« 2012年8月 | トップページ | 2012年10月 »

2012年9月

2012年9月27日 (木)

嬉しいミカンの季節到来・・・ビタミンの補給に最適

P1020818  一般的に、「果物や野菜を多く摂ることは身体に良い」と耳にしますが、私はこれは正しいと思ってません。

 野菜は、いろいろの種類を多めに摂取すべきであっても、意外と思われるかもしれませんが、果物はたくさん食べない方が賢明と考えてます。

 果物が美味しいとは、要するに「甘いこと」を指します。「果物は甘くなければ美味しいとは言わない」です。甘さは糖分なので体内に蓄積され過ぎると良くないと考えます。

 甘い果物をいつも食べ、運動不足がちの場合、「糖尿=diabetesに繋がるのではなか」と感じてます。

 その点、野菜には果物のような甘さがなく、ビタミンや繊維類が豊富で、腸壁を刺激する効用があります。

 ところで、先日、八百屋さんの店頭で一山500円の小さなミカンが目につき、珍しく衝動買いしました。ミカンはクエン酸やビタミンCの宝庫といわれ、昔は薄皮は食べませんでしたが、最近は薄皮も食べられるので、繊維類としていいです。

 写真のように原種に近いものは敬遠されがちですが、凄く甘いということはなく、適度に酸味があり、栄養が丸ごと体内に入り体調にプラスになると思ってます。

 理由はビタミンを含有するからです。ご存じの通り、ビタミンはA B₁B₂B₆ B₁₂C D E Kなどがあり、「生物の生存上、微量ながら絶対に必要な有機化合物」で体内では合成されないので、意識して摂取する必要があります。

 ミカンの効用について、酸っぱさの元であるクエン酸の働きが私たちの身体に良いと考えます。秋から冬にかけてが旬です。

P1020821  これは隣の家になってるミカンです。柑橘類=citrusを庭に植えておくと、特にクエン酸の補給に事欠かないでしょう。

 最近は、これらのジュースがペットボトルで簡単に飲め、水分補給には良くとも、できるだけ自分の歯で咀嚼して汁を味わうのが本来の摂取と感じてます。

| | コメント (0)

2012年9月24日 (月)

稚内1000K帰還を期して「ランボー号」孫を導入

P1020810 Click Please ! 

  今春、ホープGN号直仔でスチール号の孫に当たる「モザイク号」が東日本稚内GNを記録したことが励みとなり、当舎は来春の作出に1000K系の充実を期すことにしました。

 初秋がレース鳩導入の機会と捉え、今回、PC鳩舎のご厚意により導入なった若鳩(写真)は、フロシュ&メイヤーズ作翔04年バルセロナIN24914羽中総合優勝「バルセロナ・ランボー」の直仔・孫掛けによる近親血統です。

 生後3ヶ月程であっても、主翼に伸びがあり、尾羽根も長い感じです。現時点では♂♀不明で、じきに分かるでしょう。

 一方、この鳩の血統は上記の他、もうひとつ組み合わさってます。ハウトカメール共同鳩舎作翔00年バルセロナIN26611羽中総合優勝「ミス・バルセロナ号」の孫×孫でもあり、長距離を狙うには申し分ない先祖の血を引いてます。

 果たして、近未来のレースにおいて、この血統を生かせるか否かは、飼育者である私の腕にかかっていることになります。

 ところで、先日、ブログで書きましたように、選手鳩には混合飼料に大粒のトウモロコシをミックスしたものを与え、種鳩には分離用で大麦主体の5種を与えてます。

P1020817  こちらの天日干しは選手鳩用です。基本は混合飼料ですが、大粒トウモロコシを混ぜてるので、見た目にはトウモロコシが多いです。いろいろ工夫し、高度を保つ遠征舎外を目的として、現在は「ピーナツの粉末」を餌に塗してます。

 如何にしたら、高度ある舎外で遠征するか考えてますが、一般的には訓練すると次第に高く上がるようです。近年、誠に躍進著しいhamanako鳩舎を手本にし、訓練地を高地にしたいです。目下、猛禽類出没の少ない秘密の訓練基地を開拓中です。

 ところで、「モザイク号」のGN帰還後交配による直仔は2羽で、1羽BCは選手に、一方の1羽モザイク(写真下)は種にしましたが、だいぶ成長してきました。

P1020814_2 【モザイク号直仔】

 まだ、性別は確定しませんが、行動を観察している限り♂かもしれません。この鳩の交配は成長してから考えます。

 当舎代表鳩「スチール号」♂は健康ですが、12才で直仔を多めに取りたいので特別交配室を作ります。交配鳩♀を1シーズン1羽と決めないで、効率よくペアリングします。特別交配室はストレスがないよう配慮します。時々は一般の種鳩鳩舎に出入りでき、他の鳩は入室できない構造を考えてます。

 レース鳩を飼育して気づくことは、意外と種鳩が早く年をとることです。良い選手を育てるには、種をどんどん世代交代させる飼育者の「柔軟にして進取な取組」が求められるでしょう。

【注:PC鳩舎=pigeon crazy 鳩舎】 

| | コメント (0)

2012年9月20日 (木)

次女を嫁がせた翌日、鬼押し出しへ by Audi TT

P1020763 【Click please !】

  初秋の一日、天気も良いので久しぶりに浅間山の北面に広がる「鬼押し出し」へAudi TT のナビをセットました。ここは群馬県嬬恋村鎌原。同行者は友人Samuel Toddさん。駐車場に黄色い愛車が見えます。

 有史以前から幾多の大噴火を繰り返し、現在、コニ―デ型の美しい姿になってます。若き日、5回登頂しました。写真右に見える山は数千~数万年前の大噴火と推測される前掛山で現在は外輪山です。

 浅間山は1783年5月~8月まで噴火が続き、特に8月5日の大噴火はもの凄く、「天明3年の大噴火」と呼ばれ、熱泥流により当時の鎌原村が一瞬に埋没しました。現在でもかなりの人家が埋まったままで、近年その一部が発掘され、当時の家屋や農具、そして高台の観音堂への階段には、避難途中と推測される人骨2体が発見されました。

P1020774  極めてユニークな形を成している「鬼押し出し」一帯には幾つかの遊歩道が整備され、巨大な岩石があっても、その間に歩きやすいコースが出来てます。ご覧のように岩石は噴火のままの姿です。無数にある巨大岩石は噴火後、時間をかけて徐々に冷え、200年以上前の光景をそのまま今に伝えてます。

P1020768  岩石に囲まれた遊歩道は短いコースから長いコースまであり、ご覧のスロープなので足腰の鍛錬にはいいです。

 元・同僚で友人Mr. Samuel Toddは山岳のベテランであっても、山に対して常に真剣に対処し、自然を真に楽しみ、どんな自然にも、専門の仕事にも「本気」で挑むことをモットーにしています。

P1020772  遠方に見える六角形の建物が休憩所です。この近くに駐車場があり、県外からここへのアクセスは上信越道・軽井沢インター下車が便利で、30分ほどして峰の茶屋から左のルートに向かいます。ナビの目的地は「鬼押し出し園」にセットです。

P1020780  時には、下界の塵から離れ、自然が織りなす遊歩道を散策すると、ゆったりした自然との対話につながり、己が人間であることを改めて認識させ、同時に、自然への畏敬の念、そして儚く短い一生を感じざるをえません。生きるとは一瞬一瞬の継続であると感じました。

 火口で鬼が暴れ出したという当時の人々が見た大噴火の印象に、この岩海の名は由来します。海なし県である群馬県は津波の心配はなくても、いずれ将来、大噴火の再来はあるでしょう。50Kほど離れた私の所でも、子供の頃は大きな音がする度に浅間山を見たものです。暫くするとザアザア音がして降灰がありました。今でも、私の庭の土を30㎝ほど掘ると天明3年の大噴火の浅間砂が厚く覆ってます。

P1020782 「鬼押し出しの主」と言わんばかりに、次女を嫁にやって心に空白ができた私に、その位のことで「チャレンジ精神を欠如させるな。今までより逞しく生きろ!」と睨みを利かせているように感じました。

| | コメント (0)

2012年9月17日 (月)

花嫁の父が贈る「虹の彼方へ」本日次女の結婚式

P1020758  次女でウェデングプランナーのMarie Persimmon Marshが本日、前橋駅前のラ・フォンテーヌ(写真上)で結婚式を挙げる運びになりました。お相手は、同じ会社に勤務する明るい青年です。

 娘が人生にとって大きな節目である結婚に漕ぎつけたことは、親として無上の喜びです。亡き妻も娘の花嫁姿をどれほどか見たかったことでしょう。

 ところで、私は拙い経験であっても、末永い結婚では何が大切かを考えてみました。

 結婚生活の基盤となるものは大きく三つあると考え、どれが揺るいでも永遠性は成り立たない大切なことと考えてます。

 P1010851

  その1は、健康に努めることです。

 健康の源は三つあり、「バランス取れた栄養」・「適度な有酸素運動」・そして「十分な休養」です。しかし、人間の心は弱いもの。

 口当たりのいいものに惑わされず、内臓・骨・筋肉形成にいいものを日々摂取し、時間は作るもので運動を心掛け、十分な睡眠時間をとることと思います。

 運動については、二人とも学生時代にそれぞれ剣道・陸上競技を体験してるので、これからは二人に共通のものを探すと楽しいでしょう。「運動とは昔、何々していたでなく、今、何しているかが大切」です。

 その2は、研ぎ澄まされた経済感覚です。

 会社における目前の任務に努めることはもちろん、刻々と移り変わる世界経済、及び為替レートの変動から日々目を離すことなく、自らの会社もこの影響下にあることを認識し、経済の情報通であってほしい。

 その3は、誠実ということです。

 縁あって二人は出会いました。古今の諺が示す通り、昨日までのお付き合いとは異なり、結婚生活では今まで気づかなかった点が目につくことがあるものです。しかし、これには目をつぶったり、我慢する寛容さが必要で、実はこれはお互いさまなのです。

 この誠実さのために肝心なこと。それは山岳に流れる泉の如く、私は「尽きることのない夫婦の会話」と考えてます。スムースな会話こそ夫婦の絆の原点であり、互いの誠実さをより構築するもの思います。

 夫婦の会話をより充実させるには、互いのやりたいことを大切にし、【決して束縛はなりません。】よく見守り、互いを応援することです。日々、心の表れである瞳を見て話しましょう。

P1020142   

 本日の結婚披露宴では、祝福して下さる上司の方々、友人の方々、親戚の皆さん、そして特にラ・フォンテーヌのスタッフの方々により、心に残るパーティーになるでしょう。

 花婿の父上様は、アテネオリンピックで金メダルに輝いたソフトを現地で応援されたトランペット奏者です。本日は二人の門出を華やかに祝福されます。

 花嫁の父である私も一役買い、ソプラノサックスで演奏します。 両家の父が演奏するとは両家も気合が入ってます。

 「シルクロードのテーマ」によって娘の幼い日々から今までを思い、なかんずく、花嫁姿を母に見せたかった娘の気持ち、そして、「虹の彼方」によって、これからのご両人の輝く日々を祈り、ビブラートのきいた心にしみる演奏を心掛けます。

| | コメント (14)

2012年9月13日 (木)

当面、オリンピックの年の秋分の日は9月22日

P1020750  今朝4時に東の空に並んだ「下弦の月」と「明けの明星」は何ともロマンチックな姿でした。明朝から両者は離れ、月は下方へ向かい、より細くなり、ついには太陽の近くになって見えなくなるでしょう。その後は夕方、西の空に細い三日月として現れ、今度は右側が輝きます。

 古生代、中生代、新生代などとは比較できないほど大昔から、月や惑星は独自の軌道により運動を繰り返し、地球から見ると、そばに寄ったり、離れたり、時には重なったり、あるいは惑わす動きをし続けているのでしょう。

 悠々とした天体の運きを眺めると「人の一生は何と儚いことか」と感じてしまいます。

 一方、この写真の瞬間に金星から地球を眺めるとどうでしょう。

 私の推測では、月が地球に接近して見えるでしょう。地球の満ち欠けの姿は月に同じでしょう。月から見ると金星と地球は正反対の位置にあるので、月面の場所によっては同時に両方は見えないでしょう。あるいは太陽光に消されて見えないか見え難いでしょう。

 ところで、今の瞬間も私たちの地球は、毎秒約29kmというもの凄い速度で軌道を周遊し、太陽を1周する時間は365日5時間48分46秒といわれます。

 実は、この端数に起因し、秋分の日が年によって異なると考えます。

 国立天文台によると、秋分の日が9月22日であるのは実に116年ぶり(明治29年以来)とのことです。

 2012年から2044年までは閏年に限り、秋分の日は9月22日とのことで、平年は9月23日です。暫くはオリンピックの年の秋分の日は9月22日となり、その後はまた変化するようです。

 私たちは秋分の日といいますが、天文的には太陽が秋分点を通過する瞬間をいい、今年は日本時間9月22日23時49分とのことです。

201214【国立天文台より転記】Click please !

 本日午前4時の星座を見ると、すでに冬の星座が日本の頭上にあります。まだまだ日中は暑いのに、天体はすでに秋の星座から冬の星座に移り変わってるので、1年は刻々と過ぎていることが分かります。

6 【ウィキペディアより転記】

 赤い線で結ばれたシリウスを含む冬の大三角を、大きく包むように冬の大六角形を認識すると、何だか心まで大きくなった気がします。真冬に南西諸島でカノープスを見られる人はいいですね。

 図の下にあるカノープスは赤緯52度40分にあり、北半球で見えるのは90°-52.7°=37.3°となり、北緯37°の位置で南の地平線となり、まず見えません。関東以南の高い山で冬季に見える可能性があります。オーストラリア、ニュージーランドでは常に沈まない周極星です。

| | コメント (0)

2012年9月10日 (月)

未来を夢見て、一人寂しく軟骨を食べる

P1020739  概して、私たちの食生活は硬いものを食べなくなっていませんか。

 硬い食べ物は、しっかり噛み砕かなくては飲み込めないです。 硬い食べ物は腸壁を刺激する繊維類の王様で、大腸の健康に優れているように感じてなりません。

 「実るほど頭の下がる稲穂かな」・・・・・農家の方々のご努力で、もうすぐ米の収穫期を迎えます。新米は本当においしいものです。特に朝食に炊きたてご飯を食べると、日本人に生まれて良かったと思います。

 ところで、炊き立てご飯は胃腸の健康にいいように感じてなりません。それはよく噛んで食べるからです。子供の頃は、親や先生に20~30回噛みなさいと言われたものですが、実際に、食事のとき回数を数えることはなく、飲込みに丁度よい程度を身体が知っていて無意識のうちに飲込むものです。

 一方、近年の食べ物には味が濃く、概して柔らかいものが多くなってるようです。それほど咀嚼しなくても飲込め、腸壁をあまり刺激しないのではないでしょうか。

 硬い食べ物の代表格は、煎った豆類、炙ったスルメなどですが、唾液がたくさん出ると同時に、腸壁に良いと感じます。

 しかし、最近、私は大腸のためのみならず、歯を丈夫にしたり、私たちの身体を形成する骨格のために、軟骨を食べることが大変良いのではないかと考えるようになりました。

 夕食でも、時々行く「炙り屋・どんどん」でも軟骨を食べます。内緒ですが、どうしたことか便秘とは縁がなくなり、やはり、腸壁にいいのではないかと密かに納得しています。

P1020746  一方、これ程ビールに合うものも少ないでしょう。何しろ、奥歯が大活躍です。噛み砕けないうちは飲込めないことを身体が自然と知ってます。歯を丈夫にするためにも、顎を丈夫にするためにも、時には軟骨を食べることが肝心で、これ程のカルシュームの塊はなく、骨粗鬆症対策や、ロコモ対策にもいいでしょう。

 私たちの身体は多くの骨によって内臓や筋肉が支えられ、人間の形を成してます。軟骨を食べるとカリカリ音がして、まるで石器時代に戻った感じです。原始人の食生活もいいかもしれない。

| | コメント (0)

2012年9月 6日 (木)

久々にAudi TT Quattro黄色で関越道を走る

P1020720 【上信越道から関越道へのジャンクション付近、Clickで臨場感】

 クワトロは前輪が押されたり後輪が引かれたりせず、走行が安定し、スピードが増しても横揺れを感じません。クワトロの効果は高速道で発揮され、245-40-18のタイヤは地を這う怪獣の如くとなり、特に40%の扁平率が走りを快適にしてると想われます。

 先日、初めての車検でしたが、走行距離28000Kは3年間では少なく、これは通勤で使用することもなく、最近、遠乗りしないからです。

 今回、エンジンを目覚めさせるためと性能維持のため、暫くぶりに関越自動車道を走ってみました。藤岡インターから前橋インターまで、あっという間の走行では、私が高速走行で時折、試みるエンジンの煤取りする時間はありません。煤取りは次回です。

 エンジン音はコントラバスの通奏低音の如く、唸りを維持し、スポイラーが自動的に立ち上がったまま走行を続けました。

P1020727 【高架橋は宇都宮方面・北関東道高崎ジャンクション】

 高速道では、車間距離厳守とともに、近くに他車が走行しない位置取りが、安全走行の基本と考えます。交通状況は予想を越え刻々と変化し、前方注視ほど肝心なことはないでしょう。

P1020728  もうすぐ前橋インター出口で、Audi TTも、もっと走りたかったようです。今度、助手席に乗る方ができたら、関越道で新潟の海へ、もしくは北関東道で茨城・大洗海岸まで走ってみます。

 何せ群馬県人は日頃から海が見られないのです。海を見る機会は生涯に数えるほどです。その代わり、赤城山、榛名山、妙義山など個性ある雄姿、活火山・浅間山の鬼押し出し、魔の谷川岳など上越国境の山々、そして草津、伊香保、水上の名湯はもちろん、タヌキの出る奥山の一軒宿など温泉へのドライブには事欠きません。「旅は道づれ」を最近ほど感じることはありません。

P1020733  前橋インターを下りるとすぐにAudi 高前支店があり、立ち寄りました。到着するや否や夕立の洗礼を受けましたが、営業マンY氏が迎えてくださり、紅茶を頂きながら久々のTT談義になりました。

 彼曰く、雨に濡れた場合はそのままタオルで拭かず、一度、真水をボディー全体にかけ、細かいゴミを洗い落としてから、拭くことが塗装のためにいいとアドバイスを頂き、なるほどと感じました。雨には空気中に浮遊するのいろいろの物質が混入してると想われます。やはり、プロの一言は有難いものです。

 これから秋本番です。果たして、実りの秋は来るでしょうか。

| | コメント (0)

2012年9月 2日 (日)

驚き!中央中等管弦楽部の「未完成交響曲」

P1020706

 群馬県立中央中等教育学校・管弦楽部による第12回定期演奏会を拝聴し、県内の中・高校生の中でも高い芸術的な品格を備え、無限の可能性に挑戦できる環境にある生徒さんたちに涙しました。

 もし、生まれ変われることができるなら、中央中等オーケストラに入部したいと心底思いました。それは多感な青春時代に大作曲家の優れた作品に直接触れることのできる稀に見るチャンスがあるからです。

 彼らの未来は、生涯にわたり音楽芸術を愛好する豊かな生き方へと結びつくことでしょう。一般的には、中高校生時代にそのような環境に恵まれることはないものです。

 私が中央中等オーケストラに対して深く感銘するのは、取り組みについて「音楽が真似ごとでなく、本物である」点です。

 日頃、古今の名作に挑戦できる中・高校生の姿を見ることはほとんどありません。多くは、娯楽的要素に偏るものや、コンクールと称して他校に勝利することが目的になり、芸術本来の持つ無限の美への挑戦とはなり得ないものです。

 ところで、今回のプログラムも多岐にわたり、4月から短期のうちに、また、猛暑の夏休み返上しての集中練習には、指導者の先生とともに、それに応えて頑張った生徒さんに敬服いたします。

 特に難曲である「道化師」ではギャロップやエピローグを中心として、マリンバのハイレベルな実力、トランペットによる明瞭なテンポ感に会場が躍動感に包まれました。

 スメタナの「モルダウ」では弦楽器も、管楽器も、なかんずくバイオリン群の厚みある音色で奏でた短調の極みから一転して、長調での雄大にして華やかな表情への変化は超高校級に感じてなりませんでした。

 その間、流れるフルートやクラリネットにおける細かなパッセージの流麗さ、そして優れたテクニックが会場に伝わり、「音楽とは一瞬一瞬における美の連続である」ことを改めて認識できました。

 今回の定演ではたくさんのプログラムから、The sound of musicやSing Sing Singも楽しく聴けました。すべてについて感想をメモリましたが、代表してメイン曲「未完成交響曲」について拙い感想です。

 この曲が「なぜ未完成になったか」について司会者の方が少し述べられましたが、シューベルトがオーストリア音楽協会の名誉会員に推薦された返礼として書き始めたとも伝えられ、曲の途中までの楽譜を協会に送ったものの、生涯僅かに31才という短命のため、シューベルトの死後も楽譜が未完成のまま長期間、協会の書庫に眠り、死後、約40年ほどして発見され、日の目を見たと伝えられ、司会者の説明のように1・2楽章が余りにも良く出来てしまったので、流石のシューベルトも次の楽想へ発展しなかったのかもしれません。

 また、1楽章・2楽章ともに3拍子で作曲したために、本来、シンフォニーは3楽章が3拍子の形をとるので、この点からも次へ続かなかったとも推測できます。

 いずれにしても、この曲は「形式は未完成であっても、内容は十分に完成している」といえることから、今日、名曲中の名曲として残ってるのでしょう。

P1020708

 ところで、1楽章の導入はコントラバス・チェロによる地底から響くような表現にまず圧倒されました。会場が静まり返った低音の出だしは、音程に神経を集中しなくてはなりません。40年振りに暗い書庫から日の目を見た神秘性は充分に会場に伝わりました。そしてバイオリン群の16分音符に先導されたオーボエ・クラリネットによる第1テーマは、特に繰り返した2回目が素晴らしかったです。

 それに続くホルン・ファゴットによるロングト―ン後のゆったりとした四重奏は、リタルダンドを伴って有名なハーモニーが見事に奏され、それに続く第二テーマはチェロにより伸び伸びとした幸福感漂う名旋律に繋がりました。

 1楽章における演奏の圧巻は、導入のテーマを用いた掛け合いの展開部にありました。これでもかと盛り上がる対位法的音楽の流れが、次第に頂点へと進むところに指揮者の先生の指揮振りが、より気高く表現され、そのタクトという筆に見事に応えている生徒さんのキャンパスは、トロンボーンの溌剌とした響きに代表され、私は背中がぞくぞくしました。美とは次第に精神が高揚する充実さにあるのでしょう。この楽章の頂点は対位法を伴う展開部にあり、演奏にとても感銘しました。

 2楽章はホルンとファゴットの魅力的な音色に誘導され、バイオリンによる束の間の天上の幸せから一瞬、不安感がよぎり、全体的に急緩による不安と安堵そして納得が交互に感じられ、明暗の対比が強弱をも伴って明確に表現されてました。

 それに続くクラリネットの悲壮感に対し、幾分か明るい兆しを呈示するオーボエの応答に安堵です。ここで聴き逃してはならないのが、この旋律を惹きたてるバイオリン、ビオラによるシンコペーションのリズムで豊かな音色に参りました。

 再度、今度は先にオーボエによる悲壮感漂う呈示があり、それに応答し、あたかも隙間から一筋の光が差し込むようなクラリネットの優しさに、これ以上の充実を求めない私がありました。

 今回、未完成交響曲を拝聴し、私たちは何事も満点を求め取り組みますが、その目標に挑戦することは大切であっても未完成交響曲のように「内容の充実さ」も人生において肝心であり、「いかに豊かな内容を持つか」が真の幸福につながるのではないかと悟りました。

 中央中等オーケストラ部の皆さん、オーケストラの織り成すハーモニーに心から堪能できました。国際色豊かで、人間味いっぱいの顧問の下、これからも本当の美を求めてください。お陰さまで楽しい時間が持てました。 

 

| | コメント (12)

« 2012年8月 | トップページ | 2012年10月 »