鳩と飼育者の信頼関係・・・1時間の遠征に
11月初めより本日まで気温の関係から飛びやすいこともあってか、出舎するとすぐに姿が見えなくなり、なかなか帰還しません。朝の舎外は太陽が出てから30分経過すると空気が多少温まり、飛びやすいようです。こんなことから当舎では7時15分前後に出舎し、8時20分頃に鳩舎上空に帰還です。
口笛により低空飛行となり、全鳩、近くの母屋か直接鳩舎に舞い降り、入舎を始めます。近くに電線があっても、そこに止まることはまずありません。口笛と共に直ちに床に餌を撒き、鳩は先を争って一気に全鳩が入舎です。
このような状態は飼育者にとって管理冥利に尽きます。私は上空の鳩に・・・飼育者の姿を見せる・・・口笛・・・鳩舎に降りるや否や餌を撒くこの「一連の約束」を大切にしてます。
鳩には1時間遠征して帰れば飼育者から必ず餌がもらえるという関係を脳に叩き込みます。ですから嘘をついてはなりません。飼育者は鳩が「餌を啄ばむ速さ」を観察し、それにより撒く量を調節します。

レース鳩が健康な状態を維持する目安は、高度ある飛翔、遠征する舎外です。このためには飼い主は試行錯誤の連続でも、特に【よく飛んだ時のことを振り返り】、それは混合飼料のバランスであったり、餌の乾燥度であったり、舎外の時間帯、天候、黒旗の高さ、大きさなど、飛翔にとって良い条件が揃うと、鳩の動きは一変します。
以前にも記述しましたが、今の時季レース鳩にとって大切な餌の調整は大麦の塩梅と確信します。大麦を2割ほど混合飼料に混ぜると、飛び方が変化します。
これは大麦自体「人間が思ってる以上にエネルギーがあったり」、馬力となる栄養素があっても、大麦は繊維類の最右翼であることから、腸壁を刺激し、消化を助け、「空腹感」を感じさせます。
餌を少なくするのでなく、エネルギーがあっても【空腹感を感じさせること】が飼育者のテクニックと考えます。
ところで、写真の鳩は隣の連盟N鳩舎へ行く「スチール号直仔」です。N鳩舎は今夏、富岡市で行われたピジョンクレージー鳩舎(吉田鳩舎)による「2016年・国際オリエンタルカップ700K全国優勝祝賀会」で知り合った方で、先日、初めて鳩舎訪問させて戴き、相当熱が入ってる方とお見受けしたことから、ぜひ、私の1ペアーを使ってもらうことにしました。このBC♂はチャンピオン「スチール号」の直仔です。
「スチール号」はプロンク鳩舎作翔で2001年7月8日モントバーン~北部オランダ1022K、5796中総合優勝は翌朝3時34分の打刻です。この時季、北部オランダは白夜であることから帰還地まで一気に飛んだ可能性がある鳩です。分速1484m。
「スチール号」は当舎に数年在舎し、孫に「稚内モザイク号」を輩出し、現在、直仔が数羽います。この血が新進気鋭N鳩舎で蘇ってくれることを期待してます。
一方♀は「稚内モザイク号」の娘です。この鳩の姉妹は北海道「デカ橋鳩舎」へ行ってる「カッキーチェ」と同腹姉妹です。「カッキーチェ」直仔は舞鶴~北海道間GN総合7位の偉業を成し遂げました。
この2羽は♂♀でも、母が同じ「ネナ号」直仔なので、近親になることからN鳩舎ではペアにせず、他の長距離血統との交配がよいと考えます。
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