オランダ1000Kチャンピオン「スチール号」逝く
2月1日朝、いつもの通り鳩舎に行き戸を開けると「スチール号」が床に倒れてました。すぐ手に取っても未だ冷たくありません。日の出前の最低気温に息を引き取ったようです。
「スチール号」は特に病気ではなかったので老衰により生涯を終えました。厳寒は高齢のレース鳩にも堪えたようです。行年13才。
「スチール号」の脚環番号はNL 0-5047349でBCの♂。20世紀最後の年にオランダ北部プロンク鳩舎で生を授かりました。
翔歴は翌2001年7月8日にフランス南部モントバーンを午前11時に放鳩され、翌朝午前3時34分06秒にプロンク鳩舎に到着。その距離1022キロ。オランダ北部の北緯53度付近は、この時季の特徴である白夜が幸いしたと考えられます。
一般に、モントバーン~オランダ間の距離は800K台~900K台後半が多い中、プロンク鳩舎はオランダ北部に位置することから実距離1022.498Kmです。これを分速1484.02mというスピードで翔破し、参加羽数5796羽中、総合優勝の栄冠に輝きました。
ところで、今から6年ほど前はリーマンショック以前であったことから、元となるものがどうにか見通しがつき、「生涯に一度くらいは」ということでヨーロッパ1000Kチャンピオン導入の気持ちが高まりました。
すでに半世紀以上にわたりレース鳩を飼育していても、高額なことと、それを生かし切れるかの問題があり、今までに1000Kチャンピオン導入はあり得ませんでした。そしてチャンス到来時に思い切りFragrant Mountain鳩舎に相談、「スチール号」導入の運びになりました。
当時、籠から出すと予想外に鼻コブが大きかった印象です。子供のころは鼻コブの大きい鳩を好んだものですが、昔が蘇りました。父の系統はニコ・フォルケンス系、母の系統はカイパー系です。
「スチール号」の直仔で現在当舎に在舎してのは♂3羽、♀5羽の8羽です。これらは運よく、まだ若いので今春の作出から長距離系種として本格的に活躍させたいものです。
一方、「スチール号」の孫で種鳩になってるのは昨春・稚内から帰還した「モザイク号」♂1羽と♀2羽です。
もうすぐ、交配を予定してます。およそ15ペアーです。スチール号の近親になっても【血は近過ぎず、離れ過ぎず】をモットーに、立ち姿、羽色、目の色、大きさなど身体表現を観察し、交配相手は表現が相反するよう勘案して決めたいと思います。
ヨーロッパ1000Kチャンピオン「スチール号」は鳩舎前の築山に永眠してます。これからも飼育者の私とともに、孫や曾孫が北海道から倉賀野に帰還する雄姿を見守ることでしょう。
孫である「モザイク号」(写真下)に続いて、稚内から帰還する子孫が誕生することを願ってやみません。合掌
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