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2008年8月18日 (月)

女性ピアニストから感性を習う

 8月1日に高崎市コアホールで行なわれたピアニスト保嶋亮子さんのリサイタルを拝聴し、その感銘を翌日のブログでご紹介しました。ブログを書き終え、すぐご本人に連絡したことがきっかけとなり、幸運にも昨日お会いする機会に恵まれました。

 グランドピアノが2台並ぶ部屋に通され、コーヒーをいただきながら1時間20分ほど一流のピアニストから直々に話を伺うという充実した時間は過ぎました。

 ピアノを弾く人は五万といてもリサイタルを開くピアニストは一握りでしょう。彼女は今まで海外に於いてはロスアンジェルス・インターナショナル・ピアノシンポジウムや、ドイツのテュービンゲンに於いてスクリャービンのソナタを弾くなどヨーロッパ各地で演奏活動をされました。これからも高崎市をはじめ各地でリサイタルを開かれるでしょう。

 彼女は世界の小澤征爾氏の後輩です。私は一流の音楽家とお会いすることなど暫らくぶりですから、近年にない胸のときめきがありました。それはカルカッタ・シンフォニーのユダヤ人指揮者バーナードヤコブ氏にお会いし指揮を教わったり、我が国クラシックサックス界パイオニア阪口新氏にお会いしレッスンを受けて以来のことです。

   今回、保嶋亮子さんからピアノ演奏についてどのくらい、お訊きできるか心配でしたが、ステージで拝見した華やかな衣装と異なり、リラックスした姿で気さくに接してくだいました。緊張してた私の心は彼女の笑顔により安堵し、スムースにいろいろ伺えました。このため初対面の感じはなくなりました。

 年齢はお若いです。ピアノ演奏に対するお気持ちには並々ならぬものを感じ、きっと美を追求する精神が張り詰めているのでしょう。言葉から情熱がひしひしと伝わります。こんなこともあり、先般のプログラムでは5楽章もあるブラームスのソナタを最後に弾かれたのだと思います。

 「どの作曲家を中心に弾かれますか」の問いには、多くの作曲家に挑戦してもドイツの作曲家に集中することが多く、中でもバッハは基本中の基本と話されました。「演奏中の頭の中で鍵盤をどのように捉えるか」については、やはりドレミで捉え、すべて「固定ド」とのことです。この点は「海外のピアニストも同様でしょう」と仰いました。鍵盤へのタッチを通して、作曲家が創作したイメージを演奏で実現する精神の職業と感じました。

 先日、話題にした腱鞘炎について、長いことピアノが弾ける状態になく、それは手の平だけでなく肩甲骨から腕全体が痛み、フォークやスプーンが持てない状態であったとのことで、この頃はピアニストとしてスタートラインに立った時であり、大変にお辛い時期であったことが分かりました。腱鞘炎を研究してるロシア人ピアニストの指導もあり、今となっては、結果的にこれを乗越えられたことが、これからピアニストとして生きていく上にも良かったとまで言われました。

 この話を伺い、楽聖ベートーベンが歩み出す頃、耳の病に罹り、作曲家としてどう生きるか絶望した時期があっても、そのことが、かえって名作の創造につながり、考えられぬほど数々の名曲を生み、偉大な第九交響曲創作につながったことが脳裏を横切りました。解決のないような大きな苦難に遭遇し、それを克服した人は、その後、それだけ素晴らしい未来が迫って来るのではないでしょうか。

 保嶋亮子さん、これからもドイツの作曲家の作品をお聴かせください。楽しみにしています。彼女の精神を見習い私も少しでも感性を磨きたいものです。

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