6月上旬、月が木星、火星、土星を次々追い抜く
6月になり、自然界は天体の動きも地上の植物も変化を見せてます。北半球では日照時間が長くなるにつれて気温が上昇し、樹木は新緑となって1年で最も生気に満ちてる季節です。私たち人間は自然の中で思いきり身体活動し、健康を増進するチャンスです。
因みに、本日6月2日の日の出時刻を調べてみると、根室で3時40分、東京で4時26分、石垣島で5時55分です。同じ日本でも、2時間15分の違いがあるには驚きます。日本列島は東西にも南北にも長いです。具体的には根室が北緯43度20分、東経145度40分で、石垣島は北緯24度10分、東経124度に位置するからです。
このように日の出が早まり、6月21日は二十四節気の一つである夏至です。これは太陽が春分点から90°も移動することになり、北回帰線上に接します。これに伴い、夜間に見える星座も春の星座から次第に夏の星座へと移行し、こと座の織姫星、わし座の彦星アルタイル、白鳥座のデネブによる夏の大三角は現在でも、すでに夜半過ぎには日本上空に達してます。
本日のテーマである惑星について、今年の6月は8時頃から南の空に珍しく【三つの惑星が輝いてます。】一度に三つの惑星を肉眼で確認できるチャンスです。東から【北半球では左から】土星、火星、そして西に位置する木星です。
特に火星は8時~9時にかけて南の空高く、ひときわ赤く輝いてるのですぐ分かります。これは今年、火星が地球に接近してることと、位置が太陽~地球~火星の順にあり、地球からは満月の状態に近いからです。火星が赤く見える理由は、地表に酸化鉄(赤さび)が多量に含まれてると考えられてます。火星のすぐ東におとめ座の1等星スピカ【恒星】も分かりやすいでしょう。
ところで、月は約1ヶ月に一度の割合で地球の周囲を回ってます。月と地球間の距離は平均して38万Kほどです。太陽方向にあるとき新月でスピードは公転軌道上の地球より遅く、太陽と反対側に差し掛かると満月となり、地球を追い抜くことからスピードは地球より速度を増します。
月にとっては1ヶ月で星空の中を一周することから珍しいことではなくとも、地球から見ると、この6月上旬は三日月から半月【上弦】そして、次第に満月に向かい、【珍しくその背景にある惑星に日に日に追いつき、順に抜いて行きます。】
まず、6月1日に木星を抜き、6月7日に火星を抜き、6月10日に土星を抜きます。残念なことは日本ではその抜く時間帯が夜でないことから、ヨーロッパから南北アメリカ大陸にかけては月が接近し抜く時間帯に当たると考えられます。
もちろん、【これは地球から見てそのように見えるだけであり、実際には両者の距離は離れていることから接近したり、追い抜いたりしてるわけではありません。】
しかし、外見上、日に日に大きくなる月が、次から次へと惑星たちに接近し、抜いて行くさまは、恰もマラソンでごぼう抜きする感じでしょう。
これから日本では梅雨に差し掛かります。運が良ければ、雲の合間からこの光景を眺められるでしょう。南西諸島の方々や北海道の方々は、この天体現象を確認できるチャンスがあるかもしれません。これは世界中、同じなので現在、雨季でない海外に滞在されてる方はよく確認できるでしょう。
| 固定リンク
「天体」カテゴリの記事
- 昼と夜の長さは 今日3月17日がほぼ同じ(2023.03.17)
- 特徴ある 星座はオリオン 赤道上(2023.01.05)
- 枇杷の花 例年になく 満開に(2022.12.18)
- 今夜は月がよく見えてます。【群馬県南部】(2022.12.02)
- 地球の公転位置で決まる二十四節気の「小雪」(2022.11.22)
コメント