なぜ、烏川は不自然に大きく迂回してるかin倉渕
40年以上前、初めて当時の倉渕村を車で通過したとき、途中にトンネルがあることに驚いたものです。その時、トンネルがあるとは倉渕はずいぶん山の中と単純に思いました。現在、高崎市下室田町(旧・榛名町)から倉渕町へは烏川沿いに国道406号線が走ってます。このため道のすぐそばに常に烏川が流れてます。
烏川の源流は角落山付近の烏の口といわれ、その後、途中で碓井川、鏑川、井野川、神流川など支流が流れ込み、玉村町五料付近で利根川に合流します。
ところで、本日、烏川の探検に行ってきました。そこは烏川が不自然に流れを南に変え、大きく迂回する地点です。場所は倉渕町入り口付近で前述の湯殿山トンネルの南の地点です。なぜ、このように烏川は大きく迂回してるのでしょう。
何千万年前~何百万年前と推定される榛名山の大噴火により、火砕流がその昔より存在した烏川を堰き止め、烏川の水は大きく南に流れ、堆積した火砕流を迂回して元の位置に戻ったと推測できます。しかし、本当のところは人間には分からないことかもしれません。
上の地図を見ると、烏川が迂回してる地点は湯殿山トンネルのちょうど南に当たる位置です。国道406号の湯殿山トンネルも、この火砕流の結果として現在存在するのではないでしょうか。トンネルの長さが218mであることから推し量ると、烏川が迂回してる距離は1300m程と考えられます。
湯殿山トンネルの手前を旧道である道を南に入ります。200mほど行って車を降り、歩き出しました。車に乗ったまま急坂を下っても、万一、帰路に車が登れないと大変なことになるので、林の道を一人でてくてく下りましたが、途中、熊に遭遇するのではないかと恐怖心が生じました。いくら歩いても川のせせらぎは聞こえません。そして、どんどん下ると何と「吊り橋」が見えました。ここが烏川が迂回したところです。
どんなにか水量があるかと思いましたが、第1級河川なのに、小川のように少しの水でした。これは時季的な理由でしょう。しかし、良かったのは大きな石を大昔のままの姿で見ることができます。
見渡す限り大きな石がゴロゴロしています。この界隈は木の葉の化石が採集できるところと伝えられます。しかし、梅雨になったり、台風接近時には川幅いっぱいに恐ろしいほどの濁流となることが推測できます。
今回、烏川の迂回地点を見学しましたが、川の水は大きく迂回しても流れやすいところを下流へ下流へと海まで流れ、現代は、どの河川も流れは歴史の途中であり、再度、火山噴火により堰き止められても、溢れ出し、迂回しながら海までの流れは先史時代からの悠久な法則であって、未来永劫に流れ続くと感じました。
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