人生は短し芸術は長し・父の植えた八重桜は遺作
45年前に今は亡き父が植えた八重桜が満開になりました。一般の桜が咲き終わってから開花するので、音楽に例えれば再現部です。花弁は薄いピンクと白の2色に咲き分け、この混ざり具合が何とも言えない優雅な世界を呈してます。
多くの八重桜を見ますが、一般的にはもっと濃いピンクと感じます。この色彩は概して薄いのでとても優しさが感じられます。薄紅色というのがふさわしいです。いつも思うのですが、花木を購入するとき大切なことは開花した時がポイントで、花弁の色彩を必ず確認することが鉄則です。蕾のまま購入し、どんないい花が咲くか期待しても、予想した色彩とは異なることがあります。枝ぶりはもちろん、花の色を確認し、「この木(機)を逃したら同じものには二度と出会えない」気持ちで購入につなげたいものです。それによりその後も大切に育てるでしょう。
いろいろの花木が次から次へと開花する今の季節、一人暮らしの私が楽しんでるだけではもったいないと思います。通りすがりの皆さんに観賞していただけるよう庭先の掲示板に案内を掲げてます。私の家では庭先に門をつけてないので入れるようになってます。それでもあまり観賞される方が少なくもったいないです。垣根を低くしてあるので前の道から見えるからでしょう。
八重桜はこの家に引っ越してきたとき父がどこかで購入してきたのです。倉賀野神社の春のお祭りとも推測しますが、定かでありません。生前に訊いておけばよかったと思います。その頃は1mほどの背丈で、暫くは成長が進みませんでした。
もしかすると周囲の土が硬かったかもしれません。現在は周りの土が踏みしめられない位置に移動したので、根がよく伸びやすいと思われます。また、植物は私たちが考える以上に水を必要とします。八重桜の近くには井戸からくみ上げた水道が引いてあり、これが功を奏しているでしょう。いくら水を与えてもただです。
この写真で花弁が白と薄いピンクに咲き分けてることが分かります。Upしてみてください。なぜ咲き分けるのでしょう。不思議です。
管理として、夏場はややもすると虫に葉を食べられますが、原則的に私は殺虫剤を使いません。人間の身体に悪い気がしてならないです。マスクをしても目に入ったり、どうしても吸いこんでしまいます。
毛虫のようなものが発生したら、枝がかけない程度に棒で叩き落とします。落下した毛虫は元の位置に戻れないです。毎年、夏に毛虫が発生しますが、それほど案ずることはなく、翌年けっこう咲くものです。
ところで、「人間の生涯は短いです。」それに比較し樹木は長生きです。植えた父はこの世にいなくとも、生前植えたことが元で、毎年開花することは誠に神秘です。植物を植えることによって後世の人々の心に平安を与えることは芸術であり、遺作作品といえるでしょう。
今年はショパン生誕200年。彼には生前発表されなかった作品が多くあります。比類なく優しいピアノ曲「ノクターン嬰ハ短調遺作」や「ノクターンハ短調遺作」に、いくら聴いても色あせない永遠性を感じます。
父の生前には大して咲かなかった八重桜も今では見事に咲いてます。音楽以外にも後世へ優しさを伝える遺作があるように思えてなりません。
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コメント
こんばんわ。
八重桜が綺麗ですね。お父様が残してくださった大切な芸術ですね。
こちらも、最寄りの駅へ向かう途中に、八重桜が並んで咲いています。花たちの豊かな表情がとても心を和ませてくれます。
ソメイヨシノが散り、満を持して咲いているかのようで、立派ですね。
こちらは、ベランダで孵化した雛が順調に成長しています。
親鳩や雛を眺めていると、生きていることの尊さをかみしめます。
それでは、失礼します。
投稿: ゆうき | 2010年4月29日 (木) 22時55分
ゆうきさんへ
コメント有難うございます。
当舎のレース鳩たちは現在、トラックに積まれて東北自動車道を北上しています。明日(30日)の朝には青森県・野辺地に到着し、一日現地で餌と水を与えられて過ごします。
予定では5月1日早朝、群馬県高崎市へ向かって500キロレースに飛び立ちます。
投稿: カッキー | 2010年4月29日 (木) 23時05分