Root competition・・植物は地中で養分を奪い合う
植木について素人の私は今まで試行錯誤の連続で失敗に失敗を重ね、つまり、大切なシャクナゲなど幾度か枯らしてしまった苦い体験があります。二度と同じ失敗を繰り返さないように思っても、その原因の本質が分からないことがあります。植木について師匠がいないことが遠因と思います。
33年前、亡くなった父は植木が好きでした。現在でも父が植えた植木は、しだれレンギョウ、コデマリ、金木犀、八重桜など10種ほどが毎年、花を咲かせてます。
若き日、植木に興味を示さなかった私は、生前、父に植木の育て方を訊いたことはありません。しかし、どうしたことでしょう。父が他界した後、血統の蘇りでしょうか。植木に対する血が騒ぎ出し、今では早朝から夕方まで、植木の世話なしには考えられない日々です。
「親孝行したいときに親はなし」ですが、植物について「育て方、質問したいときに親はなし」です。
以下の文章は以前に書いたものに重複する部分があります。カテゴリーが異なるので新たな読者のためです。
実は私はこの西洋シャクナゲの色彩に心から惹かれ、埼玉県花園で4年前に購入しました。しかし、年々、樹勢が悪くなり、葉は垂れ下がり、新芽もあまり吹かなく、みすぼらしい姿です。自らの考えで、半日陰の場所を選び、水はけを良くするため土盛りし植えました。でも、良く咲かせようとする私の気持ちとは裏腹に、年々、葉の数が少なくなったのです。
そして昨秋のことです。「よしっ、土をすべて入れ替えよう」思い、シャクナゲを掘り起こしたところ【予想外の状況に驚愕し、地中でこんなことが起こってたのか】と大きな現実が勉強になました。
それは半日蔭を作っていた近くの大きな梅の木の強靭な根がシャクナゲの根の上や周囲に勢いよく絡んでるではありませんか。最初はシャクナゲの根かと思いましたが、根があまりにも太く強く、すぐに隣の梅の根と分かり、「かわいそうなことをした。」と、この哀れな現状を見てシャクナゲに謝りまり、育たぬ理由に納得です。
善かれと思い、半日蔭になるよう梅の近くに植えたのですが、物事には善いと思ってしたことにも裏があるのです。今回のことに限らず、薬に副作用がある如く、何事も一つのことにはその反面があることを学びます。

ご覧の通り、昨秋、梅の木とシャクナゲの間を長さ2mに亘って、30㎝ほど深く掘り、鋸でシャクナゲの方へ出てる梅の根を数本切り取りました。掘った穴は水はけのため、今でもそのままにしてあります。
これを施したシャクナゲの結果は今春見事に咲き、今では来春用の新芽が勢いよくたくさん出たではありませんか。
実は、地中で根と他の樹木の根が養分を奪い合う戦いを英語でroot competitionということをオーストラリア在住の逍遥さんから教わりました。彼はシャクナゲに関心がおありで、拙いブログにアクセスとコメントをいただいてます。南半球ではシャクナゲが咲く季節は日本と逆でしょうが、アクセスしていただき感謝しております。感謝と共に、改めてインターネットがリアルタイムなworld wide webで、便利であることを実感です。
ところで、余り大きくない植木は写真のように大きめの植木鉢で育てれば、root competitionは起こらず、水はけがよく、日光の当たり具合により半日蔭に移動できます。長いことシャクナゲを育ててますが、今後はより良く咲くためroot competitionを頭に入れ育てます。
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コメント
笹竹が縁取る庭の空き地にミカンの苗木を植えていました。枯れもしませんが、一向に大きくならず、数年たっても実も付ける気配もありません。
今回の記事「Root competition・・植物は地中で養分を奪い合う」を読んで得心がいきました。ミカンの木の根の周りには笹竹の地下茎がびっしり取り巻いていました。「Oh!My God!Root competition、struggle!」
大き目の鉢に、早速植え替えてあげようと思います。
投稿: 迂生 | 2017年5月15日 (月) 12時52分
自称迂生のヒポクラテスさんへ
アクセス並びに久々のコメントを有難うございます。この世で私たちの目の届かない所ではいろいろが戦っているのですね。
私はこれからも新たな事実を知る喜び、及び、創作する喜び、人と語り合う喜びを求めていきます。
今宵、15日は久々に「バク」で人生を語ります。
投稿: カッキー | 2017年5月15日 (月) 13時55分
子供が生まれる10数年前にシュノーケリングにはまっておりました。海の中では魚やサンゴがうごめいており、それこそ竜宮城の世界。陸上とは違う海の中にも別の世界があることをしみじみと実感し感動しました。植物のには枝葉が茂る中空と同じ広さの根っこの世界があるのだと思います。
投稿: 逍遥 | 2017年5月15日 (月) 17時15分
お陰さまでroot competitionをテーマにすることができました。日本語では説明はできますが、これに対する言葉が見当たりません。
ところで深海は光は通らず、人間には想像がつかない世界でしょう。
投稿: カッキー | 2017年5月16日 (火) 02時25分