今宵が本来の七夕・・・本日は旧暦七月七日です
【夏の大三角】・・・Enlarge the photo please!
八月下旬の夜八時から九時にかけ、夏の大三角にある織姫星がほぼ頭上に来てます。織姫星とは、こと座の一等星ベガです。このため七夕のことを英語でVega festivalといい、織姫星の位置は赤緯+38°47′にあり、日本ではちょうど仙台市の頭上を通過します。このため仙台市では七夕に力を入れてるのでしょう。
一方、夏の大三角では天の川を跨いで対岸にある彦星【牽牛星】は、わし座のアルタイルという一等星で日本から見て遥か南に輝きます。この星の位置は赤緯+8°52′なので、フィリピンのミンダナオ島上空からスリランカ頭上を通過します。
この他、夏の大三角には白鳥座のデネブという星があり、この三つの一等星で大きな三角形を成します。デネブは七夕とは直接関係がありませんが、真夏から初秋にかけ日本のほぼ頭上に大きく羽ばたく白鳥座の頭に相当する一等星です。デネブの位置は赤緯45°で日本の最北端・稚内市の頭上を一日一回通過します。
これら大三角を成す三つの星は日本では夏を代表する星で位置的に見つけやすく、季節が逆のニュージーランドやオーストラリアでも、かなり北であっても日本と同時にこの星たちを見ることができます。
同様に、経度の相違が60°以内であれば、例えば中央アジア諸国や、チベット、モンゴル、インドなどでは、その国にいる人と日本にいる人が同時に夏の大三角を見ることができます。もし、これが男女間であれば異国にいながら同時に同じ星を見ることになり、大変ロマンチックなことです。
一方、地球から約38万Kmの距離を保ちつつ、北極星側から見て地球の周りを反時計回りに約1ヶ月かかって公転する月は、太陽の周りを公転してる地球【公転速度約29㎞】の外側に出たときスピードを増し、地球から見て表面に太陽光があたる面積が広くなります。反対に地球より内側にあるときはスピードが減速し、太陽光が当たる面積は地球から見て少なくなります。
これを元にした暦が大昔より明治五年まで使われてた太陽太陰暦で、日にちと月の形が一致します。つまり、新月は1日で、三ヶ月が出れば3日、満月ならば15日です。このため七日目の月であれば7日です。
この七日目の月こそ地球の自転により、西に傾けば傾くほどお椀の舟の形になり、彦星が織姫星に会うため天の川を渡る舟になります。この光景は1年に一度だけでの貴重な晩のみであり、彦星、織姫星、そして7ヶ目の月による三者は立秋が過ぎた夜空をキャンパスとし、理想的な配置に並びます。
ところで、この三者は地上から見るとロマンチックに見えても、実際は考えられないほど遠方にあります。ベガは25光年、アルタイルは16光年、月については前述の通り、地球を9回半転がした距離に等しい約38万㎞という二つの星とは比較にならない近くにあります。
源氏物語にも登場する七夕の光景を、1000年経過した平成の現代になっても変わらぬ庶民の願いを叶えるかの如く存在する機織り名人織姫星~天の川~牛使いの若者・彦星~月齢7の月を、太陽暦8月28日【2017年の場合】の晩に虫の音に囲まれつつ地上より眺め、混迷した現代の国際情勢から一時的にでも逃れ、大宇宙のロマンに浸りたものです。大陸間弾道ミサイルなど絶対に飛んで来てはなりません。人類の知恵で止めさせましょう。
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コメント
先日、高崎市少年科学館主催の「夏の星空を眺める」催し物に参加した。天球上の星の位置や明るさを示した星図が参加者に配布され、プラネタリウムに入った。夏の星空星座学習の手始めは、東の空に、夏の大三角形を探すことから始まった。光度の高い一等星が作る二等辺三角の三つの頂点は、高く見える順に、デネブそして、天の川を挟んだ七夕伝説の織女性ベガ、牽牛星アルタイルだった。すぐに確認できた。南の空の低い所には、S字型をした蠍座が天の川に横たわっている。
私はいままで一度も天の川を見た記憶がない。映し出された天の川は、今にも降ってきそうな星の輝きの集まりというイメージとは違って、うす~い雲のように見えた。
バクの帰りの9時過ぎ東の空を見たが、雲に覆われ、楽しみにしていた『星合』は見られなかった。ザンネン。
投稿: | 2017年8月28日 (月) 21時42分
ヒポクラテスさんへ・・・バクを欠席し申し訳ございません。前の晩に宴会があり内臓を休めました。若き日、インドのプラネタリウムに入ったことがあります。解説者が星座を説明中に、Twinkle twinkle little star, How I wonder what you are! と詩的に発した言葉が今でも脳裏にあります。未だ、市内のプラネタリウムに入ったことがないので、ヒポクラテスさんの影響を受け、近日中に行ってみたくなりました。
ところで、天の川については群馬でも赤城や榛名など空気がきれいで人工的な光がない所であればよく見え、天神平では時折、解説者付きで「星を見る会」が行われるので、実物を見られると思います。私は今まで内モンゴルでクリアーな姿を数回見たことがあり、仰せの通り、粒々の薄い雲のようだったと記憶してます。
ところで、毎日、織姫にお会いできるとは私から見れば毎日が七夕ですね。哀れな私は七日目の月の役目か。
投稿: カッキー | 2017年8月29日 (火) 04時26分