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2010年4月

2010年4月30日 (金)

Audi TT Quattroでヤッ場ダムの日帰り温泉へ

Dscf0125  Audi TT Quattroで久しぶりに一路、関越自動車道を北上しました。目的地は群馬県北部「ハッ場ダム」(やんばダム)建設現場近くの日帰り温泉「天狗の湯」です。

 最近の国内はもっぱら普天間問題に大きく揺れ、5月いっぱいに答えが出そうにありません。

 一方、半世紀前に計画が始まったハッ場ダムは現政権によって建設中止が打ち出され、現在は宙に浮いた情勢です。このところニュースのメインから遠ざかった感があっても、巨大な橋の建設、住民の移転先への長いトンネルの完成、移転先の造成、先祖伝来の墓の移転など工事は着々と進んでいます。  

 ダム湖に沈む国道からおよそ100mほど高い位置に住民の方々の新たな移転先が広がってます。モダンな家々が幾軒も建設されてる最中です。造成地の最も奥には新たな墓碑が並んでます。先祖の墓地も移転したのですが、これは精神的に辛かったと推察できます。この地とダム予定地を挟んで対岸にも造成地が着工されてます。高い位置を広く造成し家屋の建設が始まってますが、ダム本体工事が始まるかどうかは現政権下では未定です。

 巨大な橋は対岸の造成地同士を結ぶもので未完成ですが、両岸はほぼ結ばれました。しかし、ダム本体工事が未定では地元の皆さんにとって不安な情勢であることに間違いありません。建設反対からようやく賛成へ転換し、そして、今回、政府により中止と長い期間、翻弄され続け、高齢になってますます故郷の未来に展望が持てないことはとても辛いことでしょう。ダム湖をまたぐ筈の巨体な橋の建設や住宅移転工事は今日も行われています。

   地元の方々は今となってはダムの早期完成を望み、平和な故郷に戻ることを強く望んでおられます。このトンネルも現在の国道からおよそ100mほどの高い位置を貫通し、近頃、開通しました。長さ1760mあり、内部は明るくとても走りやすいです。

 八ッ場ダム工事の進捗状況をこの目で確認できましたが、これからの国政選挙がダム本体工事に入れるかどうかの分岐点と思われます。

Dscf0135_2  ところで、本日のAudi TTによる目的地は一昨日オープンした「天狗の湯」です。奥山の日帰り温泉巡りも楽しいものです。群馬の大自然の懐で湯ったりと寛ぐと、世の塵が洗え、日頃の悩みも小さく感じるものです。しかし、お湯から出ると日頃の悩みは戻ってきます。それでも、早く解決したいとプラス思考になるものです。湯の色は焦げ茶色です。露天風呂にはこのトンネルから出土した大きな石が置いてあります。外には足湯が併設されてます。

 「天狗の湯」の位置は計画されてるダム本体のすぐ下流です。総工費は2億8800万円。ハッ場ダムの受益者である下流の東京都や関東各県が拠出する利根川・荒川水源地域対策基金ですべて賄われてるそうです。

 一方、昨年7月から乗ってます愛車Audi TTクワトロ黄色の走行距離は8900キロになりました。調子はいいです。高速ではフルタイム・クワトロ(常時4輪駆動)の真価が発揮され実に安定走行になります。一定のスピードに達すると格納されてたスポイラーが自然に立ち上がり、それをバックミラーで確認でき楽しいです。

 実は、平素の用たしはレース鳩放鳩車(ホンダアクティー)及びクロスバイクで済ませているので、この車にあまり乗りません。3日に一度くらいです。広い高前バイパスや国道、高速道路のみに使用し、一般の細い道はなるべく通らないことにしてます。

 それは車体の下の部分が膨らんでるので、バックで寄せてもサイドミラーに白線が映らないことが多く、細い道を曲がるのは私に難しいです。特に白線に沿って駐車場にバックで入れるのは至難の技です。あたかも免許取りたてのような駐車の仕方になってしまいます。両方のミラーを下向きにすれば、入れ方が80点くらいの駐車になります。

  ストリームに乗ってる娘のMarie Persimmon Marshはバックするときナビに後方画面が映し出されるので100点です。

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2010年4月27日 (火)

人生は短し芸術は長し・父の植えた八重桜は遺作

 45年前に今は亡き父が植えた八重桜が満開になりました。一般の桜が咲き終わってから開花するので、音楽に例えれば再現部です。花弁は薄いピンクと白の2色に咲き分け、この混ざり具合が何とも言えない優雅な世界を呈してます。

383  多くの八重桜を見ますが、一般的にはもっと濃いピンクと感じます。この色彩は概して薄いのでとても優しさが感じられます。薄紅色というのがふさわしいです。いつも思うのですが、花木を購入するとき大切なことは開花した時がポイントで、花弁の色彩を必ず確認することが鉄則です。蕾のまま購入し、どんないい花が咲くか期待しても、予想した色彩とは異なることがあります。枝ぶりはもちろん、花の色を確認し、「この木(機)を逃したら同じものには二度と出会えない」気持ちで購入につなげたいものです。それによりその後も大切に育てるでしょう。

 いろいろの花木が次から次へと開花する今の季節、一人暮らしの私が楽しんでるだけではもったいないと思います。通りすがりの皆さんに観賞していただけるよう庭先の掲示板に案内を掲げてます。私の家では庭先に門をつけてないので入れるようになってます。それでもあまり観賞される方が少なくもったいないです。垣根を低くしてあるので前の道から見えるからでしょう。

 八重桜はこの家に引っ越してきたとき父がどこかで購入してきたのです。倉賀野神社の春のお祭りとも推測しますが、定かでありません。生前に訊いておけばよかったと思います。その頃は1mほどの背丈で、暫くは成長が進みませんでした。

 もしかすると周囲の土が硬かったかもしれません。現在は周りの土が踏みしめられない位置に移動したので、根がよく伸びやすいと思われます。また、植物は私たちが考える以上に水を必要とします。八重桜の近くには井戸からくみ上げた水道が引いてあり、これが功を奏しているでしょう。いくら水を与えてもただです。

 この写真で花弁が白と薄いピンクに咲き分けてることが分かります。Upしてみてください。なぜ咲き分けるのでしょう。不思議です。

 管理として、夏場はややもすると虫に葉を食べられますが、原則的に私は殺虫剤を使いません。人間の身体に悪い気がしてならないです。マスクをしても目に入ったり、どうしても吸いこんでしまいます。

 毛虫のようなものが発生したら、枝がかけない程度に棒で叩き落とします。落下した毛虫は元の位置に戻れないです。毎年、夏に毛虫が発生しますが、それほど案ずることはなく、翌年けっこう咲くものです。

 ところで、「人間の生涯は短いです。」それに比較し樹木は長生きです。植えた父はこの世にいなくとも、生前植えたことが元で、毎年開花することは誠に神秘です。植物を植えることによって後世の人々の心に平安を与えることは芸術であり、遺作作品といえるでしょう。

 今年はショパン生誕200年。彼には生前発表されなかった作品が多くあります。比類なく優しいピアノ曲「ノクターン嬰ハ短調遺作」や「ノクターンハ短調遺作」に、いくら聴いても色あせない永遠性を感じます。

 父の生前には大して咲かなかった八重桜も今では見事に咲いてます。音楽以外にも後世へ優しさを伝える遺作があるように思えてなりません。 

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2010年4月25日 (日)

英単語の記憶は書いて、発音して、実際に使う

 ニュースによると大手英会話学校が経営破綻と報じられてます。2~3年前にも農婆と宣伝した学校が同様に経営不振に陥りました。流暢に英語を話せるようになりたい夢の需要があって経営が成り立ちますが、近年は生徒数が減少と伝えられます。それにしても授業料は高額で一括前払いのようです。

 私たちは中学と高校で6年間、大学までとなると10年間、英語を学びますが、思うように話せないというのが実情で、英語を話すのは難しいことになります。流暢な方はほんの一握りでしょう。海外生活や海外旅行しても、自分の意思を英語で外国の方に伝えるのは容易ではありません。

 夢を実現するため、社会人になってから真剣に勉強する方が多くおられ、それは大変素晴らしいことです。勉強とはその必要性を自ら感じたとき本心から集中でき、日々の継続につながります。

 英会話学校のように、英語圏出身のネイティヴの先生に習うことは発音の面から大いに利点が考えられます。しかし、それで何でも話せるようになるとは考えられません。

 英語学習で絶大の効果があるのは日本人の英語達人に習うことだと思ってます。それは私たちと同じ環境で努力を積み重ねた方だからです。

 拙い経験ではアメリカやニュージランドの方をホームステイとして受け入れ、群馬県の白根火山や旧中里村の恐竜の足跡(写真上)を案内したり、音楽会に行ったり、夜はお酒も入ってパーティーです。先方が日本語を話されないので、こちらが奮闘しなくては交流が成り立ちません。

 これは「必要は発明の母」の状況です。英語学習はこの諺の通りです。いろいろ会話してると話したいことがあるのにその英語が出てきません。単語の知識がないのです。回りくどく説明するより、その単語を知ってれば一発で通じる状況です。

 例えば上の写真を現地で見て「恐竜」や「足跡」ということ、生息していた「中生代」ということを知ってれば何でもないことでも知らないと説明が困難になります。

 健康や身体についても同様で「花粉症」「十二指腸」「三半規管」「蓄膿症」「高血圧」といった話題になった場合、どうしても出ませんでした。それを説明で分かってもらうことは難しいです。単語を知ってれば一発で理解していただけます。このようなことを期に、私は厚い大学ノートで単語帳を作り、今日まで21冊になりました。

 「これを英語で何と言うか」の前述の理由から、青いノートでは左側を日本語、右側を英語にしました。これを約10年間続け、最近では通常の方法に戻り、左側を英語、右側を日本語にしてます。これはイギリスのレース鳩月刊誌PictorialやThe Japan Times Weeklyを読んでるからです。

 ここでも「必要は発明の母」として日々ボギャブラリー不足を痛感し、寝ても覚めてボキャブラリー蓄積が不可欠の生活となりました。

 単語ノートでは発音記号をポイントのみ示し、第1アクセント第2アクセントを記入します。また、使えそうな例文を書き込みます。しかし、書いても書いても単語は簡単には脳に定着してくれません。それには聴覚、視覚、触覚の三つを総動員です。

 新たな単語では正しい発音を身につけないと実際には通じないので意味がありません。発音記号によりできる限り正確に発音します。これは舌の位置、歯や唇の摩擦といった触覚です。

 発音することは自らそれを聴いてます。実はこれが脳へのインプットに極めて効果があると書物で読んだことがあります。また、書くことは視覚につながり、手による触覚も伴って印象に残ります。

 しかしながら、英語学習で非常に効果があると考えられることは【英文を幾度も音読すること】でしょう。口と耳こそ言葉の中心だからです。

 高齢化社会を生き抜くにはsenile dementia(老人性認知症)及びlocomotive syndrome(足腰の運動機能衰退)に罹らないことが基本です。ボキャブラリー挑戦は前者に有効と思います。英単語の知識が広がると楽しくなります。音楽でもそうですが、ややもすると私たちはすぐ上手とか下手とか評価しがちです。評価はそれほど要りません。英語の書物を読んだり、英語で外国人と話す行動そのものに深い意味があると考えてます。

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2010年4月23日 (金)

今春生まれたレース鳩の馴致を開始

3607  優秀なレース鳩が早朝に北海道で放されると、津軽海峡を飛び越え、東北地方の山々を越え、その日のうちに群馬県へ帰還することは神秘なことです。

 しかし、遠方から帰還できるには雛のうちに飼い主が教育しなければなりません。それは適切な馴致です。

 卵から孵り30日ほど経過したら雛を親鳩から離し選手鳩鳩舎へ入れ、自ら餌や水を覚えさせ、独立心を養うとともに、レースの舞台となる選手鳩鳩舎の位置を記憶させることがレース鳩となる第一歩です。

 私は2年ほど前、写真のような展望台を作りました。これは国際鳩舎500キロを「天神1号」をもって全国優勝されたアルカディア鳩舎からヒントを得た構造です。鳩が天窓から出入りするものです。天窓が閉まったままの状態で、雛はこの展望台内で1週間ほど過ごします。夜間は鳩舎の中に入れる構造です。

 親離れすると早速、周囲の景色を覚える勉強を始めるので、「三つ子の魂100まで」はレース鳩の馴致にも当てはまります。

022  この展望台の中で日中のみ過ごし成長すると少し飛ぶ力もついてきます。1週間ほど経過したら、そっと天窓を開けます。

 初めて鳩舎外へ出るので驚かせることが最もいけないことです。驚かすと高く飛んで帰れなくなる場合があり、初めて外に出す日は飼い主の慎重さが必要です。

 私の経験では、馴致初日は腹5分目くらいの状態が良く、空腹により鳩舎から離れないと思います。また、その日の気象条件が大切で、強い風が吹いてたり、快晴の日は避けるべきです。何かの音に驚いたりして、もし高く飛び上がると鳩舎位置が分からなくなり、戻れない可能性があります。

 また、カラスが雛を目がけて来たり、それとは比較にできない恐ろしい鷹やハヤブサの飛来が脅威です。そんな天敵が来たら雛はパニックになり一目散にどこかへ飛び去ってしまいます。

 写真のように、初めて外に出す日はどんよりした曇りの日が危険性が少なく、それほど飛びたがらず馴致には最適な条件と考えます。

 2月上旬に飼い主が考えた親鳩と親鳩の交配(見合い結婚)により、卵を産み、雛に孵って、やっと鳩舎に馴らしてる段階で行方不明になっては、折角、今まで育てた努力が水の泡です。

 このようにして数日、鳩舎の外に出て遊ぶようになれば、鳩舎の周囲を飛んだり、上空ヘ舞い上がっても、殆ど帰って来るのでしめたものです。よそへ行かず舞い戻る姿はとても可愛く、飼い主は我が家の子の思いを実感するものです。

  現在、馴致してる雛は3月生まれの一番仔で、今月下旬には2番仔が、5月下旬~6月上旬には3番仔がそれぞれ誕生するので同様の馴致を繰り返すと、7月下旬には今春誕生したすべての雛が一団となって大空を飛翔します。

P1060813 【展望台に続く鳩舎内及び自動入舎装置】

 8月より当舎では午前5時~6時の涼しいうちに舎外運動させ、約80羽が一団となって、天高く群馬県倉賀野町上空を東西南北に行ったり来たり気持ちよさそうに飛翔します。飼い主の私は生まれてこの方、倉賀野町を上空から見たことがありません。それにもかかわらず、生まれて間もない雛たちは上空200mから倉賀野町を見下ろすので羨ましい限りです。私の生まれ故郷は空から一体どのように見えるのでしょうか。

 若鳩から一日一日成長し、夏から秋にかけ栃木県からの訓練に応え、最終目標の北海道から当日帰還できるレース鳩に成長してほしい。

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2010年4月21日 (水)

平地でもよく開花する日本シャクナゲ

Dscf0094  いくら称讃してもしきれない優しい薄いピンクの色どりは日本シャクナゲのアズマシャクナゲという品種です。クリックされ拡大してご覧ください。薄いピンクの花弁を眺めてるといつまでも飽きず、色彩に安らぎを感じます。玄関前に植えてあるこのシャクナゲは高さ1mほどです。近年、樹勢が良くなってきたので、数年すると大きく成長すると期待してます。

 このシャクナゲを覆うように、実は上には高さ3mほどのピンクのアセビがあり、また、大きな「白梅しだれ」があります。これらの樹木はシャクナゲよりずっと背が高いので、半日陰を作ったり、空気の通りを良くしてます。私も植物の育て方については素人だったのですが、失敗や育ちの悪さを経験し、最近になって次第に一つのことを察したのです。

 それは植物も新鮮な空気が必要ということです。植物同士が密集し過ぎてると育ちが悪いです。良い空気の流れが必要なのは人間のみならず、植物の成長にも共通することでしょう。その植物にとっても、自分の存在をしっかり示せる所がいいと思います。

 そして、夏場は前述の半日陰です。直射日光が降り注ぐ場所では葉が焦げたり、これから発芽する新芽が暑さで萎びます。そんなことでは来年の開花が期待できませんから、植える場所で日本シャクナゲの一生が決まります。

 しかし、半日陰といっても、晩秋から3月までは十分な日当たりが必要なのです。さあどうしますか。・・・・・答えは簡単です。比較的大きな落葉樹の下に植えるのです。そうすれば冬は陽が当たるし、夏は半日陰となって涼しいです。

358  本来、日本シャクナゲは比較的高山に生息してきたのですから、その生い立ちを考えると、水はけ具合がポイントと思います。庭に植える場合、ジメジメした所でなく、水はけの良い所がポイントです。できれば築山がいいですが、そんなに高くなくても、他の場所より高い位置に植えるといいでしょう。

 このように説明すると、日本シャクナゲには余り水が要らないように思われますが、・・・・・とんでもありません。

 自然界における山の夕立ちや台風、スコール、梅雨、雪などの総雨量は平野の水量とは比較にならないでしょう。

 ですから、庭に植える場合、決して水が欠かせません。これからの季節は気が付いたらどんどん水をやりましょう。【喉が乾いたら潤します。しかし、常にジメジメはなりません。】

 私の経験の範囲ですが、夏場の半日陰、及び周囲より高い位置に植えること。そして水やりが十分という原則が実行できれば、 平地であっても、日本シャクナゲは良く咲くと思っています。

 その他、樹木が成長し、蕾の数が増え過ぎたとき、冬の間に「育ちの悪い蕾」を摘みます。一見、もったいないですが、毎年、平均して咲かせるには必要な作業です。私は約半分の蕾を毎年摘まんでます。これはあくまで、大きなシャクナゲの場合で、小さいシャクナゲでは必要ありません。

 肥料はあまり与えませんが、他の植物に油粕の固めたものを与えるとき、晩秋から冬にかけての季節にシャクナゲにも根から離して与えます。

 西洋シャクナゲは平地でも比較的簡単に咲きますが、一般的に日本シャクナゲは余り咲かないようです。しかし、前述の原則を守れば、十分に開花が楽しめると思っています。

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2010年4月19日 (月)

中央中等管弦楽部に音楽家の風貌あり

http://www.youtube.com/embed/w43c0Xmh33Q 

 4月18日高崎市の群馬音楽センターで開催された中央中等教育学校管弦楽部の第7回定期演奏を拝聴し、生徒さんの演奏に年々磨きがかかってきていると感じた観客は私だけではないでしょう。一人一人の生徒さんが演奏に集中する姿は、すでに音楽家の風貌を備えています。

 フラッシュをたけない写真撮影の必要から、私は前列より3列目に席をとりましたが、却ってそれが功を奏し、生徒さんの演奏に伴う機敏な動き、音楽に対する真摯な精神を身近に捉えられ一石二鳥でした。

 一般論としてオーケストラ鑑賞では真ん中か後方の席がよいと考えられがちですが、それはレコード鑑賞で言えることと思ってます。オーケストラを大きな室内楽と考えれば、比較的身近な席で聴くことは躍動的な指揮者の表情はもちろん、楽器演奏者の息遣いや瞬間瞬間の気迫の入った精神を身近に感じ、音楽の時間的動きが生きたものとして捉えられるでしょう。オーケストラの場合、小さい音で表現するパッセージでは後方より前方の席が断然いいと思います。前の席といっても大きな会場では実際には、かなり離れてます。

 ステージ演奏で、より良い音程、より良い音色、より良いアンサンブルを求めて総勢81名が同時に挑むには精神に一刻の猶予も許されません。私は真剣な眼差しでシンフォニーに挑む中央中等オーケストラの生徒さんを拝見拝聴し、群馬県一幸福な中高校生と感じました。挑む音楽が真似ごとでなく本格的だからです。

 しかも、中学生の年代からオーケストラの体験ができる学校は群馬県では中央中等を除いて他にありません。中高一貫教育を通じて二度とない貴重な青春時代を、このように稀に見る崇高な環境で過ごすことは、今後の人生をより高い精神に導く理想郷です。

 プログラムを見てその作製にも驚きました。それは時間的制約がある中、練習を第一に考えていることが伝わってきます。一般的に多くの学校ではプログラムに広告を掲載し、印刷屋で製本し、入場料で会場費を賄うようです。生徒さんにとって入場券の販売は練習のしわ寄せになるでしょう。

 練習から本番への過程は最も集中すべき教育の場であり、会場費は学校で負担すべきでしょう。中央中等は入場無料でも、手づくりのパンフレット内容は充実してます。

 それにしても81名のステージ演奏者にプラス新1年生を合わせると100名からの部員では日々練習場確保に苦労があり、いろいろ工夫されたことでしょう。人は高い目標があれば互いに協力し合って創意工夫できるものなのですね。

030 【ここは草津白根山から草津温泉方面です。】

 ところで、肝心の演奏についての感想です。特に力を入れて挑戦されたと思われるドボルザークの「新世界交響曲」について述べます。

 有名なシンフォニーであることから、観客は良く存じており、それがいっそう難曲になるかもしれませんね。しかし、多くの難しいパーセージを見事にやり遂げました。作曲年代は日本の明治中頃で、ボヘミア人ドボルザークがアメリカで目にしたのは、広大な大陸の自然や悲痛な黒人霊歌、現地の人たちが奏でる民族的音楽や踊り、そして葬式など悲しい風習でしょう。このシンフォニーを覆う暗さ悲しさはボヘミアへの望郷の念とともに、ここに由来してるとも考えられます。

 1楽章は低音弦楽器群の人たちで始まるゆっくりとした暗い序奏。それを引き継ぎ対照的なホルンの叫び、フルートやオーボエはアメリカ滞在を期待するかのごとく煌びやかな音色で表現され、これを聴いただけで私はもう本格的なシンフォニーの世界に浸っていました。突如として雷鳴轟くティンパニーが大自然に対する畏敬の念を効果的に表現されてました。

 2楽章は何と言ってもオーボエダモーレに酔いしれました。この楽器独特のこもった音色は誠に素晴らしかったです。静かな場面で大勢の観客の前での独奏は緊張するものです。しかし、伸び伸びした音色が哀愁味を内包し、会場によく響き渡りました。一体この旋律を何回練習したのでしょう。数え切れないでしょう。この音色ならレスピーギの「アッピア街道の松」にあるソロもきっと上手に演奏できると思いました。いつか、拝聴したいものです。

 3楽章は管楽器と弦楽器、打楽器で掛け合うリズミカルな楽曲で、技術の見せどころであっても、その中に故郷ボヘミアへの望郷とアメリカインディアンの民族性との融合を連想させる速いテンポに乗った細かなリズムがこの楽章の聞かせどころ。どこか心に通じる五音音階は私たち日本人にも愛着を感じさせます。しかし、この楽章もトランペットやホルン、トロンボーンなど金管群の力強い響き渡りにより、壮大な大陸に心が戻りました。

 終楽章は総じてダイナミックです。その中にあっても時々聞こえるクラリネットの響きは味わい深い哀愁味が醸し出され、すごくアカデミックな音色でした。オーケストラで練習してると吹奏楽とは異なる崇高な音色に変化するようです。

 今回も感じたことですが、中央中等オーケストラの皆さん、誠に本格的な音楽の部活です。3人の素晴らしい顧問教師によるご指導のもと、ますますシンフォニックな音色、そして重厚なハーモニーに磨きをかけてください。9月23日を楽しみにしています。

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2010年4月18日 (日)

天明3年アイスランド火山と浅間山が大噴火

Icelandvolcanoashfromspace_17842_bi  【写真はISS=International Space Station(国際宇宙ステーション)に現在滞在してる野口聡一郎さんが宇宙から撮影したアイスランド火山の噴火の様子です。】

 噴煙が雲の上に出て成層圏まで達しているように見えます。

 今回のアイスランド火山の噴火について、ニュースは世界の航空機が離陸できず、欧州はもとより世界中に多大の影響が出ていることを取り上げています。ジェット機は成層圏を飛ぶので火山灰がエンジン内に入るとエンジンが停止するといわれます。

 日本から余りにも遠方であるアイスランドについて、この際、私はこの国について調べてみました。

 アイスランドの位置は北緯63度付近より北極圏に差しかかる北緯66度付近までで西経は20度付近です。緯度としては日本の最北・北緯45度の稚内市から約18度北に位置するので、緯度の1度のおよその距離である112キロ×18度で約2000K北にあり、ここはユーラシアプレートと北米プレートがぶつかり合う所といわれます。

 人口32万3千人で1944年デンマークから独立し、面積は北海道と四国を合わせた程です。9~10世紀にかけてノールウェイ人やスコットランド人が移住し始め、それ以前は無人島であったようです。

 1980年世界初の女性大統領が誕生し、世界でも希少な「常備軍を持たない国」となりました。特にクリーンエネルギー発電を推進し、80%が水力、20%が地熱発電です。

Nesjavellirpowerplant_edit2_2 【ウィキペディアより転記】

 写真は地熱発電所です。日本のような火力発電所や原子力発電所は一切なしで、火山国であることを巧く利用し環境は抜群です。

 火山国であるアイスランドは海洋プレートの生成が地上で見られる珍しい島で、大地の裂け目を「ギャオ」と呼び、間欠泉が多く見られ、ゲイシールの間欠泉が有名で英語のgeyserの語源となったといわれます。沿岸はフィヨルドで殆どが火山性大地に覆われ、森林面積は国土の0.3%に過ぎないといわれます。

 首都は以前にサミットが開かれ有名になったReykjavicで空気がきれいな都市といわれます。ロンドンから北西に2000キロ以上も離れ、グリーンランドの東にポツンと浮いてます。言葉はアイスランド語で日本との時差は10時間程です。

 北極圏に接する高緯度に位置するため、これから半年間は白夜が続き、逆に秋分から春分にかけては夜が長く、太陽は低い位置に短時間、顔を出してると推測できます。

 ところで前述の通り、アイスランドは北米プレートとユーラシアプレートの境目に位置するため、先史時代より大噴火がしばしば起こり、偶然にも我が群馬県と長野県にまたがる浅間山による1783年(天明3年)の大噴火の年に、アイスランドの火山も大噴火を起こしたことが歴史的に一致します。

 この時は「天明の飢饉」と呼ばれましたが、これは単に浅間山の大噴火のみが原因でなく、同時に起きたアイスランド火山の大噴火により、広く地球規模で気候変動が起こり、人命や農作物に多大の打撃を与えたと考えられます。

Asama  写真は私が5回頂上を極めた活火山・浅間山(2560m)の火口です。地球の歴史から考えれば、日本のポンペイと呼ばれる鎌原村をすべて埋め尽くした1783年の大噴火は1~2時間前のようなもの。現代も依然として危機は続いてます。

 当時とは比較にならない現代文明に暮らす私たちも大噴火の前には成す術を知りません。子々孫々の未来も火山の脅威から切り離すことはできません。今回のアイスランド火山の噴煙が成層圏に広がり、冷夏に結びつかないことを祈ります。

 私は群馬県に住んでいることか、活火山・浅間山と草津白根山及び元白根山は身近な山岳であり、これらには興味ある植生や豊かな自然が残されてます。

 しかし、この火山群のいずれもが近未来に大噴火の危険性が潜んでおり、歴史を紐解いくと日本のポンペイと呼ばれる嬬恋村の旧・鎌原村埋没をはじめ、草津白根山ではスキーヤーが犠牲に、元白根山付近では引率教師と合宿中の女子高校生が火山性ガスを吸引し犠牲になりました。

 火山に登るときは常に噴火の可能性を忘れず、火口付近以外の場所でも目に見えない火山性有毒ガスの存在があることを忘れてはなりません。

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2010年4月16日 (金)

天候不順で放鳩を断念、室蘭から持帰るレース鳩

 11日に持寄られ北海道・室蘭で約5日間待機してた700Kグランプリレース参加のレース鳩たちは、ついに放鳩のチャンスに恵まれず、これ以上コンテナ内に入れたままにできないので持ち帰ることになりました。このため、18日(日)午前中に栃木県・佐野市付近で放されることになりました。

 季節外れの雪は降るし、アイスランドで火山の大噴火は起こるし、ここ連日の寒さに震える日本列島も一体どうしたのでしょう。この寒さで打撃を被り深刻なのは野菜作りの農家です。今の時季、開花の終わった梅は小さな実が付き始めてる頃で、雪が降ったら萎びてしまい収穫に大きなマイナスとなります。この他、寒さにより多くの野菜が収穫にダメージを受けてます。

 【以下の文章は16日に書いたものです。】

 今夜から明日未明にかけて関東一円に降雪が予想されており、群馬県に住む私は咲き始めたチューリップの植木鉢と君子蘭を共に玄関内に避難させました。

 冬の期間、室内で開花を楽しめた君子蘭はすでに咲き終わり、数日前に戸外に出して自然に触れさせていましたが、予想外の低温で今晩からの降雪予想を考慮し、6鉢を室内に入れました。しかし、イギリスのレース鳩月刊誌「ビクトリアル」の表紙で世界に紹介され、すでに咲き始めている大きな「しだれ桃」は寒さをじっと我慢でしょう。

 本日4月16日は旧暦では3月3日となり「ひな祭り」です。「桃の節句」と昔の人が言ったように花桃は本日を中心に開花し、優しい色彩と姿は人々を和ましてくれます。この日は毎年必ず大安です。

 実はこの「しだれ桃」の後ろにあるグリーンの建物がレース鳩の家です。一般的には鳩舎といい、外国では昔から天井裏で飼育していた名残でLOFTといいます。このため、このブログのタイトルはPersimmon Marsh Loftとなってます。

 実はこの鳩舎は現在3羽のレース鳩の帰りを待ってるのです。1年前ここで生を受けた鳩が今、北海道・室蘭で待機しているのです。14日(水)に放される予定でしたが、天候不順により放鳩が延期され、放される時を待ってるのです。悪天候で放したら道(空)に迷って帰れません。群馬よりずっと寒い室蘭でトラックに積まれたまま過ごしており、すでに5日間もコンテナ内にいます。餌と水は係りの人によって与えられてます。

 明日17日にチャンス到来と期待しても、気圧配置上はまだ無理かもしれません。18日(日)なら回復の兆しですが、日本列島は南北に長いので室蘭~高崎間700キロを海越え山越えは、必ずしもすべての飛翔コースが晴れてるわけにはいかないでしょう。

 それでも、放鳩の専門家が立ち会ってるので、これらのプロにお任せし、飼い主である私はひたすら鳩の帰りを待つだけです。調子のよいレース鳩は朝放されれば当日の夕刻に到着するので、本来の帰巣本能と訓練による成果により、しだれ桃の花咲く緑の鳩舎Persimmon Marsh Loftに帰還してほしいものです。

 昔のことですが、700キロレースでは高崎市、安中市、富岡市、藤岡市などで成り立つ上州連合会で当舎は2年連続優勝したことがあり、私にとっては力を入れてるレースです。天候が回復し、素晴らしい飛翔を願うばかりです。

   写真は日本の品種でアズマシャクナゲです。蕾の上に雪が降ったら可哀そうですが、山では厳しい自然を何万年も繰り返し、種が保存されたのですから「案ずるより産むがやすし」と思います。関東でこの時期の雪は41年ぶりとのことで、私は知りません。生まれてなかったのではありません。暑いインドにいたのです。

 【追伸:情報によると700Kグランプリは飛ばすことができず持ち帰りのようです。・・・17日、記す。】

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2010年4月14日 (水)

平地でも見事に咲く日本シャクナゲ・いよいよ開花

Dscf0094  日本シャクナゲと西洋シャクナゲの違いは葉の形を見れば一目瞭然です。日本シャクナゲの葉は比較的厚めで硬く、表面が反ってる感じです。それに対して西洋シャクナゲは一般的に葉の厚さが薄く、他の植物に近い感じです。シャクナゲの開花として、次回はこれまた大輪の西洋シャクナゲのピンクをご覧いただけますので、今までご存じない方も日本シャクナゲと西洋シャクナゲの違いに気づかれると思います。

 タイトルに掲げましたように日本シャクナゲを平地の庭で育てるのは難しいとされてますが、基本中の基本である条件をクリアーしてあげれば、平地で咲かせることはさほど難しくないと体験上感じてます。

 その条件の一つは大きな落葉樹の下が適地です。すでに蕾を持ってる冬の期間、日光が十分に当たり暖かく過ごせるからです。夏は落葉樹の大きな葉が半日陰の状態をつくり、シャクナゲにとっては涼しく、葉が焼けず好都合です。特に新芽が出始める五月ころの強い直射日光は一日で小さな葉が萎れてしまいます。冬暖かく夏涼しくは私たち人間と同様です。

 その条件の二つ目は水はけのよい場所に植えることです。ですから、他の植物より少し高めの位置が良いと考えらます。それであっても、水は大いに大切で不可欠です。矛盾してるようですが、水は大切であっても、いつもジメジメしててはなりません。シャクナゲにとって水は人間と同様で、喉が渇いた時は飲みたいし、しかし、不要な時はさっぱりしていたいのでしょう。

358  この二点がクリアーしてれば、枯れることもなく開花が期待できます。前橋農協花木センターで手に入れた時は車のトランクに入った日本シャクナゲは今では枝周りの直径は4m程に成長し、住宅地での大きさとしては珍しくなってきました。このままあと10年もしたら倉賀野町の銘木になるかもしれません(言い過ぎか)。お近くの方は、是非いらして観賞してください。

 すべての物の美しさはその形と色にあるというのが私の持論です。植物では枝ぶりも観賞の一つに入ります。松や盆栽などはその典型でしょう。一方、色彩を楽しむことも美を観賞する大きなポイントで、この点、シャクナゲにはいろいろの色が存在し、日本シャクナゲも例外ではありません。ましてや、西洋シャクナゲの色彩は無数というのが正しいです。

 毎年よく咲かせるため、この他の留意点としては蕾を間引くことです。今年たくさん咲いても、翌年あまり咲かないのでは寂しいです。冬の間に育ちの良くないものを中心に摘まみましょう。これにより根からの栄養分が残された蕾に行き渡ります。摘まんだところは翌年開花するので、間引きにより毎年開花が楽しめることになります。この冬、私は1本の西洋シャクナゲの蕾を100個摘みました。それでも、蕾が減った感じはありません。木が成長したからでしょう。

 また、肥料はあまり与えません。それでも、他の植物に与えるときシャクナゲにも少し施します。それは固められた油粕です。樹木の勢いを盛んにすると葉はピシッと伸び、花弁の色はイキイキしてくることを感じてます。 

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2010年4月11日 (日)

内浦湾と津軽海峡を飛ぶ室蘭700Kグランプリ

300pxjapan_hokkaido_map_chikei   本日700キログランプリレースの持寄りがありました。持寄られたレース鳩たちは上州地区連盟(群馬県)、上武地区連盟(群馬県・埼玉県)、西埼玉地区連盟(埼玉県)と広域による16連合会の俊鳩たちです。

 これから北関東自動車道11日~東北自動車道11日・12日~津軽海峡フェリー12日~道央道12日・13日経由で室蘭までトラック輸送されます。トラックに積まれたコンテナ内で鳩たちは長時間にわたり揺られるだけで、その間、飲まず食わずです。室蘭に着くとすぐに餌と水が与えられます。現地では空腹のため、その食欲は物凄いと思われます。この時たくさん食い込む鳩ほど有利でしょう。

 拙い経験では以前に上州連盟の放鳩者として岩手県北上市400K及び青森県十和田市500Kに行きましたが、500キロでは悪天候のため日延べとなり、何回も朝夕に餌と水を与えるのが大仕事でした。これは合計1000羽以上と羽数が多いからです。

 それにも増して困ったことは、日延べとなると職場に欠勤の連絡をしなくてはなりません。結局500キロでは日延べして放鳩後帰るにも1日かかるので、連続2日間(月と火)に現地から上司に欠勤連絡をするのが精神的に大変でした。

 しかし、レース結果は当時としては珍しく1300メートル台の高分速がたくさん出て、連合会のレース仲間から放鳩者がいいからだと褒められましたが、私としては翌日職場に行くのが気まずかったことこの上なしの覚えがあります。でも、その後は年次休暇を取らず、ひたすら教育に邁進(?)しました。

 ところで、今回の室蘭700キロレースにおいて、鳩たちは内浦湾と津軽海峡の二つの海上を渡らなくてはなりません。多くの鳩は生まれて初めて海を渡るのですから、勇気と体力、そして何が何でも帰巣する強い意志がなければ再び北海道へ舞い戻り、帰れなくなることも起こりうることです。このようにならぬため、どの飼い主も日頃から管理に余念がないのです。

 群馬県高崎市に鳩舎を構える私の場合、今回3羽の鳩が参加してます。1羽目09年生まれは、300キロでマーク鳩レース1位になったシンクロ♀(写真)です。血統はアメリカ・フランクキタ鳩舎作ブラックイーグル系×茨城・高塚鳩舎作翔グランプリ・キング直仔です。抱卵すでに12日目です。卵の心音を感じていてくれれば効果があると考えてます。なお、今回も第一マークにしました。少々小ぶりの鳩です。果たしてトップ集団に加わり会心の飛翔をしてくれるでしょうか。抱卵してない日中の時間に舎外を1日2回しました。卵は折角温めたのですから仮母に抱卵させました。近い将来雛とご対面するでしょうか。

 2羽目09年生まれRC♂は、埼玉県・名前のない鳩鳩舎より導入したシャニース系とヤンエルネスト系・岐阜県・香山鳩舎ワンダーセレクト系に高塚鳩舎の湯の川キング号の孫をかけたものです。上のシンクロと番いになってるので、やはり抱卵12日目です。500キロでは当舎の1番手でした。今回、第2マークにしました。

 3羽目09年生まれB♂は、両親ともに高塚鳩舎作で、母はグランドナショナル総合12位グランドブラック号直仔とグランドナショナルを2回飛んだ鳩をかけたものです。飼い主としては鳩舎内を薄暗くし調整してきたつもりです。

 予報では2~3日天候が定まらないので、14日に放される公算が大と思ってます。果たしてニュー上州連合会の強豪ミストラル鳩舎、及び群馬西部連合会の強豪taka鳩舎に太刀打ちできるでしょうか。内心できれば水をあけたいところです。戦いの火ぶたは切られました。

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2010年4月 9日 (金)

五月の薔薇の家で「みちのく一人旅」を弾く

Dscf0471  群馬県の平野部では桜が満開になりました。写真は高崎市役所と近くの高崎公園です。群馬音楽ンターを取り巻くお堀端には樹齢100年ほどのソメイヨシノが数十本今まさに満開です。多分、お堀の水がその生命力になってると考えられます。

 本日は珍しく一人で昼食を食べに行こうと愛車Audi TT  Quattro黄色を運転。このお堀端を通過し満開の桜を眺めてから、三菱UFJ信託銀行の裏にあるレストラン「五月の薔薇の家」に向かいました。時刻は午後1時を過ぎてたので、すでにお客はいませんでした。今まで十数回昼食や夕食に利用しているので、ウェイトレスのTさんともすでに顔なじみです。彼女は私のことをMarshさんと呼んでくれます。

 写真は五月の薔薇の家の入口です。情熱的なバイオリン曲「チゴイネルワイゼン」が好きな彼女はジプシーの音楽に陶酔する傾向があるようで、もしかして、ジプシーの血が流れているのでしょうか。先日の夕刻に、ここで群馬交響楽団の女性バイオリン二ストのリサイタルが開かれ、連絡をいただき、私もサラサーテのこの「チゴイネルワイゼン」やパガニーニの「ラ・カンパネラ」などバイオリンの超絶技巧に感銘を受けました。

 プログラムが終了してからTさんはお客さんの前でジプシー的なこれらの音楽の感想を述べようとされましたが、余りにも深い感銘を受けたのでしょう。言葉にならないほどでした。美に対する感覚が研ぎ澄まされているのでしょう。音楽に造詣の深い方と感じました。

 私は「音楽を聴いてそれを言葉にすること」は本来難しいことと思っています。一般的に音楽とは抽象的なものなので、それを言葉という具体的なものに置き換えること自体に無理があるというのが正しいのではないでしょうか。音楽を聴いて感銘したら「良かったね」でもう十分だと思っています。

 ところで、バジル風パスタや紅茶をいただいてから私は何だか、そばにあるあるピアノが弾きたくなり、Tさんに許可をもらって1曲弾きました。曲は山本譲二の「みちのく一人旅」です。みちのくを一人旅しながら、ある女性を想う男性のひた向きな感情を思い切り歌い上げる名曲です。

 歌の歌詞も素晴らしいですが、ハ短調で弾くしみじみとしたピアノもなかなかいいものと思います。前半の静まり返り、ゆっくりした内省的な部分から、後半の寂では男の気持ちを情熱的に赤裸に歌い上げ感情が盛り上がります。

  効果的になるよう、私は前半のところを低い音で奏し、後半の寂の部分ではオクターブ上げてヨーデル的に長6度、短6度のトレモノにしてみました。

 ピアノであっても結構これが一人の女性を想ってやまない主人公の気持ちをこれでもかと代弁します。一人私の演奏を聴いて下さったTさんは驚かれたような顔をされていました。音楽演奏とは、あくまで楽器は媒介に過ぎず、辛い人間の気持を表現することにあるのではないかと思ってます。

 余り練習もしないで、弾いたので失礼もあったでしょうが、食事と紅茶をいただいて身も心も一段落してからピアノに向かったので、タイミングは良かったと思います。「腹が減っては戦はできぬ」は音楽演奏にも言えるでしょう。これからも、「みちのく一人旅」に限らず、人気歌手が歌う名曲についてはピアノで弾けるようにしておこうと思いました。

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2010年4月 6日 (火)

春は颯爽とウォーキング、上半身も鍛えましょう。

 今や日本は高齢化社会、長寿社会です。いつまでも健全な精神と健康な肉体を維持することこそ生きる基盤です。日々の暮らしは栄養、運動、睡眠をバランスよく実践したいものです。栄養と睡眠は充分であるのに、運動となると余程そのつもりにならないと、ついサボりがちになるのが人間の性(さが)です。

 億劫なことはしなくても済んでしまうところが落とし穴でしょう。しかし、私たちは環境や雰囲気に左右されるので何か良いきっかけが掴めると、あるいはしっかりした目標ができると勉強もそうですが、運動もやりたくなるものです。そのきっかけは「楽しいこと」「快いこと」が最大の引き金です。

 現代では血圧や血糖値が高い人が全国で数千万人おり、国を挙げて生活習慣の改善が叫ばれてます。医学的には糖尿病予備軍も多く、糖尿病の一歩手前です。糖尿病はもちろん、このような状態では動脈硬化が進み、脳梗塞や心筋梗塞の危険性が高いと考えられます。

 NHK「ためしてガッテン」に助言者として数回出演されたK医師は私のドクターです。 Kドクターの指導は1に過食の解消、2に運動不足の解消、3に気安く飴をなめない、4に果物は食後に少々、5にてんぷらやトンカツは控える、6に早朝の散歩は無用で運動は食後に効果があると話されます。運動を食後にするのは血糖値はお腹が空いてる時に低く、食後から高くなるからとのことです。

 一般的に早朝は血圧が高く、血糖値も低いことから、朝は気分的にはいい感じがしても、現在の医学では「起きてすぐの運動は害があっても益はないと考えられてる」ようです。

 暖かくなるこれからの季節に戸外で運動することは、周囲の自然も緑が濃くなり一石二鳥です。

 一方、内臓の健康とともにLocomotive syndromeにならないためにも足腰の鍛錬を重点的に取り入れたいものです。遠くを見つめて背筋を伸ばし、1時間ほど颯爽と歩くことはとても健康的です。また、交通に気をつけサイクリングも足腰の鍛錬に理想的です。散歩もいいですが、ある程度のスピードを保ち颯爽と歩く感覚が大切でしょう。どちらも有酸素運動になるからです。

 ところで私は最近、上半身を鍛えるために関取が行ってる「てっぽう」を取り入れてます。腕立て伏せは血圧や指に悪影響があっても、これならマイナス面はありません。腕や肩、大胸筋、背筋に負荷がかかり、とてもすっきりします。負荷の程度は足の位置で調節できます。上半身を鍛えるとよい姿勢にもつながるでしょう。私は庭の杉の木を相手に時々行います。近所の人に見つかると、カッキーもいよいよどうかしたのかと思われても、脱locomoのためならそれを優先します。「てっぽう」はすっきりするのでお薦めです。

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2010年4月 4日 (日)

自然淘汰を潜り抜け飛来したツバメに学ぶ

 景色は群馬県・牛伏山山頂(491m)から高崎市方面です。高気圧に覆われ景色は最高です。ひんやりした空気のここは私の散歩コースです。幾度かブログでお伝えしたことがあります頂上は馬の背のような形をなし片道200mほど散策できます。遠く雪に覆われた谷川連峰の景色を満喫しながら颯爽と歩きます。写真をクリック拡大されますと、中央にすそ野の長い山があります。これが赤城山(1828m)です。

 【日本の真ん中がどこであるか】は1000を超える島々からなる日本では確定が難しくとも、この辺りは太平洋側と日本海側からそれぞれ100キロ程の中間地点にあり、南北からの視点でも、本州のほぼ中央に位置します。ここは北緯36度17分、東経139度00分が通ってます。

 ところで、本日、4月4日に私の家の上空に1羽のツバメの飛来が確認できました。庭で咲き終わった紅梅を選定してましたら、青い空に1羽のツバメがスイスイ気持ち良さそうに飛んでいました。その姿は約半年ぶりです。

 私たち人間には考えつかない遠方から、幾多の困難を切り抜け、自力で食料を調達し、日中は大海原を北上し、夕刻にはどこかの島に辿り着き、また、天気の良い日に遥かな日本を目指し、とうとう群馬高崎まで辿り着きました。

 ツバメに限らず、多くの野鳥は渡りをしていると考えられ、何万代という祖先から未来の子孫へと繰り返しているのです。「渡り」は寒さを避けるため、餌の確保、子育てと考えられます。夏鳥も冬鳥も子育ては高緯度で行うようです。

 1羽のツバメの飛来も、渡りの途中、悪天候、猛禽類の攻撃、病気、体力の減退で親、兄弟、仲間を失う自然淘汰の結果で、それをクリアーしたものだけが日本へ到着したと思うと、飛来してるツバメの健康度は剛健で、幸運の持ち主であることが頭を過ぎります。

 大海原上空での厳しい検問を潜り抜けたツバメだけが日本で繁殖できるのです。雛をたくさん繁殖し、飛翔力の強い子供に育て、9月には再び南の島をめざします。今後も渡りを繰り返し、優秀な子孫のみが残っていくと考えられます。

 ペットと異なり、怪我や病気になっても、治療や投薬という手段は皆無。壮絶な自然界の掟が「種の保存」に繋がってると考えられます。

 初秋に日本を発ち南の島へ向かう時が関門でしょう。それは多くが雛鳥だからです。行く先も未経験、親子兄弟も次第に散り散りバラバラとなり、しかも、南下するコースは台風が北上する通り道。未然にコースを避ける力が必要です。

 途中犠牲となる羽数は毎年誕生する雛の数にほぼ等しいと推測できます。老いにより力尽きる成鳥や体力のない若鳥も含まれるでしょう。

 日本へ飛来するツバメを手本に、私たち人間も足腰を鍛え、常に健康に良い食べ物を吟味し、強い意志を持って生き抜いて行かねばなりません。

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2010年4月 1日 (木)

室蘭~高崎間700キログランプリレースに抱卵で参加するシンクロ

  室蘭からの700キログランプリレースにスタンバイしてるシンクロ鳩は今春300キロ連合会マーク鳩レースで1位になった♀です。私は子供のころから真っ黒な鳩が好きでした。

P1000202  父親(写真上)は羽幌900キロ翌日帰還しましたが、その日、私は仕事で家にいられず、帰宅して夕刻に手動で記録したので、本当の帰還時刻が分からず順位も下がり、鳩に申し訳ないことをしたのです。帰還が午前中であった可能性もあります。系統は米国フランク・キタ鳩舎のブラックイーグル系です。肌触りは珍しくシルクタッチです。

 母親は茨城県の高塚鳩舎作・北関東5地区グランプリ総合優勝、9地区同時放鳩6776羽中最高分速の「グランプリキング号」の娘です。

 前述の通り、グランプリにスタンバイのこのシンクロ鳩は300キロが速かったです。今回、金田一500キロから室蘭700キロへ参加します。持寄り日に抱卵11日目と少々深抱き気味ですが、飼育者としては巣房への愛着がより強力になることを期待してます。日中は午前午後とも舎外させ運動不足解消に努めてます。

 卵そのものは調子のいい状態で産卵したので仮母に抱かせ、この鳩には偽卵を抱かせることも考えてます。しかし、まだ決めてません。というのは、ここにポイントが隠れているからです。

 【卵が孵る数日前からは卵内に起こる心臓の微妙な音を親鳩は必ず感じる筈です。これこそ親鳩の帰巣本能をくすぐる核心と考えられます。このため、偽卵を抱かせることは、せっかくのチャンスを台無しにし、帰巣本能が減じるのではないかと考えてます。】

 持寄り日まで飼育者は巣房の中を見ることを極力避け、鳩が抱卵に専念できる配慮が大切と思っています。

 飼育者の私は未だ北海道へは行ったことがありません。主人が行ったことのない室蘭から鳩は帰還をめざしているのです。幸い、私はネットを通じて著名なレースマン・北海道在住デカ橋さんに交流いただいてます。

035  いつの日か愛車「アウディーTTクワトロ黄色」を群馬から走らせ、デカ鳩さんをはじめ北海道の鳩友の方々にお会いし鳩談義できることを夢見ています。果たして北海道のお酒はどんな味でしょう。

 ところで、レース鳩が考えられない遠方から津軽海峡を飛び越え帰還する理由については、学問的にいろいろ説があり本当のところは分かりません。それでも、抱卵状態でレースに参加すれば、帰巣本能がより高まることは確かでしょう。

 レース鳩の卵は抱卵18日目に孵る関係から、あまり長い期間抱くと、体内に乳びが溜まり始めると考えられ、放鳩日が延期にならぬことを願ってます。今のままなら抱卵日数が丁度良いかもしれません。

 一方、内緒ですが、持寄り日の5日前から3日間、連続して訓練する予定です。距離は25キロある大間々の高台で海抜300メートルです。1羽ずつ5分おきに放します。

 果たしてシンクロは北海道室蘭から無事に津軽海峡を飛び越え、群馬高崎までの700キログランプリレースに素晴らしい飛翔を見せるでしょうか。予定は4月14日前後です。

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