春彼岸に漂う沈丁花の香り
今日は春分の日で彼岸の中日です。この日の地球を公転軌道上の動きとして捉えると太陽黄経0°です。今まで南半球を通っていた太陽が赤道上空を通過します。
それは夜間に見えるオリオン座の三つ星の最も西の星Mintaka=(アラビア語で巨人のベルトの意味)の高さです。
一年中、真東から昇り、真西に沈むMintaka同様、本日の太陽は真東から昇り、真西に沈みます。厳密に言うと日本時間では午前8時21分の瞬間が春分点です。このため、日本では春分の日が21日でも北米や南米では20日となります。
春分の日は昼と夜の長さが同じ筈でも、太陽は見かけ上、星のように小さくないので、水平線あるいは地平線に太陽の上部が見えた瞬間を日の出とし、同様に太陽の上部が沈んだ瞬間を日の入りと定義してるので、計測するとどうしても昼の時間が長くなります。
太陽の中心点で日の出・日の入り考えれば、春分の日の昼と夜の長さはほぼ同じでしょう。私の調査によると、4日前の3月17日の昼夜の時間がそれぞれ約12時間00分となってます。
春分の日は春彼岸なので、先程、菩提寺である近くの九品寺へ墓参に行ってきました。菩提寺は現在、改築中で木造の骨組がすでに出来上がり、建物として大きいので完成予定は今年の年末とのことです。
築150年程はその間、風雨や地震に耐えながら先祖を見守り続け、倉賀野町の中央に聳え、私たち子孫の心に安らぎを与えてくれました。
ところで、墓参には花を手向けます。私はできる限り庭に咲いてる草花を持参するようにしてます。しかし、今の時季は意外と花が少ないです。それでも、スイセンが開花してるので、写真の沈丁花とともに手向けました。
沈丁花の特徴は強い香りにあります。室内に飾ると家中が香りに包まれ、気持ちが満ち足ります。これは正月に咲く蝋梅や9月に咲く金木犀と同様で、これらも必ず室内に飾り、寂しい一人暮らしの生活に潤いを与えてくれます。
私の名前は男性としては珍しく「香」がついてます。このことからでしょうか、香り漂う環境はとても好きです。
現在、庭には花梅が満開です。蜜を吸いに来るメジロや鶯とともに梅の香りを味わってます。
沈丁花は中国南部の原産といわれ、中国語で瑞香(ルィーシャン)といいます。室町時代に輸入されたと伝えられ、すっかり日本の地に馴染んでいる植物といえます。蕾は濃紅色できれいです。開花すると淡紅色に変わります。開花は写真のよう手毬のようです。
沈丁花を表す英語のdaphneはギリシャ神話の女神Daphneに由来するといわれ、花ことばは「栄光」「不滅」です。
沈丁花が春彼岸に合わせて咲くのは太陽の動きや日照時間に敏感に反応してるのでしょう。
庭の入り口に咲いてる沈丁花は特徴ある香りで人を誘うかの如くです。果たして魅惑的な香りに誘導され新たな来客は見えるでしょうか。
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