夏季は涼しい時間帯に訓練、そして豆類の多い餌
暑い暑いと感じる夏も、地球から見た太陽の位置は昨日の立秋から黄道十二星座の蟹座を過ぎ、季節は思いのほか早く秋に向かってます。現在の太陽は夏至と秋分点のちょうど中間にあり、これから先ず、日の入りが早まります。
今の時季、レース鳩飼育者は涼しい「早朝こそ」若鳩の基礎訓練に集中したいものです。
レース鳩の管理で八月は一年で最も作業が多忙です。これは取りも直さず換羽の最中であり、レース鳩の体調は良くも悪くも、ひとえに飼育者のこまめな清掃作業にかかっており、同時に、冷たく清潔な飲料水の取り換え、湿気のない餌の管理、レース鳩にとって一大生理現象である換羽をきれいに仕上げ、特に弾力性ある主翼になるよう鉱物飼料、豆類の給餌、そして、涼しいうちの頻度ある訓練と言えます。
一方、夜間の鳩舎内はゴキブリの天国になっていることが多く、定期的な消毒が欠かせません。
今春生まれの若鳩は疲れを知らない子供のように俊敏に飛翔することから、今の時季こそ潜在する帰巣本能を引き出してやるべきは飼育者の使命です。同時に、私たちはレース鳩を見る感性を研ぎ澄ませたいものです。
レース鳩の能力には、飛翔能力と方向判定能力があり、舎外では後者は陶冶できず、頻繁な基礎訓練によって方向判定能力や帰巣本能が刺激され、「鉄は熱いうちに打て」は若鳩の訓練に誠に当てはまることです。
前述のように、現在は年間で最も気温が高いことから涼しい早朝に集中して訓練を行えば、訓練の疲れは後に残らないでしょう。もちろん、水浴は疲れを取り、健康的な換羽にも良いと考えます。
ご存じの通り、鳩の体温は人間より5℃ほど高く40~42°であり、夏季に大切なポイントは鳩舎内に涼しい風の流れを作ることです。風の向きは南北より、東西に流れることが多く、また、壁の中に断熱材を入れると舎内の気温を下げるのに効果的です。
しかし、何と言っても喉が渇くので「冷たい水」こそ、飼育者がこまめに取り換えてやりたいものです。口がきけない動物への対応は、その動作と表情から彼らの欲するものを察することであり、これこそ「一流のレースマン」です。
長距離レースでの一つのポイントは高い位置に巣房を持たせることが有利であり、外敵からの不安感を払拭してやることが飼育者の役目です。鳩舎内の高い位置は鳩にとって帰巣本能をより高めることにつながると考えられます。
長距離レースでは、自分の巣房を持たせることが基本であり、帰巣しようとする意志がより強まります。更に、交配鳩がいること、更に、抱卵中であること、更に、生後3~5日の雛を育ててる最中であることは、帰巣本能をより人為的に高めることにつながると考えます。これにはレース持寄り日から逆算して交配日を決めます。
夏季の餌については、種は混合飼料に大麦を50%ほどを混ぜ、量は少なめです。メスを太らせないことです。一方、若の選手もどちらかと言えば、「量は少なめ」で、豆類を多く含む混合飼料に菜種を追加すると、舎外の飛び方が変わってきます。この時こそ飼育者は千載一遇のチャンスと捉え、早朝訓練です。
換羽時の現在、新鮮な鉱物飼料を欠かさず、可能であれば3種類の鉱物飼料をブレンドするとバランスが理想です。夏季の今、飛び込む鳩がいる限りは、種も選手も水浴を週2回は行いたい。
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コメント
いつもレース鳩の書き込み読ませていただいております。
レースシーズン中ですのでレース結果とその前後の書き込みをお願いします。
直近ですと8/8(金)が最後です。
投稿: EE | 2016年10月16日 (日) 12時48分
EE様へ
コメント有難うございます。このブログは掲示板と異なり、自らの成績や他鳩舎の成績を掲載することはあまりありません。レース鳩についての先人の努力、レース鳩の習性について考えます。帰巣本能を高める鳩舎構造の工夫、レース鳩を通じての国際交流、長距離レース訓練法など考え書いてます。暫くぶりに明日はレース鳩について先達の思いを書く予定です。
投稿: カッキー | 2016年10月16日 (日) 17時29分