« 春彼岸に漂う沈丁花の香り | トップページ | Audi TT Quattroで「妙義ふるさと美術館」へ走る »

2011年3月24日 (木)

地震国日本の発電と八ッ場ダムの新局面

Img_599825_33497499_1  これは群馬県にある佐久発電所のサージタンクです。赤城山山麓にある上流の調整池の高さと、タンクの上部を太いパイプを通じて同じ高さに設定し、大量の水を約150m落下させる水力発電所です。付近は数百本の桜の名所で、4月は多くの人々が訪れる行楽地です。

  群馬県ではこの他、奈良俣ダム(写真)、八木沢ダム、下久保ダム、藤原ダムなど利根川水系の大きなダムで水力発電してます。

 【今回の福島第一原発事故により、群馬県の八ッ場ダムは利水はもちろん、下流域の水害防止である本来の治水目的のほかに、子々孫々の電力不足解消のため、発電機能を高める新局面を迎えることは確かでしょう。】

 昨年、友人Samuel Toddさんとロック・フィールドダムである奈良俣ダムに行きました。ここは有名な尾瀬ヶ原の西方に位置します。ここで利根川上流のマイナスイオンを充分に吸収し、その後、坤六峠経由で紅葉を満喫してきました。下の写真が奈良俣ダムの堤です。

 今回の東北巨大地震の被害状況は23日現在、死者9452人、行方不明者1万4671人、負傷2746人、建物13万1619戸(警察庁のまとめ)という未曽有のもので、これは想定外の巨大津波によると想われます。

 その後、この巨大地震が福島第一原発の事故につながり、放射能汚染という、かつてない重大な危機に至ってます。

 これにより、原発はCO₂を出さないというプラス面のみを強調できなくなり、地震国日本の原発は大きなリスクがあることになりました。

Dscf0128 【写真は建設中の八ッ場ダム湖面の橋、現在は完成している。】 

 ところで、現在、日本の原発は電力需要の約30%を賄ってるといわれ、残り70%の大半は水力発電と火力発電である。

 30%とは1日の電力需要の7時間ほどが原発から供給されてる電気なので、この夏は電力不足が心配され、私たちは節電に努めなくてはなりません。

 すべての原発は例外なく海岸近くに建設されており、近年起きてる大地震の多くも海岸付近です。数年前に起きた新潟中越地震の影響で、今なお刈羽原発は3基が稼働してないといわれます。

 一方、フォーブス誌によると、アジアでは現在多くの原発が稼働し、中国78基、インド4基、韓国28基、台湾8基、ベトナム2基、インドネシア4基、タイ4基といわれます。世界中ではその数はどれほどでしょう。

 私の知る限り、アメリカでは現在104基が稼働し、世界の原発の4分の1を占めています。そして、国内の電力需要の20%を占めています。

 今回の福島第一原発の事故をきっかけに、特にヨーロッパで反原発世論が高まり、イタリアでは原発の再開計画を1年間、凍結を決定といわれ、再開の是非を問う国民投票も延期されたと伝えられてます。

Nesjavellirpowerplant_edit2_2  この写真は火山国アイスランドの地熱発発電所です。日本は有数の火山国であることから、可能であれば地熱発電の研究・実践は将来的に適してると考えます。

 また、新聞によると「宮崎県にこのほど太陽光発電所が完成した」と報道されてます。かつて使われてたリニア―モーターカーの実験線の高架橋に発電パネル約1万2500枚を約3.6キロにわたり並べ、長さは世界一で、発電量は年間120万キロワットとのことです。このように今後は新エネルギーの開発・研究に力を入れるべきでしょう。

 しかしながら、水力発電の推進こそ発電量において莫大であり、子々孫々への贈り物となります。加えてCO₂を排出せず、緑の地球環境の維持につながります。現在のままでは日本全体が慢性的な電力不足時代へ突入します。

 八ッ場ダムは後方に浅間山、四阿山、草津白根山が控えており(私はすべて登頂しました。)、大型台風時に流れ出る水量は莫大なもの。群馬県など関東地方を襲ったカスリーン台風の人的被害は歴史が真実を教えてます。大型台風は近未来に必ず来襲します。

 地球温暖化による悪影響が叫ばれ、長期間によるタイの洪水、フィリピン・ルソン島における未曽有の台風被害と近年の水害は巨大になりつつあります。

 人口が集中する関東の広大な下流域の危険性が大いに指摘でき、これを未然に回避することこそ現在生きてる人間の役目です。

 今回の東日本大震災は津波による大水害の恐ろしさ、及び原発の恐怖を人類に再確認させました。利水・治水のみならず、発電量の増加に有効となる八ッ場ダム建設は遅きに失した感があります。

|

« 春彼岸に漂う沈丁花の香り | トップページ | Audi TT Quattroで「妙義ふるさと美術館」へ走る »

発電所」カテゴリの記事

コメント

ヤンバダム。
やはり、完成すべきでしょう。
反対する人の気持ちもわかりますが、まず今年の夏、クーラーは我慢してください。

投稿: ioutou | 2011年4月 8日 (金) 15時54分

ioutouさまへ
 コメントに感謝いたします。
これからの長い日本の未来を考えると、放射能の恐怖の絶対ない安全安心こそ、子々孫々への最大の贈り物です。これは今の日本がしておかねばなりません。
 仰せの通り、この夏はお互いクーラーは我慢しましょう。
 それから、電気はこまめに消しただけでも、何千万人が実践すれば、相当の節電効果があるのではないでしょうか。
 

投稿: カッキー | 2011年4月 8日 (金) 17時41分

 ダム=水力発電というイメージがあり、確かに群馬県内の利根川水系の多くのダムは水力発電に大いに貢献していますが、八ッ場ダムはもともと発電を目的としたダムではありません。
 八ッ場ダムが建設される予定の吾妻川には、すでに多くの発電所があり、八ッ場ダムに貯水するためにはこれらの水力発電に使っていた吾妻川の水利権を東京電力から戻してもらわなければなりません。
 こうした批判をかわすためか、2008年の計画変更により、八ッ場ダム事業ではダム直下に群馬県営発電所を設置することになりました。けれどもこの従属発電によって生み出される小さな発電量は少なく、先日、朝日新聞に掲載された記事にありますように、八ッ場ダムによって発電量はむしろ減少します。↓
http://mytown.asahi.com/gunma/news.php?k_id=10000581105110001
ダム湖貯水で水量減少 水力発電能力は低下

投稿: 八ッ場あしたの会 | 2011年5月13日 (金) 10時20分

八ッ場あしたの会の方へ
 コメント有難うございます。文責上、個人名あるいはハンドルネームでお願いいたします。
 今回の巨大地震では地震そのものの他、【想定外の】巨大津波により多大の被災者と未曽有の犠牲者が出ました。
 津波は50年、100年単位で私たち人間の予想を越えた高さに達っすることが世界中の人々に理解できました。
 津波はもとより、河川においても同様です。特に日本一の流域面積を持つ利根川の中流域・下流域には地球温暖化に伴って、今後堤防の高さを越える水量が溢れ出る想定外の雨量が起こりえます。歴史が示すように、河川の氾濫も津波同様、多くの犠牲者に結びつきます。
 子々孫々が不幸にならず、絶対的な安全安心を整えておくのが現在生きてる日本人の役目です。
 ところで、事実関係について、水力発電に使用した水はそこで消費するものではありません。使用後すべて下流へ流れるので、上流にダムができても、原則的に下流の水量は変わりません。
 私が現地を見学した範囲では、利根川上流の八木沢ダム~奈良俣ダム~藤原ダム~佐久発電所の調整池では、それぞれは常に満々と水を蓄えており、「上流にダムができると下流が水量減少」は当りません。及び、大雨の場合は貯水し、一度に流しません。
 一方、原発は「作った人間がそれを壊せない状況が続いており、危険この上ありません。」いつ収束するか見当がつかないどころか、益々危険に向かってるとも考えられます。
 個人的には子々孫々の未来の安心安全のために、今後の発電の主力は水力に切り替えるべきと考えてます。
 電力が不足する現状と未来を鑑み、八ッ場ダムが多目的ダムとして、【国会での論議が今までとは変化し】、新局面を迎える方向になると考えてます。

投稿: カッキー | 2011年5月13日 (金) 15時18分

>私が現地を見学した範囲では、利根川上流の八木沢ダム~奈良俣ダム~藤原ダム~佐久発電所の調整池では、それぞれは常に満々と水を蓄えており、「上流にダムができると下流が水量減少」は当りません。

利根川上流部の発電所の水の経路と、
吾妻川中流部の発電所の水の経路は
全く違いますよw

電力不足の今だからこそ、エセ多目的ダムの
着工は中止し、本当に水力発電が可能なダム建建造に費用を回すべきだと思います。
八ッ場ダムの建造費で、まともな水力発電用ダムが数ヵ所作れます。

投稿: 通りすがりの脱原発右派 | 2011年7月14日 (木) 10時10分

通りすがりの脱原発派さんへ
 個人名かハンドルネームでの投稿をお願いします。
「利根川上流部の発電所の水の経路と、
吾妻川中流部の発電所の水の経路は
全く違いますよw」
1、これについては・・・佐久発電所の少し上流ですべて合流します。
2、エセ多目的ダムとの表現は正しくありません。
3、震災による原発事故以来、八ッ場ダムについては現在、国による論議が止まってます。ある程度収束が認識できた暁には、再開され、今までと方向の異なる論議が期待できるでしょう。
利根川中流域の氾濫可能地域を見学してきましたが、戦後のカスリーン台風水害後、素晴らしい堤防が築かれてます。当時は東京も洪水になりました。
しかし、自然災害は今回の津波同様、人間の想定外の規模が起こりうるのです。未然に防ぐのは今生きてる人間の役目です。


投稿: カッキー | 2011年7月14日 (木) 11時32分

3年前とはいえ的確な評価をしていて良い記事だと思います。

昨今のゲリラ豪雨を考慮すると自然森林による天然のダムでは洪水を防げないことや、水不足による不便さなども考慮しないとなりませんね。

投稿: 太陽風の家 | 2014年10月26日 (日) 22時54分

この記事は3年半ほど以前のものです。現在は八ッ場ダム周囲の移転もかなり進んでいます。先日も、見学に行ってきました。吾妻線も高い位置にでき、新駅もできました。吾妻川の両サイドの高台に民家もかなりできてます。いよいよダム本体工事も始まります。

投稿: カッキー | 2014年10月27日 (月) 00時57分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 春彼岸に漂う沈丁花の香り | トップページ | Audi TT Quattroで「妙義ふるさと美術館」へ走る »