次世代の種にする若鳩のセレクト
レース鳩飼育者にとって、今春生まれの若鳩の中からレースに使うべきか、自舎の次世代の種として昇格させるべきかは、よい鳩であればある程、選択に悩むものです。鳩舎規模が比較的小さな当舎では老鳩でも貴重な種から生まれた一番仔は種にして、二番仔・三番仔は選手にします。
2~3日前に種鳩鳩舎を分離する大工作業してから、今春生まれで初めから種用に作出した若鳩を手に持って確認したところ、下のBCは思いのほか良い♀でした。
換羽が終わって改めて掴んでみると腰がしっかりし、すっぽり手に収まり、いわゆる手持が良く、暴れる神経質なところがありません。顔の表情に落ち着きと余裕が漂ってます。
自鳩舎作の若で、このように気に入った鳩を発見できると飼育者としては嬉しいものです。このBCの母は著名な高塚久雄氏作Bだからです。(下の写真)
【高塚久雄鳩舎作出♀11歳・・・稚内ブルー号×ミラクルクイーン号直仔】
当舎における高塚鳩舎作の鳩は現在写真のB1羽のみで貴重です。
交配法で一般的に考えられてることは、長距離鳩作出には父が1000K飛んでることが望ましく、母は自身が飛んでなくても1000Kの血統的裏付けがあることが大切といわれてます。
その点、今春生まれたBC♀の血統は、父・・・稚内モザイク(当舎作翔)×母・・・高塚久雄鳩舎作であることから長距離鳩作出法に合致します。来春からBC♀に良い雛が生まれるでしょうか。
来春に予定してるBC♀の交配♂鳩は写真下の「ランボーモザイク号」です。
父・・・Value pigeon吉田鳩舎作BC【香山鳩舎ランボー直仔×一文字鳩舎作ランボー孫】×母・・・当舎作・稚内モザイク二世号
ところで、選手鳩は高度を保ちスピードある舎外が目標です。飼育者は餌の与え方に創意工夫が不可欠です。最近の当舎では選手に良い餌を少なめに与える傾向です。朝は満腹に近くとも、夕方の給餌は少なくしてます。飛翔時に栄養は体内に十分に蓄積されていて、しかも、空腹の状態を良しとします。
短距離は違っていても、遠方から帰還するレース鳩は餌の力で帰還するのでなく、今まで蓄積した【自身の肉をエネルギーとして消費し】ながら長距離を飛翔すると考えられます。平素から高度ある舎外や訓練、そして的確な給餌法により軽くて飛翔エネルギーになる筋肉を作ってやることが飼育者の役目と考えてます。
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コメント
前略、素晴らしく行き届いた鳩舎で驚きました。私は高校時代に屋上に大工さんにはと小屋を作ってもらい飼育していました。
サラリ-マン、実家のホテル経営,関学大の事務を二年前に終え、先日寛永寺の帰りに日本鳩レ-ス-協会によりまして委託レ-スに参加したいと思っています.過日高砂市のbreeder沼田さんのところからシオン系を譲り受けました。交配に関してお伺いしたいのですが、来春預ける場合何時頃から交配させて,餌の配合等
につき、教えていただきたいと思います。
宝塚市 伊藤
投稿: itos folt | 2015年10月20日 (火) 21時40分
宝塚市・伊藤様へ
遠方より群馬県高崎市までご連絡いただき有難うございます。現在、シオン系の飼育については、この系統の数が少ないことから貴重と思います。大切に飼育してください。
お尋ねの件ですが、交配時期に関しては一般的には2月頃より5月頃までです。拙い体験では、3月の交配で4月頃に孵化した雛の成長が良いように感じます。この時季なら委託はいつでも大丈夫です。
それは寒い時期に孵化した雛より、主翼の換羽の仕上がりが早いです。また、雛の時期に与える餌については、親が与える乳ビのときは脂肪分の強い餌の方がより良く成長するようです。私は混合飼料にサフラワー、麻の実、菜種をブレンドして与えてます。半世紀以上レース鳩を飼育していても試行錯誤の日々です。また、遊びにいらしてください。柿沼
投稿: カッキー | 2015年10月21日 (水) 08時06分