旧正月は必ず先勝で始まる・・・今年は2月10日
アジアの国々では現代でも旧暦を採用している地域があり、例えば、内モンゴルでは今年の正月は2月10日とのことで、太陽暦の1月1日より盛大に新年として祝う仕来たりのようです。日本も明治初めまでは旧暦【太陽太陰暦】を採用してたので同様であったと想われます。
月は下弦がかなり進み、あと2日ほどで太陽方向へ行って見えなくなる状態です。それが新月で旧暦の1月1日です。明け方、月の満ち欠けが日に日に小さくなって睦月に近づけば、庶民は天を仰ぎながら「あと幾日」と数えながら正月を待ちわびたことでしょう。
日本でも、昔は今のようなカレンダーが普及してなかったと考えられ、夜間、環境的に現代より光が少ないこともあって天体が見やすく、人々は星座を含め季節による天体の動きに敏感であったと推測できます。特に月の満ち欠けがカレンダー替わりであったとすると、現代人よりずっと空を見上げていたことでしょう。
三日月であれば3日であったり、満月【十五夜】になれば15日で、月日が月の満ち欠けで分かるとは何とロマンチックでしょう。
一方、江戸時代など当時は現代の月曜日、火曜日などに代わるものとして【先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口】の六曜が使用され、これらは生活の行事に結びつき、身近なことであったと想われます。
しかし、「この六曜を単純に昔のこと」として片づけられません。現在でも冠婚葬祭に関する会社にとって、特に結婚式場では大安は一年以上前から予約が集中すると聞きます。これのみならず、現代社会は多くの場面で縁起を担ぎ、例えば、新規開店日、新車納車日や上棟式、団体旅行の出発日などを大安に決めたりします。
カレンダーは太陽暦を使用してても、人の心は依然として旧暦のままであり、これらの慣習は未だ140年も続いてます。未来もこの「迷信」=superstitionに頼るのでしょうか。
敢えて私が「迷信」と言ったのは「その順番がいかにも機械的で単純」だからです。
それでは、各月の六曜の決まり方について改めて確認しましょう。
旧暦つきのカレンダーがあれば確認できます。旧暦の1月1日と7月1日が「先勝」から始まり、以後、順に友引、先負、仏滅、大安、赤口と続きます。この【先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口】の順番は年間を通じて変わりません。
同様に2月と8月は「友引」で始まり、3月と9月は「先負」で始まり、4月と10月は「仏滅」で始まり、5月と11月は「大安」で始まり、6月と12月は「赤口」で始まります。
もし、その月の六曜が途中で終わっても、翌月は前述の決められた順番で新たに始まるので、場合によっては大安が来たのに幾日も経たないでまた大安ということも起こります。
旧暦では月日と六曜は毎年一致するので、例えば、中秋の名月【今年は9月の満月の日】は毎年必ず仏滅であったり、3月3日の桃の節句【今年は4月の三日月の日】は毎年大安です。仏滅に生まれれば、誕生日は毎年仏滅です。
旧暦の良さの一つは1月1日が現在の2月中旬なので梅もほころび、文字通り「新春」にふさわしく春の息吹が感じられる季節になってます。
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