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2015年6月11日 (木)

人の住む環境で営巣するツバメの習性

P1060802 【羽根が長いツバメ・・・撮影は本日、家の近くで】

 野鳥の中でも私は幼い頃からツバメに愛着を持ってました。それは20才まで住んでいた家に毎年ツバメがやって来て子育ての様子を見ていたからです。

 私の家は国道旧17号線沿い(旧中仙道)にあったことからツバメの飛翔にとって広い道路があり、障害物がなかったからでしょう。

 広い道路上は低空飛行がしやすく、小さな昆虫の捕獲に便利であり、家が江戸時代末期に建築した蔵造りであったことから、落ち着けて天敵の心配がなく、毎年、営巣したのではないでしょうか。

 当時、ツバメが家の中に巣を作ったことから、父はツバメのために早起きして戸を開けてやっていました。やがて卵が孵り、雛たちは大きな口を開けて親が運ぶ餌をねだる光景は実に生命力に溢れ、その後、巣につかまりながら羽ばたきの練習を繰り返し、ついに、勇気を持って巣から飛び出し、近くの電線に止まり、最初の内は親から餌をもらっていました。

P1060800 【新築した隣の家の軒先の巣】

 この度、私の東隣に若い家族Aさん一家が新築され引っ越して来られました。そして、最近、気がついたのですが、この家の玄関前の内側にご覧の巣が完成しました。時折、ツバメの鳴き声がするので気にしてたところ、珍しく巣を作っていました。

 なるほど、ここなら高さが3mほどあり、外部から見えなく、カラスや猫、蛇の天敵から雛を守れる環境です。それにしても、野鳥であるツバメが不思議にも人間の家の軒先に巣を作る習性を見ると、ツバメは人間嫌いではなさそうです。

 私は現在の場所に50年ほど暮らしてますが、ツバメは我が家に一度も巣を作ったことがありません。しかし、隣の新築した家は2月に引っ越ししてきて、すぐにツバメが巣を作りました。ツバメは安全面からここと決めたのでしょう。

 このため、ツバメの身になって巣作りの条件を観察しながら考えてみした。それは、なるほどと思わざるを得ません。

 巣作りの場所となる第一条件は、天敵に見つからない位置です。第二の条件は、巣の前に障害物がないことです。障害物とは大きな植木や垣根などです。全面が広い道路や、広い庭が入りやすいのでしょう。理由はツバメが巣に入るとき、低空飛行から上昇して巣に入るからです。

 障害物があると巣作りの条件から外れます。ある程度のスピードで入ることから、入りやすいことが条件で、また、近くに電線があると羽を休めながら天敵の見張りができると考えられます。

P1060805_2 【私の推測によるツバメの渡りのルート】

 何と言っても、ツバメは渡り鳥=migratoryである不思議さです。通常、野生の鳥類は一年で1シーズン子育てすると考えられることから、ツバメにとって気候の良いとき日本で育雛し、その後、日照時間が短くなり、気圧配置が変わり、日本が涼しくなり始めたら南下する習性を持ちます。ツバメは寒さが苦手なのでしょう。

 もっと驚くべきことは、日本で生まれた雛は生後2~3ヶ月ほどで故郷を離れ、9月初旬に、南へ南へと海上を飛び続け、そのコースはおそらく、島伝いに渡り、沖縄など南西諸島~宮古島など先島諸島~台湾~フィリピン群島~カリマン島(ボルネオ島)、あるいは、マレー半島、ジャワ島、ニューギニア、北オーストラリアという想像を絶する数千キロメートルの地まで飛翔する方向判定能力と海上を飛び続けるエネルギーです。

 目的地におそらく1~2週間で到着し、暖かな南の島々でのんびり暮らし、4月上旬になると今度は逆方向へと、半年前に来たルートを北上し、日本の古巣近くに来るのではないかと推測します。

 渡りの行動は、地軸が23度26分ほど傾いていることに起因し、100万年単位の先史時代から石器時代~縄文時代~弥生時代~現代へと、次代に命を託して繰り返されてきたのでしょう。そして、未来もこの習性を子々孫々へとバトンタッチしていくと考えられます。

 ツバメの育雛、子育ては誰にも頼らず、すべて夫婦で巣作りと餌の捕獲、子育て、そして飛翔の教育をすることから、私たち人間より、ずっと生命力に優れた動物と言えます。これは前述の渡りのコース上で起こる自然淘汰による結果と考えます。

 ツバメが持ってる習性の一つは、人の住む環境に営巣することです。暫くは毎日、子育てなどツバメの生態を観察するのが楽しみになりました。

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