« 争点がかすんでる参院選・・取巻く脅威を直視せよ | トップページ | 高齢者の楽しみと海外でも人気ある相撲中継中止 »

2010年7月 7日 (水)

天文学上、2010年の七夕は8月16日(先勝)

 ブログでは右側にあります人気記事ランキング第1位が「七夕」関係になってます。皆さまの七夕への想いが感じられ、拙いブログにアクセスいただき感謝しております。このため、昨年書きましたブログを再度掲載し、併せて今年の特徴を付け加えたいと思います。

 現在の7月7日を七夕にしてしまったのは明治初期の旧暦(太陽太陰暦)から太陽暦への移行時に、今までの7月7日を単純にそのまま七夕としてしまった当時の天文に対する知識や、梅雨の真っ最中になるという気象を配慮しなかった結果であると推測できます。また、沖縄や南西諸島では、7月7日がたとえ晴れていても、主役である織姫星と彦星は東の空に低過ぎて見え難い筈です。

 現在の7月7日より、およそ40~50日遅い時季が旧暦の7月7日にあたり、今年は8月16日です。「たなばた」では7日の夕刻ということが大切です。それは月の満ち欠けの7日目を表わしてます。つまり、7日とはもともと上弦の半月を表わし、北半球では夕刻に右側が輝いてます。(南半球では左側) 

 この月の形が午後8時から10時ころにかけて次第に西の空へと移動し、同時に月の上部が右側へ傾き、あたかも小舟のように見えることがポイントです。現在の7月7日では月の満ち欠けを全く考慮してません。現行(太陽暦7月7日)では満月のこともあれば、月が顔を出さない新月も起こります。今年は明日の未明に月の出ですから、天空に描かれたごとくの江戸時代の大きな絵巻物は見られません。

  これは8月16日の星座表です。主役であるベガ(織姫星)とアルタイル(彦星)は日本上空へと、大変見やすい位置に移動しています。そして南西の空に小舟の形をした半月が天の川を隔てた二つの星を年に1回の会わせる橋渡しをするかのごとく、天空の絵巻として素敵な位置に輝きます。昔の人の発想は何とロマンチックだったのでしょう。

 偶然にも今年はプラスアルファーのおまけつきです。それは南西の地平線すれすれに火星と金星が大接近して、羨ましそうに織姫星ベガと彦星アルタイルを眺めています。その後、火星と金星は(涙ながらに)地平線に沈みます。

 【以下は昨年の文章を多少アレンジして再度掲載します。】

 現在の七夕の時季は地方によって異なり、7月7日、8月7日そして旧暦(太陽太陰暦)の7月7日の3種類のようです。

 この中で天文学的に正しい日と言えば断然旧暦の7月7日でしょう。今年(2009年)は太陽暦(現在の暦)で8月26日です。

 それは「七夕」のいうことば自体が月の満ち欠けによるもので7日目の夕方に由来するからです。この晩の月は必ず上弦(日に日に大きくなる)で北半球では右側が輝く半月です。夕刻6時ころ南にあっても時間と共に西に傾き、明るい部分が次第に下方になってお椀の舟のような形になります。

 七夕は夏の大三角形を成す「ベガ」(琴座の一等星)を織姫星と呼び、それより南に位置する「アルタイル」(ワシ座の明るい星)を彦星あるいは牽牛星といい、この二つの星の間を天の川が流れているように見えます。

 なお、白鳥座の「デネブ」は七夕に関して、二つの星の行動を眺めているだけの可哀想な星ですが、三角関係ではありません。われ関せずとばかり日本上空を白鳥の如く通過します。

 七夕が太陽暦の7月7日では都合の悪いことがあります。それは梅雨の真っ最中で、二つの星はもちろん「天の川」も望めないでしょう。また、この時期では午後8時頃、大三角形は、まだ、東の空の比較的低い位置にあります。(写真1)

 しかし、不都合という点では、もっと大きな理由があるのです。太陽暦の7月7日は二つの星が午後8時頃に東の空にあっても、特に今年2009年は近くに満月が輝いてます。これでは運良く晴れても、星座は見難い状況なのです。

 太陽暦の7月7日を七夕とした場合、月の満ち欠けを一切考慮してません。このため、平地では殆ど毎年、織姫星と彦星そして天の川をはっきり見るチャンスは梅雨であることも含めて難しいと言わざるをえません。

 明治6年に欧米に倣い旧暦から太陽暦に移行したとき、七夕は一般庶民の行事であったためか、太陽暦の7月7日は梅雨の最中になることに気付かず、その上、天文学上、七夕本来の月の満ち欠けを一切考慮しないで、単純に7月7日という月日だけを受け継いだためと考えられます。

 旧暦の7月のことを文月(およそ現在の8月)という由来も「七夕への想い」を詩歌にしたことによると考えられます。それは現在、短冊として残っています。

 江戸時代と同じ天体の状況を考えれば、旧暦の7月7日、今年2009年は8月26日が七夕として好都合となります。西に傾く月の位置がロマンチックな形となり、光度も理想的だからです。

 「七夕のいわれ」については古代中国から入ってきたのでしょう。ある若い男女において【二人の結婚が楽し過ぎて】機を織ることが上手だった織姫は次第にサボり、機を織らなくなりました。また、働き者であった彦星も牛を追わなくなってしまったのです。現在の私にとっては何とも羨ましい限りです。

 このため天帝は怒り、罰として2人を天の川を隔てて引離してしまったのです。2人にとっては互いに遠くに見えるだけのやりきれない日々。しかし、天帝は年に1度だけなら会ってもよいと許しを出したのです。7月7日の夕刻は2人にとってどんなにか嬉しく、まさに天にも昇る気持ちだったでしょう。

 【この写真は昨年2008年12月1日の金星・木星・三日月のランデブーです。イメージは旧暦7月7日の七夕にきっと似てるでしょう。】

 前述の通り、七夕では月の満ち欠けで上弦の7日目が【ミソ】です。西の空に傾いた半月を小舟に見立て、織姫が天の川を渡ったとなると、現代と違って星空がきれいな江戸時代にあっては、天の川の対岸にある二つの星と半月(小舟)を一般庶民は天に描かれた壮大な絵巻と捉えたのでしょう。

 一般庶民は、再会する織姫と彦星の姿を年に一度の大ロマンスと捉え、大空の「矢切りの渡し」に、きっと、現実の我が恋をダブらせ涙したのでしょう。ところで、旧暦の7月7日は毎年必ず先勝です。恋も先手必勝か。

|

« 争点がかすんでる参院選・・取巻く脅威を直視せよ | トップページ | 高齢者の楽しみと海外でも人気ある相撲中継中止 »

天体」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。
私も天文大好きです。
こんな梅雨時期より、旧暦で楽しみたいと思っております。私の日記にもそんなことを今朝書きました。
国立天文台もそのような趣旨でしたよね。
8月の空は素敵ですよね。
流星群もやってきますし、
夏の大三角もありますが、アンタレスも見えるようになりますね。
金星も相変わらず光っています。
私も2008年のにこちゃんマーク覚えています。(笑)
では、では。。

投稿: Private | 2010年7月 7日 (水) 11時05分

Privateさんへ
 遠方(関西ですか?)よりコメントを賜り感謝です。
 私は日々宇宙船・地球号に乗ってる気がしてなりません。
 明治6年、太陽暦に移行するとき当時の国の配慮が足らず、七夕を従来通り単純にそのまま7月7日の日付にしたことが、137年経過した現在でも不都合を引きずっています。
 梅雨空では2つの星はもちろん、天の川も見ることが不可能で、星の位置が低過ぎます。七夕の七である月の満ち欠けが大切と思っています。
 せめて願い事が叶いますように!

投稿: カッキー | 2010年7月 7日 (水) 12時33分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 争点がかすんでる参院選・・取巻く脅威を直視せよ | トップページ | 高齢者の楽しみと海外でも人気ある相撲中継中止 »