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2011年12月15日 (木)

月食のとき、日本にいながら外国が見えるようだ

 私は天文学者ではありませんが、月食を見ながらあれこれ考えてみました。

 今回、多くの国々で観測された皆既月食は、日本全国でも12月10日午後9時40分前後から11日未明にかけて見えました。

 月食の現象は多く起こりません。次回は2014年10月と計算されてます。月食が起こるのは太陽ー地球ー月が直線に並ぶ時で、従って満月のときです。それでも、なかなか全くの直線に並ばないので、月食の起こる頻度は少ないです。

 月食が起こるのはonce in a blue moon(ごくまれ)といえます。

2209  上の写真では地球の弧の影がぼんやりしてます。これは本影と半影の境だからでしょう。月面に写る弧は地球のある地域の地平線や水平線です。

 もっと深く考えると、月食の前半では月面の弧は地球のある地域の日没の所です。画像の時刻は日本時間午後10時過ぎですから、日没時刻である午後5時頃の地域の経度は(5時間×15°)で75度ほど日本より西です。その場所は東経60°付近で、地域はウラル山脈からイラン高原、アラビア海、そしてインド洋南部と考えられます。

 私たちは日本にいながら、これらの地域の地平線や水平線の影を見ることになります。

 同様にして、皆既月食終了後である月食の後半に地球の影によってできる弧は日の出に当たる地域でしょう。それは地球の自転が反時計回りだからです。

 写真は日本時間午前0時頃なので、北半球で日の出に当たる地域は日本より7時間早く、経度にして日本より(7×15°)約105°ほど東となります。この地域は西経120°付近なので、アメリカ西海岸や西太平洋の影と考えられます。

 月食とは、日本にいながら私たちは外国の影が見える貴重な時と言えるでしょう。【いつの日かチャンスがあれば日本の地平線が月面に写ることも考えられます。】それは日本が日の出時であったり日没時に起こる月食のときです。

 一方、月食のとき、月と地球の大きさを見て比べられますね。 下の写真の右側の黒い部分が地球ですから、目見当で、地球の直径は月の直径の3倍ほどに見えますね。

 月面にできる地球の影は実物の地球より少し小さくなるでしょう。

 地球から月までの平均距離は約38万Kmで、地球から太陽までの距離は一天文単位といわれ約1億5000万kmです。その距離差は約400倍です。このため月の表面にできる地球の影は多少小さくなるでしょう。

 実際は、地球の直径が約12754Kmで、月の直径が3476kmほどと計算されてるので、地球の直径は月の直径の約3.7倍ほどになります。このように、月食を眺めながらいろいろ想像するのは楽しいことです。

 ところで、2012年5月21日は多くの人にとって生涯に一度、金環食が見られる日です。南九州から太平洋沿岸にかけて見られ、東京では全くの金環食と計算されてます。この日に合わせ、ダイアモンドリングを贈られる女性はきっと幸せになるでしょう。

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