年齢と共に気をつけたいLocomotive Syndrome
庭には花木が美の饗宴といえるほど開花し、それぞれ花びらの形や色彩に個性を発揮しています。どちらが美しいということではなく、いろいろあってこそ観賞する私たちに充足という心を与えてくれます。
ところで、本日のタイトルは聞き慣れない言葉であるLocomotive Syndromeですが、Locomotiveの本来の意味は、ご存じの通り、機関車で、Syndromeは最近お馴染みとなりました症候群です。
因みにLocomotive の発音は、偶然にもほぼ「老化もうティヴ」で、もうにアクセントです。
年齢を重ねると、統計的に女性の75%、男性の50%が罹る主に膝関節や腰痛による疾患で、数値が示すように圧倒的に女性が多く、改善されないと自らを移動できなくなる状態になり、これが続くと必然的に介護を要することになっていきます。この状態ではますます悪循環となり、寝たきりになる可能性があります。
有名なルーの法則によると「筋肉は使わないでいるとますます衰え、使うと回復したり発達する」というもので、これは筋肉のみならず、骨にも言えるようです。
宇宙飛行士が無重力の状態で暮らしていると骨まで異常を来たしてくるといわれます。これは骨に負担がかからないことが骨を弱くすると考えられます。このようなことから私たちは何気なく地上にいても、万有引力のあるこの地上に暮らしている有難さを改めて認識してもいいと思います。
私たちは毎日の生活で、いろいろの活動を通して筋肉や骨に、ほど良い負担を与えてこそLocomotive Syndromeを回避できるのです。
年齢がかさみ、膝や腰が原因で一度寝たきりになると、自ら起き上がれなくなったり、歩けなくなる可能性が大きくなることを肝に銘じ、意識して足腰を鍛えながら生活すべきでしょう。そのためにも、日々よく歩いたり積極的に運動し、筋肉や骨を衰えないようにしたいものです。また、肥満を避け、足腰に余分な負担をかけてはなりません。「老化は足から」は名言でしょう。
具体的には大腿四頭筋と対をなすHamstringといわれる太腿の裏側の筋肉を意識し、平素から機能を活躍させたいものです。私の気持は全く20代ですが、年齢は高齢化社会へのピカピカの1年生です。ですから、膝や腰は痛いことがあります。生活において膝や腰を痛めないように工夫し、改善できるところは行っています。
このためには何と言っても、正座は避けるべきでしょう。昔は8人家族で一つちゃぶ台に向かって、行儀よく正座して食事をとったものです。トイレも和式でしたが、子供のころはこれが当たり前と思い、何も不都合を感じませんでした。しかし、これは身体の発達に良いものではありませんでしたね。この生活様式は日本古来の文化で、家族団欒という点では楽しかった思い出があります。
ところで、腰のためには前屈みの状態での作業は厳禁です。昔は畑仕事でも炊事でもすべて前屈みで行っていたため、腰の曲がったおばあさんやおじいさんをよく見かけたものです。
近年はキッチンも改善され、腰を伸ばしたままお勝手仕事ができるようになり、とてもいいと考えます。注意しなくてはならないことは家のお掃除、草花の手入れなどです。腰を曲げての作業こそ腰に悪いですから、常に腰を伸ばしての作業が大切です。
私はレース鳩を飼育してますので、鳩舎内にある水浴場は私の腰の高さにしてあります。レース鳩を飼育してる方にはお勧めです。水を入れた重いタライなど持ち上げてはなりません。レース成績が向上しても、飼育者が腰を悪くしては本末転倒です。好きなことをいつまでも楽しむためには、自らの腰こそ文字通り要です。
もし、腰や膝が悪くなると自らの身体を自由に移動できなくなり、内臓が正常であっても行動範囲は狭まり、新たなことに取り組めませんし、新たな出会いもなくなります。
私たちは定期検診と言うと、どうしても内臓を中心とした分野を考えやすいですが、骨や筋肉、とりわけ「膝関節や腰に関する専門医の検診」をしっかり受けたいものです。自己診断のみは避け、異常を感じたらプロからより良い指針を戴くべきです。
皆さん、お互い、いつまでもLocomotive【機関車】のように自らの力で自分を移動でき、旅行できたり、見聞を広めたり、素晴らしい人に出会いたいですね。
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