羽色が幸いし鷹から逃げ切れた「シンクロ二世号」
今朝の舎外後、10時ころ鷹が鳩舎の展望台付近に飛来し、外で遊んでいた「シンクロ2世号」をめざし襲いかかりました。写真の鳩たちがすべて入舎した後のことです。
この展望台の上にいた「シンクロ二世号」は裏の方へ逃げましたが、その後を鷹は猛スピードで執拗に追跡しました。
途端にカラスの集団が鷹を目がけ真っ逆さまに立ち向かい、もしかしてシンクロなので仲間が襲われたと勘違いしたのかもしれません。現場は家に隠れて見えません。30秒ほどして再度飛び出した鷹は鳩を捕獲した様子はなく、2~3羽のカラスに追われ遠くへ飛んで行きました。
その後、私は近所の家の草むらなどを隈なく探しても、「シンクロ2世号」の姿はありません。「もうだめか」との思いになりました。
急襲だったので私も驚きましたが、猛禽は大きく褐色でかなり小回りが利くようです。鳩をいくら探しても、見つからず、羽が抜けた形跡もなく、怪我してどこかにうずくまっているのかと思い、数回行ったり来たりで探しても見当たらず「武器を持たない鳩の運命か」と諦め、私は用事があり、後ろ髪を引かれる思いで外出しました。
帰宅し、それでも、「ボッとしているかな」と期待し鳩舎に行ってみたら、「シンクロ2世号」が何もなかったような顔をしているのです。餌を与えようとすると近寄って来ました。
間一髪、鷹の爪に襲われず、夢中で遠方へ逃げ切れたのです。私は「シンクロ2世号」を抱き、「良かったね。良く逃げたね。」と頭を数回撫でてあげました。全く怪我はありません。来春の北海道・長距離レース期待の星なのです。
実は、この2週間、鳩舎近くに鷹が3回来襲し1羽は爪が内臓まで達し、短い命が終わりました。2羽目は追われて樹木に墜落する際、腹部を傷め血が出ていましたが、5日ほど舎外を休ませたら運よく回復し、今では普通に舎外できるようになりました。青森県から500Kを帰還した記録鳩で、やはり、来春は北海道からのレースをめざす予定です。
今回の「シンクロ2世号」は完全に獲られたか、と思いましたが、私が思うに逃げ切れたのは比較的小さい鳩で、常に動きが俊敏だったからではないかと思います。
鷹にして見れば、大きめの鳩に狙いが定めやすく、今回は他の鳩がいなかったので「シンクロ二世号」がターゲットになりました。
前述のように、「シンクロ2世号」が本当に真っ黒なので、あるいはカラスは仲間がやられたのかと思って、鷹に威嚇や攻撃をしたようです。カラスが嘴から真っ逆さまに鷹を目がけ攻撃しました。カラスも命がけの突撃です。
この点、今回は羽色がシンクロであったことが幸いしたかもしれまん。
こちらが羽幌900キロ翌日帰還のシンクロ号です。1994年生まれで現在17才♂です。まだ血が入り、「シンクロ2世号」の父です。現在、交配鳩としてシンクロのメスを探しています。系統はアメリカ・フランクキタ鳩舎のブラックイーグル系で、どうしても子孫を残したいです。
レースマンは羽色に拘ってはなりませんが、私は子供の頃からシンクロに魅力を感じ、それは50年以上経過した現在でも変わりません。
また、今回の体験からも、概して黒に近い鳩の方が鷹の犠牲になり難いのかなと感じてます。また、小さい鳩の方が猛禽に対してもいいように思います。出来るだけ小型ですばしっこい鳩の作出を目標にするつもりです。一般的に母親が大きいと卵も大きく、大きな鳩になるようです。
しかし、広い日本。北海道のデカ橋鳩舎によると北海道では積雪が多く、概して白い鳩の方が保護色となり、猛禽に対して黒系統より有利とのことです。
一方、管理面では夕方の餌の量を少なめにするのがいいと思います。翌朝の舎外後の入舎がよくなる傾向にあるからです。レース鳩が屋根や電線で遊んでいる癖は厳禁で、レース本番でマイナスとなり、舎外や訓練の飛翔以外は鳩舎内にいるように躾なくてはなりません。
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