レース鳩飼育によって考える人間の健康法
長い期間レース鳩を飼育して良かったことの一つは、鳩のお陰で職業の同僚以外に、異業種の人脈が広がったことです。レース鳩仲間は広い意味でライバルであっても同じ趣味であることから共通した苦労や喜びを分かち合え、オフ会と称して、県内外の方々との出会いは予想外に広がります。時に彼らは私の家に集まり、一杯酌み交わし、レース鳩を通じたワイドな交流は楽しみの極みです。
ハンドルネームを持ってる彼らとは先ず掲示板などで知り合い、実際に会うチャンスに恵まれ、ずいぶん交流が深まるものです。その範囲は沖縄から北海道まで全国津々浦々に広がり、一方、私も県外へ宿泊を伴ってお邪魔することも多々あります。
訪れたのは国内のみならず、中国内モンゴル自治区を含む広範囲です。国と国との関係は厳しくとも、一人の国民として民間外交は誠に楽しいもので今後も続けたいと考えてます。特に永い年数のレース鳩飼育により、素晴らしい人物との邂逅は生涯の宝です。中でも地元・群馬県内のレースマンであるアルカディアさん、ピジョンクレージーさん、はとさんとの出会いは、血統や飼育法を超越した次元までの交流になってます。
ところで、多くの方々と友人になるチャンスに恵まれる一方、いわゆる強豪鳩舎が飼育者自身の健康上の理由で鳩飼育を断念することが最近、増加してます。近隣連盟を含め折角知り合いになったのに他界した方々はかなりの数に上り、悲しみの極みです。いくら楽しい趣味であっても私たちは「勝負のみに専念し過ぎず」、一度きりの人生なので健康を維持し、いつまでも楽しいレース鳩飼育を、そして、レース鳩を通じて培った友人関係を続けたいものです。
このことはレース鳩以外でも同様で、私の関係してるサクソフォーン関係では、クラシックサックス奏者として世界のパイオニア的存在であったフランスのマルセルミュール氏は世界有名人100才に顔を連ねてます。
近年、故人となられても私が目指すものは氏のような正しい呼吸法の習得と、クラシックサックスの魅力ある音色と共に、この楽器の演奏自体を自らの健康につなげることです。それは心肺機能を刺激です。健康であって音楽であり、レース鳩飼育です。
私たちは動物なので新鮮な酸素を吸うことが健康の基本と考えるとき、生活空間にどれだけ酸素が維持できているか常に意識する習慣が大切です。
音楽家にありがちな、音が外部に出ないために狭い地下空間などで長時間練習することがあると伝えられますが、もしかして酸素不足になり臓器に異常をきたすことも考えられます。どんな場面でも、新鮮な酸素を取り入れてることを第一と考えるべきで、音楽で一流になっても健康を害してはなにもなりません。私たちは大勢が集まる特に狭い室内では、換気を忘れてはなりません。
ところで、レ-ス鳩飼育でも健康上考慮すべきことは舎内の空気です。鳩舎内の空気は上下や縦横に換気できることが基本です。若き日、20代に先輩に教わった話は今でも脳裏から離れません。それは「鳩舎全体を煙突にする」ということです。一般的に意外に気づかぬことです。空気は温まると上昇する性質があり、このように教えてくれたのでしょう。
ところで、毎朝の舎外時間はぴったり1時間で、どこへ行くか出舎と同時に姿が見えなくなり、決まって1時間で鳩舎上空へ戻ります。私はNHK朝ドラ「べっぴんさん」を見ることから、現在は7時15分に舎外を始め、朝ドラが終わるころ集団が帰還するので三階の黒旗を降ろし、飛翔中の鳩を口笛で呼び込み、すぐに餌を撒きます。それは大麦三割の餌です。
配合飼料に混ぜ、あくまで舎外用でレース用ではありません。レース日に逆算し、餌は工夫して次第に脂肪分を増やします。大麦は一般に想われてるよりエネルギーがあり、腸壁を刺激することから時間の経過とともに極度に空腹感を感じさせる特徴があります。
これを私は日本鳩レース協会元会長で医学博士であった並河靖著「作出と競翔」から学びました。この著作は日本におけるレース鳩専門書の永久保存版でしょう。私にとって福音書です。こんなことから舎外後、鳩は大屋根や電線に止まりません。もし、止まっても一時的で、すぐ入舎します。
舎外では、いわゆる遠征=ランニングしてるので飛翔してる姿を確認したくても、見つける方法はありません。これはレースで飛翔コースが見えないのと同様です。遠征中は鳩舎近辺での飛翔より高度があると考えられ、大麦を与える塩梅はレース鳩調教において有効な方法と実感してます。
実は、私自身もここ数年来、大麦を常食とし、肝心な大腸は快調で、便秘とは縁のない生活になってます。人間がレース鳩から学ぶこともあるものです。
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