噴煙たなびく浅間山の偉容
地球の誕生以来、推定40億年が経過してるとのことですが、これは、どれほどの時間であるか、実感が涌きません。しかし、私は次のように考えてます。
地球一周は約4万kmです。これをcmに換算すると、都合よく40億cmです。ですから、【1年に1cm進む速さで地球一周するのにかかる時間】が40億年となります。40億年という時間を実感できましたか。
地球誕生以来、噴火を繰り返してきた思われる浅間山を、私は家の窓から眺めることができます。 ところが、美しい雄姿に最近、噴煙が目立ち始めており、近い将来、大きな噴火が起こるか心配です。
私の記憶に残る大噴火は中学生のときでした。噴煙の高さは推定5000メートル、約30分後には東に50キロ離れてる倉賀野町でも音を立てて降灰が続きました。灰と言うより細かな粒状の砂です。
植木を植えるとき庭を掘ると30センチほどの深さに浅間砂の層に突き当たります。多分、天明3年(1783年)の大爆発による砂と思われます。水はけが良く植木には好都合になってます。
浅間山の大爆発は先史時代が主であっても、有史以来、記録としては日本書紀に記されているといわれます。江戸時代である225年前の天明3年の大噴火では、山頂の北側が低いことから殆んどの火砕流が群馬県側に流れ出し、当時の鎌原村(かんばらむら)が村ごと飲み込まれてしまいました。このため、ここは日本のポンペイといわれます。
昭和54年から発掘調査が始まり、村のほんの一部の家屋が見つかったり、村から観音堂までの階段が現在15段あっても、50段あったこと判明しました。225年前の鎌原村はその殆んどが現在でも埋まったままです。
当時、高台にある観音堂に登り着いた村人のみが生き残り、後は火砕流に飲み込まれようです。生き残った男女が再婚し、村を立て直したと伝えられてます。
しかし、長い地球の歴史から見ると、225年前は地球一周に対する2m25cmでしかないので、昔とは言えず全く現代です。こう考えるといずれ天明3年の大爆発に匹敵か、それ以上の噴火もありうることです。
当時と比べて文化の進んだ現代であっても、それに関係なく、すべて否定するかの如く、浅間の噴火は依然として人類の未来に脅威であることに変わりありません。
標高2568mの山頂に5回登りました。周囲には前掛山など外輪山が控え、景色は群馬県一でしょう。火口の直径は推定400メートル、深さ200メートルほどであっても、垂直な絶壁、底を覗き込むのは柵もなく危険で落ちたら地獄。しかし、遠望は抜群。厳しい北アルプスの連なり、富士山はより雄大に聳え、利根川は関東平野をゆったり蛇行してます。
麓が小雨で登った時は八合目あたりから急に視界が開け雲上、その光景は一面、真綿に乗ってるようで、文字通りCloud nine、鮮明に脳裏に焼きついてます。
群馬県の良さは谷川岳があり、尾瀬があり、そして浅間山があります。温泉は言うに及ばず、これからも魅力溢れる群馬の自然を心ゆくまで味わっていきたい。
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コメント
とても分かりやすい例えに、地球の歴史などが実感できて勉強になりました。
自然の驚異ばかりは、どうする事も出来ませんが~怖いですねェ~
雲仙の爆発時の火砕流・・・ニュース報道が、まざまざと思い出されます。
ところで、いつもブログにコメント有難うございます。
なぜか、今、コメントが記入できなくホールド?状態なんですぅ~
明日まで様子見てみますので、悪しからずです。(ペコリ)
投稿: 花舞 | 2008年12月 8日 (月) 01時05分