初陣で関東大会采配、センバツを掴んだ青年監督
第82回選抜高校野球大会の出場を決める選考委員会が29日に開かれ、我が群馬県から前橋工業高校が選ばれました。前橋工業のセンバツ出場は15年ぶり4度目。
ご存じの通り、前橋工業は西武の渡辺監督をはじめ阪神の狩野捕手など多くのプロ野球選手を輩出してる名門です。
同校は昨秋の関東大会で31年ぶりに4強入りを果たし、センバツ出場が有力視されていましたが、準決勝で東海大相模に0-8でコールド負けとなり、これが一抹の不安要因となり、微妙なところであったことは事実です。
選考委員会で前橋工業が考慮された経緯は、それまでの試合内容が高く評価された点にあると考えられます。
関東大会では1回戦で矢板中央(栃木)との試合で同点延長10回1死1塁でエンドランを敢行、打者が左中間を破り、一塁走者が一気にホームベースを踏みサヨナラ勝ちになったこと。
2回戦の準々決勝では千葉商大付と延長13回で日没引き分け再試合となり、翌日の再試合で勝利し4強入りを決めました。
この2試合とも、粘りに粘った勝ちっぷりです。群馬大会決勝では前橋商業に負け群馬2位として関東大会に臨みました。群馬大会では負けても掴んだ甲子園です。
ですから、負けてもその後の努力次第で【やり直しがきく】典型的な例を示しています。これは野球以外でも人生ではいろんな場面でありうること。【失敗後の努力=成功への可能性】を教えています。今回、私たちは前橋工業野球部員から大いに学ぶことがあります。
ところで、日本中には推定20万人ほどの高校球児が甲子園出場を夢見て日々練習してます。そして、甲子園に出場できるチャンスは3年間に5回あっても、甲子園への切符を掴む確率は3年間通しても数パーセント。ほとんどは夢で終わる現実があります。
これは球児のみならず、例えば30年以上の監督歴を持っている監督でも生涯に一度も甲子園での采配はない方がほとんどでしょう。一方、甲子園ではお馴染の著名監督のように多くの回数を出場いている監督もおりますが、多くの監督は県内大会あるいは地区大会で終わります。
その点から考えても、今回、センバツ出場を果たした前橋工業の小暮監督は監督として公式試合で采配を振ったのは昨秋の関東大会での再試合を入れて4試合です。上記のことを考えると誠に素晴らしい運勢を持ち、ここ一番の采配に天性があるといった方が正しいでしょう。これは彼の持っているスポーツに対する場面場面における閃きがそうさせていると推測できます。
小暮監督は前橋高校高時代、著名な松本稔監督のもと捕手としてセンバツに出場し、大学時代はラクロスに転じ日本代表に選ばれました。その後、教職の道を選び、25才という若さで前橋工業の監督になるや否や掴んだ甲子園。このように県大会での采配を経験してない監督のセンバツ出場は全国的に珍しいと思われます。
卓越した天性を持つ青年監督として、ぜひ、センバツ大会では上州旋風を巻き起こしてほしいです。
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