2011年の七夕は天文学的に8月6日の上弦の月
この月は2011年8月6日午後9時頃、このように傾くと考えられる上弦の月で右下が輝いてます。このように右下が輝くのは日本など北半球から見た場合です。
一方、同じ日にオーストラリアや南アフリカ連邦など南半球で見た場合は下のように左下が輝いて見え、同じ月でも眺める位置よってその姿が異なることは誠に神秘です。 同様に、同じ日に南インドなど赤道に近い国々での月の入りはほぼ下のような形です。これはインド滞在中に見たことがあります。
北半球、南半球、赤道近くで見ても、月の入りでは弓の弦にあたる部分が上なので上弦の月に変わりありません。
因みに下弦の月は西の空に沈むとき、弓の弦にあたる部分が下側になりますが、実際には、下弦の月の月の入りを確認することは難しいです。それは太陽光に邪魔されるからです。上弦の月の月の入りは確認できます。太陽が先に沈むからです。
この「上弦の月」「下弦の月」という言い方については、中国から来た言葉と考えられます。中国語の辞書に掲載されてます。七夕の起源も中国と考えられます。
現在でも内モンゴルなど中国内陸部では陰暦で生活してる地区があり、今年の正月は日本の2月3日でした。これは内モンゴルからの留学生の話です。
ところで、七夕は星の祭りであっても、七夕の七は星ではなく、月の七日目を表し、夕は夕刻を表わします。
このため、七夕の祭りは太陽太陰暦【旧歴】の七月七日の夕刻ということになります。旧暦の七月になれば、この時季の午後9時頃には天の川に隔てられた「わし座」の彦星【アルタイル】と、「こと座」の織姫星【ベガ】が日本では見やすい位置に来ます。
因みに織姫星ベガは宮城県・気仙沼市~山形県・酒田市のほぼ真上を通過します。彦星はフィリピンのミンダナオ島~スリランカ上空を通過します。
仙台では毎年8月7日が七夕です。織姫星ベガが震災に遭われた地域のほぼ真上を通過することもあり、短冊に託した復興の願いを叶えてほしいものです。
七夕が現在の暦の7月7日では早過ぎることはもちろん、これでは月の満ち欠けが七日目とは限りません。それに加え、この時季は梅雨の終わりで星を見ることが毎年難しいです。
七夕だけは旧暦で祝ってこそ本来の七の意味があるでしょう。今年の8月6日は北半球では月が午後9時以降、西南の空に一番上の写真のように傾き、あたかも、お椀の舟のようだからです。この船に乗り天の川を渡って、彦星と織姫星が1年に一度会えるとは、今も昔も男女の逢引きほど待遠しく情熱的なものなさそうです。 私も肖りたい。
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