冬の夜空に広がる巨大なダイヤモンド
【冬の星座】 堀内敬三作詞・ヘイス 作曲
1、木枯らし途絶えて さゆる空より
地上に降りしく くすしき光よ
ものみな憩える しじまの中に
きらめき揺れつつ 星座はめぐる
2、ほのぼの明かりて 流るる銀河
オリオン舞い立ち スバルはさざめく
無窮をゆびさす 北斗の針と
きらめき揺れつつ 星座はめぐる
今の時期、夜間は寒くても星座がよく見える季節です。冬の星座で分かりやすいのは北斗七星やオリオン座ですが、この他の有名な冬の星座を把握するには「冬の六角形」に気づくと分かりやすいです。
写真の上に輝く一等星「カペラ」から右まわりに、巨大な六角形が分かるでしょう。冬の三角形も大きいですが、それよりずっと大きい六角形を認識すると、冬の星座の全体像を把握できたように感じ、不思議な楽しさがあります。
冬の星座は午後11時頃の木枯らし途絶える頃に眺めるのがチャンスです。周囲に光があまりない所では、天空を覆う巨大なダイアモンドの形をした六角形は、すべて明るい一等星、あるいはそれ以上です。
カペラは「ぎょしゃ」の星で赤緯45度にあり、日本では真夜中に稚内市上空を通過します。ですから多くの日本の方々にとっては少し北に見えることになります。
これより右のアルデバランはおひつじ座にあり、赤緯16度なのでフィリピン上空を通過です。リゲルは有名なオリオン座の一角をも形成してます。
そして最も下に最も光輝く星が大いぬ座のシリウスです。全天で太陽に次ぐ明るさで-1.5等星です。先日もブログでお伝えしましたが、除夜の鐘が鳴ってるとき真南に輝きますのでご覧ください。
この瞬間は太陽とシリウスを結ぶ太い線に公転中の地球が差し掛かってるときです。シリウスが真南に来たとき一月一日になるのは各国共通で、1年の最初の日である一月一日は天文学上、大いに意味があると私は考えてます。シリウスの赤緯は-16度なので、オーストラリア北部やブラジルの真上を横切ります。
プロキオンはこいぬ座にあり、同時に「冬の第三角形」を形成します。そして、左上がポルックスで双子座です。
これらの明るい星を結んでできる巨大な六角形が見つかると、冬の星座にますます興味が湧きます。
ところで、アルデバランの右にスバル星団が輝きます。子供の頃の私はほとんど頭上に輝くこの星の固まりを見て不思議に思ったものです。あの星たちは何故、固まってるのだろうと誠に神秘に感じました。スバル星団は石垣島や、宮古島の真上を通過します。
このようにあの星の真下はどこであるかを調べると楽しいものです。それは赤緯を調べると分かり、現地では真上になります。北極星は常に北極上空に位置しても、他の星は一定の緯度を保ちながら一日一回世界を通過し、毎日約1度【360/365.2422】ずつ西へ移動します。
ところで、写真の下にあるカノープスは北半球の日本では今の季節だけで、関東地方以南で水平線や、高い山でやっと見える可能性があります。カノープスを生涯に見られるのは限られた人だけでしょう。何せ赤緯-52度のため、南米最南端マゼラン海峡の真上を通過する星だからです。
カノープスの正式な赤緯は-52°41′45″なので、計算すると90°-「52°41′45″」=北緯37°18′15″となり、理論上、日本では福島県南部以南で見える筈ですが、実際は山があり難しく、関東以南なら地平線や水平線すれすれに見えるでしょう。
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