大自然との対話・至仏山山頂を満喫
願ってもない秋晴れの昨日、江間章子作詩、中田喜直作曲「夏の思い出」により日本中に知れ渡った「尾瀬ヶ原」を至仏山山頂から望むことができました。
多くの登山客は群馬県外から。私が尾瀬を訪れたのは学生時代に水芭蕉の「尾瀬ヶ原」を歩いたり、尾瀬沼を訪れて以来です。
今回、日本の百名山・至仏山山頂に立ち、広大なパノラマを目にすると、なるほど景色抜群の名山であることが頷けます。私にとって、これほどの大パノラマは浅間山山頂、浅間隠山山頂、そして十二ヶ岳山頂以来です。2228mを誇る至仏山山頂は群馬県北部において、巨大な姿と優しさを併せ持っています。
稜線は比較的なだらかでも、山頂に近づくに従い蛇紋岩が目立ち、行く手を阻みます。山肌を覆う樹木は高山植物とハイマツがほとんど。地面にへばりつくハイマツの姿は想像を絶する冬季の厳しさを物語っています。
一方、至仏山の魅力は女性的に見える立ち姿、山肌を覆う美しい色彩、これこそ「尾瀬の女王」といわれる所以でしょう。味わい深いこの山を眺めると、山がしっかりした恋人と思えるのは私だけではないでしょう。どこから見ても魅力に満ち溢れています。
至仏山山頂に立ち眼前に広がる光景、それは「日本は山ばかり」であるということ。日々の生活では人間関係、あるいは経済不況で右往左往していても、ここから見ると、いったい人間はどこにいるのだろう。見渡す限り山また山の連なり。これが現実の日本の姿か。1億3千万の人が生活してる所はほんの一部の場所に限られていると思わざるを得ません。日本は広いです。
暫し、山頂からの遠望を眺め、私の胸に去来する感懐は、生きてることについて、今という瞬間について、人間とは、自分とは、愛とは、これらが脳裏の中を駆け巡ります。広大な大自然の前では、この世に誕生以来、孤独な自分が存在してるのみに思えてなりません。
しかし、往復8時間の山歩きは同行していただいたサミュエル・トッドさん、及びSさんの豊富な会話。時には苦しい登り、ほっとする下り、その合間に垣間見る「尾瀬が原」の広がりを始め、東に聳える燧ヶ岳、笠ヶ岳、武尊山の魅力ある山並みと相まって、お二人には終始和やかな交流をしていただけました。
お二人は並外れた海外通。サミュエル・トッドさんはニュージーランドで山岳ガイドができるほどの方。Sさんはアメリカ滞在が長く、一方、ネパールでヒマラヤ山脈を味わったこれまた山岳愛好家。今回、知り合いになれて幸せに感じました。近日中に私の家で下山祝いすることになり、今から楽しみです。美酒を味わい、拙いピアノも聴いていただきましょう。
今回の至仏山登山は私にとって精神の弱さ、体力の無さを露呈することになりましたが、それにも勝る尾瀬一帯の魅力、頂上に立てた歴史的喜び、同行のお二人の温かさにより、憧れの山に登頂できました。帰路に3人で入った白根温泉・源泉掛け流しのお風呂は身も心も十分に癒すことができました。
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お疲れ様でした~!
お元気で無事に、御帰還なさっておめでとう御座います。
足の凝り具合は如何でしょうか~?
日一日と痛さが増す事もありますが、もう峠は過ぎましたか~?
私の場合、登山の後マッサージチェアで、ふくらはぎのケアする事により、全く凝りがなくなりましたよ~♪
登山の翌朝、2階の寝室から階段下りるにもスロープづたいだったのが嘘のようですヨ!
絵葉書の様な素敵な写真に、まるで同行させて頂いたような感じさえします。
アングルも素敵で、おっしゃるようにキャンバスに描かれた絵のようですネ!
実は今日、発見?したんですが、写真の上でクリックした後、さらにクリックしたらパノラマ写真のように又、拡大されるんですねェ~!
拡大したら細部が良く見えますが紅葉の赤い部分は、ドウダンツツジ?でしょうか・・・
それにしても、秋晴れの登山日和が、何よりもラッキーでしたねェ~♪
投稿: 花舞 | 2008年10月 6日 (月) 20時22分
こんな嬉しいコメントにはどう対処したらいいのでしょうか。【涙】
人間、誰しも強い面と弱虫な面を兼ね備えています。山登りで心身ともに赤裸な自分を発見し、特に8時間も歩き、その弱さに陥ってしまうと、惨めになるものです。
今回、花舞さんの応援もあって、私は頑張り頂上に辿り着きました。そこは高天原です。
私は花舞さんにご提案いたします。九州の山の頂上ではオカリナで「見上げてごらん夜の星を」を天空に向かって奏でてください。
こんな山の頂で気心の知れた方と二人きりになれたら、人間として最も幸せなことでしょう。
投稿: カッキー | 2008年10月 6日 (月) 21時54分
山道を8時間歩き続けた強靭な体力、素晴らしいと思いますよォ~♪
惨め?などとは、心中いかばかりか計りしれません・・・
どうぞ、パワフルなカッキーさん、自身を持たれて新たな目標にトライなさって下さいませ~♪
先ほど、TVで85歳の現役パイロットがヘリを操縦してましたが、180cmの長身でまだまだ、若い操縦希望者に指導されてました。
ピンクのシャツが、とても良くお似合いの身長180cm・モダンな、お爺ちゃまでしたヨ!
『歳、相応』の言葉が大キライだそうです!
年齢と共に消えてしまう、幾ばくかの夢・・・最後まで抵抗し続けたいものですネ!
投稿: 花舞 | 2008年10月 6日 (月) 23時58分