FRBに出遅れてる感の日本と欧州
金融危機の発端となった米国サブプライムローン問題による信用不安を受け、FRB=Federal Reserve Board【これはFederal Reserve Bankを監督する米国の連邦準備制度理事会】は07年8月に公定歩合を引き下げ、翌08年9月には米国証券大手リーマン・ブラザーズ破綻を挟んで同年末に再び急激に引き下げ、それ以来、異例の金融政策が続いています。
ニュースによると今月19日からFRBは公定歩合を現行の0.5%から0.25%上げ、0.75%にすると発表し実施しました。公定歩合引き上げは06年3月以来、実に約4年ぶり。これは今まで続いた金融政策を平時に戻すいわゆる「出口戦略」に一歩を踏み出したことになり、金融危機以来、利上げは初めてとなります。
公定歩合の引き上げは一般的に時期尚早と考えられても、FRBの判断は金融市場が最悪期を脱し、落ち着きを取り戻してきたとの見方によるものでしょう。公定歩合の引き上げは市場の予想より速かったようです。
ところで、この影響でしょうか。ここ2~3日ニューヨーク外国為替市場ではドルが買われ、ドル高、円安傾向です。また、本日の東京市場は大幅反発に推移してます。
といってもFRBは今後、出口戦略をより前進させ、ゼロ金利政策を解除することにはまだまだ時間が必要と考えている筈です。それは米国経済が完全に回復軌道に乗ったとは言えず、見通しは依然として楽観できない判断があるからと思われます。
一方、いつまでも超低金利政策が長期化すると、副作用として中国など新興国においては金利の低いドルによる投機的な動きを促し、新興国にバブルが起きる要素ともなりかねないと懸念されるようです。
最近ではギリシャでの財政危機が同じユーロ圏であるスペインやポルトガルといった欧州に広がり、これは最近、世界経済の懸念材料になってます。
肝心の日本ではデフレ対策が迫られる中、日銀は金融引き締めどころか、依然として現在の金融緩和を粘り強く続けざるをえない状況にあると考えられます。日本や欧州は共通する雇用問題、前述のギリシャ財政問題を抱え、経済立て直しには米国FRBに出遅れてると言えるかもしれません。
皆さん、TOPIXが1000を超える日を首を長くして待ちましょう。本日は909です。夢とは決して諦めてはならないことと確信してます。
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