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2009年11月21日 (土)

感銘した桐商吹奏楽部サウンド

 20日(金)午後6時30分より、リズム感あふれる吹奏楽の醍醐味を久々に味わいました。群馬県桐生市民文化会館シルクホールで開催された桐商吹奏楽部の定期演奏会に倉賀野から桐生まで車を飛ばしました。

 夕刻、30Kの道のりは滑り込みセーフ。辛うじて開演に間に合いました。会場に入ると観客席はすでにほぼ満席。私はお客の視線を浴びながら歩き比較的前の席に座りました。

 それは、指揮者の先生や生徒さんの表情をしっかり感じたり、デジカメを使いたかったからです。演奏の妨げにならぬようフラッシュなしでシャッターをクリックしました。

 プログラムは三部構成。バランスを考慮した企画は一部で桐商サウンドの腕の見せどころとなる吹奏楽オリジナル曲。本年、県代表となったハーモニーは安定感ある音程、そして躍動的なテンポ、リズムに表れ、指揮者の先生の動きの繊細さと部員の繰り出す音は瞬時瞬時に見事なまでに一体感が感じられました。

 二部はステージドリルで、主題はアラブの恋愛冒険ファンタジー。増2度の音程がふんだんに含まれるアラブの国の神秘的、哀愁的な音楽と動きは鑑賞する人を異国へと誘い、私は時間を忘れ総合芸術の世界に浸っていました。

 それは独創的な演出による中東的照明。そして、これまた部員たちが纏っているアラビア情緒たっぷりの民族衣装。本来の演奏のほかに、短期間によく準備ができたものです。これを見ただけでも、部員たちの定期演奏会にかける並々ならぬ情熱が伝わってきます。1000名を超える観客たちの心境はすっかり神秘の世界に引き込まれていました。

 三部は「お楽しみステージ」と銘打って事件と魔法を演出。お客をも考えさせる創意工夫されたオリジナル。生徒たちのコミカルな振る舞いに観客は笑いの渦に巻き込まれ続けました。

 時々、輝く音色の独奏がありました。特にアルトサックスとテナーサックスのリズム感に富んだスーパーテクニックは輝かしい音色とともに桐商サックスのレベルの高さを感じました。

 圧巻はこの定期演奏会で引退する3年生を送るセレモニー。正面一列に並んだ三年生一人ひとりに後輩から「感謝と激励の言葉」が贈られ、3年間の練習で辛かったことや楽しかったことが一つ一つ甦ったのでしょう。3年生の顔は涙でクシャクシャ。

 バックミュージックを奏でる1,2年生たちも、そして観客まで思わずもらい泣き。3年間、桐商吹奏楽部で培った「物事に対する厳しさと温かな人間味」は今後、社会で活躍する上に必ずプラスとなり、精神的に力強く生きていけると確信しました。

 3年生の皆さん、最後までやり遂げられたことに心より敬意を表します。

 本年度より高校教員になられた指揮者の伴野先生にとっては初陣となる定期演奏会。 スローガン「自分に限界をつくらない」と書き込まれたTシャツを教師も生徒も着ての演奏は、その姿を見る鑑賞者にとって崇高なる桐商教育が感じられ、2時間の定期演奏会は充実この上ありませんでした。

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