逆境の中で15日間戦い抜く精神力に学ぶ
三連続休場の後、久しぶりに登場した朝青龍の精神状態はどうであったか。これは今場所、私が最も見所としたことです。
近年、相撲人気の衰退、激減する観客数にあっても、彼がいる大相撲は連日、国技館を満員御礼にし、彼に大きな魅力があることは論を待たないようです。
日本という外国にあって、近年、多面にわたるバッシングを受け、まるで四面楚歌の状態。特にこの1年間、モンゴル人であっても、横綱という責任ある立場を追及されたり、日本と祖国モンゴルの文化・しきたり・考え方の相違から来る摩擦を含め、彼にとっては理解に窮する毎日であった筈だ。「郷に入っては郷に従え」は考えるよりはるかに難しい。
もし、私たちが裸一貫、逆にモンゴルへ行き、モンゴル語を操って、ある分野の頂点に君臨できるか考えてみたい。とても私にはできない。モンゴル文化やしきたりに溶け込み、周囲の人々に理解されるか、自信はない。
元々、日本語はチンプンカンの状態から今や偉大なバイリンガル。自国語でしか対応できないプロ野球外国人選手とは比較にならない。あらゆる面で日本への溶け込みに努め、克服し、あるいは日本人以上に日本的かも知れない。
拙いインド生活をしていた私から見て、これは多くの外国人力士に共通し、彼らの努力はまったく見事としか言いようがない。私にはインド風の生活は全くできませんでした。
外国人であっても、優勝すれば日本国国歌を歌い、平素から日本古来の衣装を身につけ、正装としている。一方、私たちは外国の国歌についてメロディ―を聴いたことがあっても、歌詞で歌える外国国歌は一つもない。
私たちはどうしても、日本人の立場や見方で外国人を理解しようとする傾向があるけれど、グローバル化にある今の時代あっては、今までより柔軟な接し方に努め、日本人にない良さを外国の方から探し、異文化を吸収する態度を身につけなくてはならない。大相撲は国際理解上、素晴らしい時代に入ってると思います。
朝青龍においては、今場所は「稀勢の里」戦で劣勢からの逆転勝に始まり、あれよあれよと勝ち進み、千秋楽では決定戦の末、場所前には誰もが想像しえない「まさかの優勝」。貴乃花の22回を上回る単独史上4位の優勝回数はどれほど賞賛してもしきれない。
現在の大相撲衰退からの脱出は彼の存在なくしては考えられない状況です。
私たちは仕事にしても勉強にしても、時には、もうダメかと落ち込んだり、絶望したり、失意のどん底と結論を出しやすいものです。
異国の地で、相撲という職業に進退を懸けて臨み、まるでまな板の鯉、崖っぷちに立ち、そんな絶体絶命の人生のピンチにあって【持前の集中力とスピードある攻めの相撲に徹し】、自らの重圧を見事に払い除けた。憎まれるほど強かったのが彼本来の相撲。久しぶりに朝青龍に戻った感である。
私は今の自分を振り返り、自ら活路を見出す彼の精神力に一歩でも近づきたい。それにしても、写真のように【喜怒哀楽をストレートに表現する彼の姿】は人間的魅力に溢れている。
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