火山噴火で埋没~嬬恋村とポンペイが友好都市に
地元紙・上毛新聞によれば、火山災害として共通の歴史を持つ イタリア・ポンペイ市と群馬県・嬬恋村が友好都市提携への第一歩を踏み出したと伝えてます。
私の家から雄姿が望める浅間山(2560m)は天明3年(1783年)に大噴火を起こし、火口から噴出した熱泥流は山麓の嬬恋村・旧・鎌原村(かんばらむら)の118戸を飲み込みました。現在でも、埋没したままの家が相当数あるとされてます。
現在、群馬・長野県境に聳える浅間山は雪に覆われてますが、日本における有数の活火山で、時折、噴煙をたなびかせてます。群馬県は自然災害が少ない県ですが、浅間山だけは未来永劫、防災対策が必要といえます。
若き日から浅間山に興味を抱いてた私は、活火山であるにもかかわらず、頂上へ5回登りました。頂上からの眺望は素晴らしく、富士が一層雄大に高く、関東平野を大きく蛇行する利根川の流れや、北アルプスの連なりが手に取るように見えました。
初めての登頂では小雨の中を登り、標高2000メートルを超えた付近から急に雲海の上に出て、それは正にcloud nineの心境でした。その中にあって硫黄の煙が漂う火口は巨大な蟻地獄のようで、柵もなく飲み込まれそうでした。
この浅間山が今から229年前、大噴火し、山麓の旧・鎌原村を飲み込み、辛うじて高台の観音堂に辿り着いた住民は僅かに93人と伝えられ、階段を登る途中で泥流に飲み込まれた女性と推測される人骨が30年ほど前に発掘されました。村の人口の8割以上が熱泥流に飲み込まれ、犠牲者は474人といわれます。
やがて一連の噴火が収まり、熱泥流は冷えて固まり、すべてを失った集落が落ち着きを取り戻してから、村では生き残った男女が互いに再婚したりして、鎌原村の再建に取り組み、229年経過した現在は当時の子孫に当たる方々が平和に暮らしてます。
一方、こちらはイタリアのベスビオス=Vesuvius火山で西暦79年の大噴火により山麓のポンペイが埋没したことは余りにも有名です。18世紀の発掘調査により昔の街並みが現れ、当時の暮らしぶりをそのまま伝える遺跡として現在、世界遺産に登録されてます。
ベスビオス火山の火口は浅間山の火口にそっくりで巨大です。この火口から噴火した想像を絶する熱泥流や火山灰が、ポンペイの町を埋め尽くしました。私は浅間山の火口をこの目で見たので、ベスビオス火山と浅間山の火口は誠に酷似してると思います。
嬬恋村は以前から、キャベツの産地として有名です。一方、伝統的に著名なスケート選手を輩出する村としも知られてます。それに加え、近年、大自然の中で愛を叫ぶ「愛妻の丘」が建設され全国的に有名になりました。以前に一人で訪れましたが、近未来は一人でなく、真の愛を叫んでみたいです。
ポンペイ市と嬬恋村は、この度の姉妹都市提携に向けて、すでに行われてる相互訪問がより一層活発化し、歴史や観光、文化面での人的交流が密になるでしょう。嬬恋村ではポンペイに桜を贈呈したり、児童生徒の絵画の交換を検討してるようです。
ベスビオス火山の大噴火により埋没したポンペイと、浅間山の大噴火によって埋没したう嬬恋村は、歴史的な火山災害を共通項として友好都市になります。これは世界的に珍しいでしょう。
群馬県にはこの他、子持山山麓に黒井峯遺跡があります。ここも集落が埋没したままになってます。7世紀頃、榛名山系・二ッ岳による大噴火があり、一つの集落がほとんど埋没し、近年その一部が発掘されましたが、現在でも多くの家が埋没したままといわれます。
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コメント
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とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿: 投資の勉強 | 2012年11月12日 (月) 06時12分
投資の勉強さま
アクセスとコメント有難うございます。
1783年の事実を知ると群馬県には浅間山の噴火が今後も懸念されてます。津波こそない県ですが、自然災害はいつ起こるか分かりません。
このことは、まるで、投資と同じで安定し良いことが続くことを望みますが、今回、オバマ氏の勝利で急落しています。
しかし、近未来にアメリカの経済活動が良くなれば、後に円安・ドル高となり、日本の景気のみならず、世界経済が上向くと観ています。
拙いブログの記事は1000近くになってます。これからも広いカテゴリーに挑戦いたします。今後もアクセスとコメントをお待ちしております。
投稿: カッキー | 2012年11月12日 (月) 08時06分