横隔膜で肺を下から支えた発声を心掛ける
私たちは生涯にわたり、自分の体内を見ることはできませんが、心臓を初めとして各種の臓器や筋肉、そして骨があることを知ってます。そして、これらが私たちの生命を維持してることも知ってます。どれか一つが不具合になっても、生活に支障をきたし、治療が必要になります。
ところで、私たちが歌を歌ったり、話をする場合は身体の機能によって声が生まれます。平素、私は「どのようにしたら響のある発声ができるか」について考えてますが、最近、一つの事実につき当たりました。
その方法によると、声に「張りのある響き」と「安定感が増し」、「強弱のコントロールがしやすくなったり」、「高い声も喉を痛めず、意外と楽に出せる」ようになりました。
学生時代には、歌うときは「腹式呼吸によりお腹から声を出しなさい。」と教わりました。しかし、実際にはお腹に空気は入りません。お腹にある空気はガスになるものです。空気をたくさん吸って体内に入れても、入る臓器は肺です。それなら、なぜ腹式呼吸というのでしょう。これは分かり難いことです。
最近の私は、発声するとき「横隔膜」=diaphragmにより、下から肺を支える意識で歌うようにしてます。感覚的には胸の下方が横に広がり、結果的にお腹が凹みます。この形で「ア~」と発声すると響の良い声に変わることに気づきました。
横隔膜の感覚がつかめない場合は、トイレで力む状態を思い出してください。これは横隔膜が下へ押してます。この反対の運動をすれば横隔膜が上に上がり、肺を支えます。
横隔膜の位置は肺と心臓の下で、胃と腸の上にあり、両者を分け隔ててるドーム状で弓形の筋肉といわれ、大切なインナーマスルです。
また、他の方法で横隔膜の存在を認識するには、「は」の音を息の音(子音)だけで、ハハハハと、恰も、犬が暑くて舌を出してハーハーしてるようにします。これは声帯を使わず、横隔膜だけで声を出しているので、横隔膜が動いてることから、その存在を認識できるのではないでしょう。やってみてください。
前述の通り、横隔膜は「心臓・肺の臓器」と「胃腸などの臓器」を分け隔ててる筋肉であるから、横隔膜には3つの孔があり、それらは食道、大動脈、大静脈です。
平素、私たちが呼吸できるのは、横隔膜を緊張したり、弛ませたりを繰り返して無意識のうちに呼吸を可能にしていると考えられます。
ところで、横隔膜で下から肺を支えると、発声が良くなると共に、背中がピンとして正しい姿勢になるようです。これからは歌うとき、横隔膜を上に押し上げる気持で歌ってみてください。声質の向上や強弱など声のコントロールができると気づくかれるのではないでしょうか。
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