若き日より念願であった角落山1393mに登頂
【家から見える角落山(つのおちやま)、右の高い山は浅間隠山】
10月15日、群馬県は快晴に恵まれ、絶好の登山日和になりました。同行者は近所のOさんご夫妻です。Oさんは日本百名山をすべて登頂した方で、私は大船に乗った気持で本格的な登山に心が弾みます。
朝7時に倉賀野を車で出発、高崎市街地~旧榛名町~倉渕町まで榛名山や妙義山など西上州の山々を眺めながら西へ西へと進みます。
途中、便利なコンビニで食料をゲット、「はまゆう山荘」の反対側にある角落山入口から入り、烏川を渡り、いよいよ女坂の登山口に着きました。
ここから林道を約1時間歩きましたが、地震や台風の影響でしょう。あちこちに崖崩れがあり、大きな岩石が道を完全に塞いでます。私たちは崩れたたくさんの岩石をよじ登り前進しました。どうも崩れた直後であったらしく、岩石の表面は新しいように見えます。未だ、管轄する倉渕支所の職員は知らない可能性があります。
その後も、林道は落石が起こりやすい状況が続き、路面はゴロゴロしてます。危険回避のため上を見ながら進みましたが、葛折りを繰り返しながら標高を稼ぎます。
近くを流れる烏川の支流のせせらぎのみで静寂さが漂います。林道を歩いても歩いても女坂の入り口になかなか辿り着きません。
いよいよ本格的なトレッキングです。豪雨の爪痕でしょう。登山道らしきものは見当たらず、渓谷の大小さまざまな岩の足場を確かめ確かめ登ります。足を踏み外せば、捻挫や身体を打撲です。
途中に湧水があり、次第に谷の流れとなっていきます。暫く足場の悪い個所を過ぎ、やがて登山道がはっきり分かるようになって、どんどん登るとやっとのことで希望を与える標識が見えました。
目的地の山頂まで、あと400mに心は踊り、改めて頑張る気持ちが湧いて来たのも束の間、落ちれば一巻の終わりを感じさせるクサリ場の連続で、冷や冷やしながら下方50mはあろう地獄を見ないよう、クサリを持ちながら足場だけを確認し、恐る恐る前進あるのみの緊張感です。
道は狭く、落ちれば蟻地獄、どこまでも滑り落ちる深さが目に入り、ここは邪念のない真剣勝負。頼るのは握る力だけの生死の分け目。
お粗末な道に体重をかけて大丈夫だろうか。余裕のない心にも鎖の設置者に感謝の気持ちを持ち、谷側を見ず、前方の樹木を見て前進。この時、一人暮らしである平素の心配事などどこかに吹き飛んでいました。
それどころではありません。登山道は益々険しさを増し、岩をよじ登る「三点確保」の連続で、登山道の両端は絶壁。近くの樹木がその恐ろしさを隠し、ほんの少し緩和してくれます。
実は角落山の頂上近くの稜線は美しくあっても、現実は馬の背です。稜線の長さは400mと表示されてても、一歩一歩の歩幅は20~30㎝であり、登っても登っても頂上への道は険しく遠い。
「頂上は本当に存在するのだろうか」と疑心を抱くかせるほどの急こう配は疲労も次第に蓄積。細い登山道の両側の樹木の根っこや、篠などにつかまり、身体を持ち上げての前進も、馬の背であることから体の重心が道の真ん中になるよう心がける。そして、ついに憧れの角落山山頂を示す標識が目に入りました。
そして急に目に入ったのが大パノラマ。西上州の山嶺はどこまでも偉容を誇る。画像を拡大してご覧ください。
西に目を向ければ20代に5回登頂した懐かしい浅間山の出迎えで、この日は珍しく噴煙が立ち上ってません。
【東に目をやれば荒船山を彷彿させる山も】・・・Enlarge please!
帰路はもと来た「女坂」のコースを辿り、次第に指先や大腿部に痛みが走りますが、登りに比べれば、帰路は心臓への負荷が無く楽に感じ、何箇所か腰を落として滑るように降ります。それにしても、行きはこんなに歩いたのかと思わせるほどの帰路の距離です。
ところで、往復6時間のトレッキング中、登山者は我々3人のみで他の登山者に一人も会わず、珍しいことです。これは角落山があまり注目を浴びてない山であり、また、険し過ぎることが一因と思われます。しかし、山頂からの光景は超一級であるとことに間違いありません。
【角落山山頂・後ろは推定300mの絶壁・・危ない所に立つ小生】
今回、若き日より、その雄姿を眺めつつ、いつかは登頂したいと常に心にあった念願の角落山に登頂し、この感激は生涯忘れません。また一つ、群馬の自然美に心が焼きつけられました。これからも、足腰を鍛えるとともに、脳が活性化するよう日々の生活に新たな刺激を与え、充実した精神生活をおくりたい。
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