「自分の歯でなければ美味しさが分からない」 ・・・・亡き母の教え・・・・
昭和最後のバレンタインデーに世を去り、26回目の命日がやってきます。チョコレートでなく命をプレゼントしてくれた母が生前、話した忘れられないいくつかの言葉が思い出されます。
明治生まれで小学校のみを卒業し、食料の乏しい戦前戦後を通じ家族を養う労苦や、有事の際の体験から安全や健康に生きるための教訓は日々話していました。
思い返すと、母は自分の健康より6人の子供の健康や安全に気を配っていたようです。自身は肩が凝ったり、頭痛がしたりで、小中高校生であった私によく「揉んでおくれ」と言いました。晩年は血圧が高く、天気の良い日は具合が悪いと言ってました。なるほど、これは気圧と血圧の微妙な関係を察していたのかもしれません。
母は自らの両親について、とても仲が良かったことを自慢そうに話してました。実は生前、私に言いませんでしたが、母の父(私の祖父)の位牌の日付を見ると、私の父母が結婚する前に他界してます。
その12年後に、母の母(私の祖母)は亡くなりましたが、両親の命日が2月23日と同じであることを「仲が良い夫婦の証拠」として私たち子供に誇りにしてました。
写真は「倉賀野のこまち」と言われたらしい大正時代から昭和初期のものと想われます。
ところで、20世紀と共に生まれた母は戦前戦後に人生の大半を過ごしたことから、栄養状態はよくなかったと想われます。80才を超えた晩年は体の不具合を度々訴えてましたが、私は家を継いだことから45年間、母と共に暮らしたので他の兄弟姉妹より、母と話すことが多かったです。
晩年、夕食時には梅酒を軽く一杯飲み、1日の疲れをほぐしていたように見えました。そんな折りは、リラックスした様子でいろいろ話しました。
【南天】
歯は本当に大切で「入れ歯では味が分からないよ。」と言いましたが、若かった私は、あまり身につまされた感じはなかったです。しかし、最近になって、母の教訓が身にしみ「なるほど」と悟ってます。「冷や酒と親の忠告は後で利く」を実感です。
一方、最近の医学では、健康長寿のため、歯を含む口腔機能の働きが健康であるか否かが、脳卒中や肺炎、大腿骨頚部の骨折に関係してるとの研究があり、延いては、寝たきり状態を引き起こし、要介護状態に陥る原因の一つといわれます。
特に、歯を失うと柔らかい食材のみ食べる傾向で、緑黄色野菜が食べ難くく、野菜や肉は敬遠され、これが長期的に低栄養状態を引き起こし、栄養バランスを崩して骨粗鬆症や転倒に繋がると考えられてます。
歯の本数が少なくなると、咀嚼する機能面がマイナスだけでなく【外見や自尊心、社交といった社会面で消極的になる】ようです。歯を健康に保つことが全身の健康はもとより、精神面における充実につながるのではないかと、生前の母の教訓を今になって噛みしめてます。
私たちが【歯を健康に維持するには】食後のブラッシングはもとより、食物繊維を多く含む食材やカルシューム豊富な乳製品、軟骨などやや硬いものも食べる食生活の励行といえます。
そして、歯科医に行くのは歯が痛くなってからでなく、【平素4ヶ月おきに歯垢を除去してもらう健診】が若さを保ち、精神、肉体両面における健康の基盤になると考えてます。
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