樹齢推定100年のオオムラサキツツジを移植
写真は輪郭がはっきりしませんが、手前が樹高2mほどのオオムラサキツツジです。生前、父がどこからか仕入れてきたもので、毎年5月に庭先で咲きます。
ところが、次第に塀から外の道にはみ出たり、樹形を観賞するには少し塀から離した方がよいと思い、先日、苦労して今までより1mほど離し、道から眺めて丁度よい位置に植え替えました。
これが2~3年前に撮った開花です。オオムラサキツツジの中ではうすい紫です。調べてみると、原産地は不明で古くから日本に分布していたと考えられます。オオムラサキツツジは江戸時代に改良が進み種類が多いようです。庭にも2種類あります。
実はこれを移植するには覚悟をしてました。周囲を掘るのが並大抵ではないからです。根回りは直径80㎝ほどでたくさんの土がついており、ちょっとやそっとではビクとも動きません。土を含んだ全体の目方は推定100キロです。
2時間ほどかけ休み休みで周りから深く掘り下げ、タックルして思いっ切り横に押したらやっと少し動きました。腰を痛めないように足を踏ん張って押し倒しました。こんなことでも、1つの段階がクリアーできるととホッとするものです。根を傷めず周囲を大きく掘るのには骨が折れます。
1mほどの距離に移植するにも少しづづの移動です。それにしても重いです。どうにか目的の場所に移動でき、北側と南側を逆にし、その後、四方から立ち姿を眺め、バランスある納得した姿で決めました。後は水やりです。
根に付いてる土がたくさんあるので移植によって枯れることはないでしょう。すぐに水をたっぷり与えました。
ご覧の通り、葉も生き生きしてます。これは東側から見たものですが、道側の南から見ると樹形はとてもいいです。
回りの樹木とも接触せず、道にもはみでず、私が生きてる間は自由に枝が伸ばせ開花につながるでしょう。来年の5月が楽しみです。なお、この後、鶏糞を施しました。
拙い経験ではこの肥料が花木にとても即効性があり、この場所ならどんなに成長しても大丈夫で見事になることを期待してます。数年前、埼玉県花木流通センターで樹高3m以上ある巨大なオオムラサキツツジを見たときは感銘しました。
ところで、今のシーズンは金木犀が芳香を放ちに庭いっぱいに香りが漂ってます。英語名fragrant oliveと言うだけあって、オリーブの一種なのでしょう。
枝を切って室内に入れれば香りは家中に広がります。私の名前は男性にしては珍しく「香」がついてるので、一際この樹木を身近に感じます。人間としても香りある生き方をしたいものですが、まだまだ修行が足りません。
資料によると、金木犀は江戸時代に中国から渡来したようです。中国語では丹桂(チンクイ)と言うので、なぜ日本の金木犀と異なるのでしょう。輸入して400~500年で日本の至る所に分布してるとは誠に不思議です。
ところで、私たちの祖先は漢字・漢語を中国から移入し、わが国の思想、文学、芸術、道徳、制度など広範にわたって文化を培養し発展させてきましたが、私は現在日本に分布する植物の渡来の歴史にすごく興味があります。多くの植物は大陸からと推測され、とりわけ、果物、野菜はいつ渡来したか、その時期に興味があります。もちろん、日本古来からの物も多くあるでしょう。
中国からたくさんの学問や文物を輸入した7世紀の遣隋使、8世紀の遣唐使はもちろん、それ以前の5世紀に始まる渡来人によるもの、教科書には出てこない民間の往来によるのではないかと推測してます。
オオムラサキツツジの隣にザクロの実がぶら下がってます。ザクロはペルシャ(現在のイラン)、トルコが原産地らしく、中国に渡り、後に日本へ来たと考えられます。中国では柘榴(シーリウ)と書き、祖先は日本風にタクリュウと発音し次第にザクロになったようです。
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