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2011年5月 5日 (木)

懐かしいインドが蘇った美術展

 インドの人々やインドの風景をテーマにした絵画展に行ってきました。群馬県安中市の「ギャラリーくぼにわ」で開催されてる洋画家・北村真氏の新作45点の絵の一点一点に、私は眠りかけていた若き日が蘇りました。

 学校卒業と同時に就職したカルカッタ日本人学校に勤務した若き日、強烈に目に焼きついたインド人の風習や街角の光景に驚いたものであっても、現地で日々生活してるとそれが当たり前のようになり、当時、若かったこともあり次第に日本のことを忘れかけてくる現象がありました。

 一方、現在でも一日としてインド滞在中の生活を忘れることはなくても、当時、強烈であった印象は次第に遠のいてるという現実もあります。

 ところが、今回の絵画の数々に滲み出てる人々の顔のつくりや、その哲学的表情とともに色彩豊かな民族衣装、そしてインド人ならではの動作の数々が余すところ描かれてる北村氏の一枚一枚の絵画に私は青春時代が蘇り、氏の緻密な表現と色彩感覚に深い感銘を受けました。

 常に動物と生活を共にする彼らは神聖な白い牛をはじめとして、ラクダやヤギ、クジャク、鳩とともに日々があり、一枚目の絵はオールドデリーに戯れる鳩と美しい女性で、この絵に私は最も深い感動を覚えます。私の家にはインドの品々が飾ってある「インドの間」がありますが、ここに飾りたくなったほどです。

 左隅のヴイクトリアメモリアルの建物の絵は当時の私が描いたものです。これはカルカッタにある英国ヴィクトリア時代の博物館で、日曜日に境内で描いていたら、インドの人たちが黒山のように集まり、絵が素人である私は恥ずかしくても逃げられない状況になってしまいました。初めて味わう注目された状況にあっても暫しの間、我慢して描き続けた思い出があります。

 ところで、日々レース鳩を飼育してる私にとって、鳩は生活の一部であり、それはインドに由来します。

 1枚目の絵は子供のころ紙芝居で知った「お釈迦さまと鳩」という物語を彷彿させるもので、それ以来50年以上にわたり鳩を飼育し続けているのも、インドが関係してるといえます。その後、縁あってインド滞在となり、私の人生とインドは掛けがいない繋がりとなってます。

 北村氏とは「ギャラリーくぼにわ」で初めてお目にかかりましたが、ご挨拶を申し上げたところ、快く応じて下さり、丁寧な応対に感銘しました。氏は幾度となくインドを訪問され、インド各地で個展を開かれたそうでこれも驚きですが、私とはインドという共通点のほかに彼の高校の母校に私が勤務してたことも分かり、初めてお目にかかっても、深いつながりを感じました。

P1010912  この絵の女性もそうですが、インド女性は何かするとき座りこむ習慣があり、この姿も懐かしいです。物を食べるとき手のひらを上にして何度も握り、ほどよく柔らかくなると口に運びます。これは日本女性が行わない仕草で身体はかなり柔軟でしょう。ヨガの国ならではの特徴と言えるかもしれません。

 街角でスペースがあれば店を広げ、ネックレスや宝石など売ってる光景に当時が甦ります。私はイエケトナパイサと言って値段を訊くことはよくありました。このような雰囲気ではヒンズー語が口から出てきます。

 この顔立ちに民族の歴史的な交流を感じます。滞在2年目の時、インド北部のカシミールで新年を迎えたことがあります。ここは多民族による東西交流の地点でシルクロードの南寄りです。このため、顔立ちが東洋系・インド系・中近東系、東欧系、ロシア系の混ざった風貌をしており、特に男性の鼻は作って付けたかのように大きいです。

 ここは雪が降る世界の屋根の一角スリナガールの町。当時、私は日向ぼっこしている数人の彼らに「なぜ鼻がそのように長く大きいのか」と尋ねたことがありました。そしたら冗談かどうかは分かりませんが、毎日鼻を持って伸ばしてるというのです。私はカルカッタに帰ってから彼らの言った通り、毎日鼻を引っ張っりましたら、1週間ほどして鼻血が出たことがあります。それでも、まんざら冗談ではなさそうで、少しは効果があったように思います。

 同様に氏の描かれたこのスーりャ寺院はオリッサ州プリ―の海岸近くにあり、寺院全体が移動できるかの如く、大きな車輪が土台近くにたくさん彫刻されています。当時、この寺院を見たとき私はあるいは日本の祭りの山車の起源はここではないかと感じました。カトマンズでは山車の本物を見たことがあります。

 これは南インド・マドラス近くのベンガル湾の海岸に建つショア―テンプルで何百年間も海風に耐え抜いています。私はこのベンガル湾で海水浴をしたことが思い出されました。

 今回、この絵画展が地元紙に紹介され、読んですぐに訪れましたが、懐かしい時間が持てました。北村氏には感謝するとともに、「世の中には共通するものを持ってる人がいるものだ」とつくづく人間の神秘を感じました。

 絵画は氏の許可をいただき、ブログに掲載させていただきました。  

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