分離式の選手鳩鳩舎・♂には巣房、♀には止り木
ブログを続けて2回、レース鳩について書くことは珍しいです。今の時季レースマンにとって、選手鳩が訓練から本格的なレースへ移行する期間です。一方、種鳩による作出も開始となり、どちらもスタートラインの時期でしょう。
当舎の作出はもう少し暖かくなった2月下旬の交配を予定してます。私は春分の日に1番仔を孵化させる予定で、この日から逆算して交配します。
鳩レースではこの「逆算すること」が長距離レースのポイントになる気がします。例えば巣房に愛着が湧く【抱卵10日目~12日目】で持寄る」ことなどです。
おそらく、卵内の雛の心拍音が抱卵している親に刻々と伝わるのでしょう。人間には体験できないことです。これを考えると、レースで疑卵を抱かせるのは効果が低いかもしれません。
種鳩を交配する場合、孵化する日が温かい時季であるほうが育ちが良好に感じます。 という目的で逆算すると、産卵は交配してから7日~10日目、抱卵日数は18日間で、交配してから孵化まで25日~30日間です。
こんなことから温かくなる春分の日【3月20日】に孵化させるには、交配日は2月18日になります。これを念頭に入れ、実際にはこの日の前後の「温かな午前中」が交配が上手く行くと想われます。
結果的に1番仔を選手鳩鳩舎に入れるのが4月20日前後で、この時季はすでに700キロレースが終わっており、次の長距離レースに参加する選手鳩への影響は少ないと考えられます。
ところで本題の選手鳩鳩舎の構造について、今春から徹底することにしました。それは200キロレース前から♂♀分離して生活させます。舎外も♂が終わってから♀を出舎させます。
巣房がたくさんある部屋は【A室】で、こちらは平素♂のみが生活します。【A室】には出舎口があります。
一方、隣の【B室】は止り木のみ設置してあり、こちらは♀が生活します。 この【B室】には入舎口があります。
♂♀別々の舎外方法は鳩舎構造により簡単にできます。【A室】の♂を出舎させたら【B室】にいた♀を【A室】に追い込みます。
その後、舎外から帰った♂が入舎口がある【B室】に入り、全鳩入舎した後、【A室】にいた♀を舎外させ、♂を元いた【A室】に追い込む方法です。
しかし、時間的に楽な方法として♂♀一緒に舎外させてもかまいません。帰舎後、すぐに♂♀分離すれば大丈夫です。一日のほとんどが分離状態であることがポイントと考えます。
充分休養させ、蓄積した【エネルギーをレースのみに使う】ことが、選手鳩を♂♀分離する目的です。これからの季節は、一日中、♂が♀を追いかけ、追いかけられる♀も疲労困憊です。これを防ぐことが次のレースで【肉体的にプラス】になると考えます。
ところで、【A室】の巣房内は半分に仕切られた構造であることから、あまり、いじる過ぎるのは良くないですが、時には持寄り日の籠詰め30分前に、♂の巣房内の仕切られたもう一部屋に♀を入れたり、すでに番いになってるペアーは仕切りを開け巣皿でいっしょに過ごさせることも可能です。その後、♂♀別々に籠に詰め持寄ります。この方法はいわゆるWシステムです。
これは成鳩の♂に効果があると考えられ、♂の部屋に巣房以外は設置しない方が効果がある筈で、歴史的には第2次大戦後から西欧で行われきた【人為的に帰巣本能を高める】このWシステムは、鳩の行動を日々観察され鳩の心理をよく理解した著名な競翔家ブリ―ク博士の創案と伝えられ、現代の西欧レースマンにとって当たり前のようです。
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