若さ維持には夢を持ちつづけることか。
サックスを初めて吹いたのは高校1年の時、それ以来ウン十年も吹き続けています。最初はテナー、その後は長いことアルト、しかし、いろいろ吹いて私が求める音色で最も納得し、到達したのがソプラノです。写真のソプラノはフランスセルマー金メッキ仕上げで、私にとってはお宝です。
このソプラノを公的なステージでは殆ど吹いてません。一度だけ高崎市の群馬音楽センターで吹奏楽に加わって演奏したことがあるのみです。多くは冠婚葬祭でのスパイスとして演奏しました。最近ではチャンスが減りましたが、結婚式に呼ばれるとスピーチ代りに吹きます。果たして新郎新婦にとって心に染み入るでしょうか。
万が一、私自身の会(?)を催すことがあれば、
おっと、カッキーいきなり何言い出すか!・・・・・・・・・・ 会場いっぱい夢のように「愛の賛歌」「ある愛の詩」「愛の喜び」「雪は降る」をヴィブラートを効かせて優雅に吹いてみたいものだ。
実はブログであまり取り上げませんでしたが、私自身、自分の心を最も的確に表現できるのはソプラノサックスかもしれません。青年時代はこれで身を立てようと、その気持ちになったものです。しかし、当時、年老いた両親を看ながら生活することこそ欠くべからざる使命だったのです。
また、地方にいてはサックス奏者として生計を維持するのは不確かなこと。サックス奏者への夢から方向転換し、幸い英語も好きだったことから両親に年月を切って許してもらい、最初の就職はインド日本人学校勤務となり、サックスから音楽教育への決断は正解だったと思いました。インド滞在中、ユダヤ人の方に指揮法のレッスン受けたり、インド音楽、休暇で行ったカトマンズではネパール民族音楽など充分触れることができたのです。
ところで、歴史を紐解くとサックスはベルギー人アドルフ・サックス(写真)により1840年代に発明されました。後世の人類は偉大な音色を発明した彼のお陰でどれほど音楽が楽しんでいるか図り知れません。私はクラシック・サックスの優雅な音色には、いつ聴いても心が躍ります。
これからは伴奏者を見つけ、ピアノとの二重奏を夢見ています。果たしてソプラノサックスとピアノの二重奏は実現するでしょうか。夢は公のステージでの演奏です。【若さ維持に欠くべからざることは夢を持ち続けることではないでしょうか。】
なお、ご覧の通り、サックスは細かいメカでできておりデリケートな楽器です。演奏の前には自らチェックし最高の状態を保たなくてはなりません。どこか不具合があればいい音は出ませんし、演奏しにくくなります。ですから、この楽器に対しては何でも自分で治せる医師でなくてはなりません。このため、小道具はいつも用意してます。よい演奏は不断の調整にかかっていると言えます。
ところで、私が最も感銘を受けたサックス演奏家はフランスが生んだ巨匠マルセル・ミュールです。丸みある優雅な音色による超絶技巧をレコードにより、わが師・阪口新先生のお宅で拝聴しました。 写真はマルセルミュール8才の時のものです。
阪口先生は日本のクラシックサックスのパイオニア。師はマルセルミュールの演奏するイベールのサキソフォーンコンチェルトのレコードに出合って感銘され、ミュールに手紙を差し出し、日本ではサキソフォーン教材の何もなかった時代に、フランスから教則本などを送っていただいたそうです。私が阪口先生のお宅でレッスンを受けたエチュードはマルセル・ミュール著によるものでした。20世紀とともに生まれた巨匠マルセルミュールのCD版を今でも時折、聴いて音色を参考にしています。私は演奏の究極目標は音色の輝きと思っています。
| 固定リンク
「My Soprano Saxophone」カテゴリの記事
- 今夜です。サクソフォーン協奏曲の演奏(2021.01.17)
- ラーション作曲「サクソフォーン協奏曲」(2021.01.16)
- 声楽家のような豊かな表現を求める(2020.01.17)
- ソプラノサックスのための朝ドラ「スカーレット」楽譜(2020.01.15)
- 楽しみなサクソフォーンアンサンブル!!(2020.01.11)
コメント
『‘老い’とは年を重ねる事ではなく、理想や夢を失う事』・・・何かで読んだ事があります。
夢を持ち続けて、明日の目覚めが楽しみになる、今日の過ごし方・・・大事な気が致しますね~♪
マイカーでの日本行脚?には是非、サックス同伴で楽しい演奏旅行になると素敵ですね~
投稿: 花舞 | 2009年3月 9日 (月) 23時21分
花舞さんへ
いつも早速の素晴らしいコメントに感謝しています。
仰せの通り、これからは黄色いドイツの車にフランス生まれのソプラノサックスを乗せ、日本行脚が現実味を帯びてきそうです。
夢はこの他にまだあるのです。
投稿: カッキー | 2009年3月 9日 (月) 23時52分