。例えばブルージュNは7万羽以上です。私には想像がつきません。そして北緯47度付近の高緯度から北に向かって、一層、高緯度を飛翔するので、今の時期、白夜を味方にしてるとも言えるでしょう。

 歴史ある長距離レース放鳩地のバルセロナやペルピニャン、マルセイユであっても、その位置は北緯42~43度で日本では札幌付近と同緯度です。そこから北へ向かって樺太北部を目指すことと同じですから、帰還地に近づくほど気温は涼しく、日没時刻は午後9時過ぎでしょう。ご存知の通り、こちらは西岸海洋性気候でパリでも7月は18℃程といわれます。

 実は、6月18日に行なわれたフランス・ボルドーからの国際レースでは、当舎にいる「スチール号」を作翔したオランダ・プロンク鳩舎がイヤリング8658羽中優勝したと伝えられ嬉しい限りです。しかも、1304m/mです。ぜひ、当舎に於いて血統が蘇えってほしいものです。

 香山さんには健康に留意され、【レース鳩の血統を通じて日本とヨーロッパの架け橋となり】優れた血統の導入を期待いたします。いずれ貴舎を訪問し、明るい奥様にお会いしたいです。

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2008年8月 2日 (土)

腱鞘炎から復帰した偉大なピアニスト

 昨晩は高崎市コアホールに於いてピアノリサイタルを聴きました。ピアニストは私の住む倉賀野町在住の保嶋亮子さん。欧米でも演奏活動されてるピアニストがこんな近くにお住まいとは驚きです。

 音大卒業後、本格的にピアニストとして歩み始めた矢先、腱鞘炎という思わぬアクシデントに見舞われたそうです。練習中、左手に引き裂かれるような激痛が走ったようで、全日本学生音楽コンクールに入選するなど才能を期待されていただけに、きっと、ご自身はショックが大きかったことでしょう。

 そう言えば楽器の演奏者には時々、この腱鞘炎に罹る方がおります。前高出身のギタリスト黄敬さんも腱鞘炎で活動を一時休止されたり、私の知人の女性もピアノ練習によってこのアクシデントに見舞われたことがあります。

 リサイタルでのピアノ演奏は華やかであっても、それまでの練習は並大抵ではありません。他のことを犠牲にして1日8時間ほどの練習と聞きます。音楽以前に指のスポーツですから、これほど練習すると他のスポーツ同様、怪我はつきものかもしれません。食事の時間以外をほとんど練習に集中してこそ、聴衆の前で難曲を2時間も暗譜で演奏できるのでしょう。

 私は幸いというより、腱鞘炎になるほど練習しなかったです。彼女の場合、プロとして出発過程で障害がありましたが、それを乗越え、ますます目的とする演奏に近づくものと感じました。リサイタルは迫力と繊細さに満ち、文字通りピアノフォルテ。しばし憂世を忘れて音楽の世界に浸れました。

 今回のリサイタルは彼女にとって7年ぶり。プログラムは大きく3つです。私にとっては2番目のシューベルトの即興曲4曲が楽しく拝聴できました。これらの曲は倉賀野町の音楽喫茶「蔵人」でよく鑑賞したり、変イ長調の曲は私自身、手がけたことがあります。

 ところで、世界には腱鞘炎を抱えるピアニストが多いらしく、驚くことに、これらの方々を専門に指導してるロシア人ピアニストがいるそうです。彼女もこのピアニストにレッスンを受け、最初は半信半疑だったそうですが、ロシア人ピアニストはその道のプロ。痛みは徐々に消え、次第に快方に向かったそうです。

 私はリサイタルを聴きながら、苦しかった日々を胸に、それを乗越えられた喜び、そして更に高い音楽表現に向かう前途が感じられました。お近くなので今度、お邪魔し、ピアノの話を伺えれば幸甚です。 

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