1時間以上遠征する舎外、高度ある舎外への工夫
レース鳩にとって11月下旬~12月の季節は、年間でも最も飛びやすい気候です。この時季はしばしば小春日和の日が多く、気圧配置はハイベルトの状況にあり、風がなく高気圧が列島を覆う状態です。しかし、日の出直後は未だ空気が冷えてることから、飛びたがりません。
現在の日の出時刻は6時33分【群馬県】であり、出舎時間は日の出後30分経過した頃がよく、今では7時過ぎです。気温が温まると人間には体験できないことで、上昇気流に乗り、飛びびやすくなると考えられます。トンビはレース鳩より大きくても羽ばたきせず旋回します。上昇気流は鳥類にとって大きな味方なのでしょう。
温かくなり、太陽高度が上がると舎外したいのでしょう。鳩たちは出舎口に集まります。このタイミングに出舎させることが肝腎で、一斉に飛び出し、すぐに見えなくなります。出たがらない場合は舎外したくない時間帯と考えます。
ところで、タイトルの如く、現在私が工夫してるのは「高度ある舎外」です。レース鳩は比較的いろいろと癖がつきやすい動物です。身近な例では近所の電線に止まる癖です。これはレースで不利はもちろんのこと、環境的にも好ましくありません。これも一つの悪い習慣であることから、いくら追っても飛ぶのは一時的なことです。いずれにしてもあまり飛びたがらない状況、もしくは空腹でないと考えられます。
動物調教の主たることは餌の与え方にあり、動物との信頼関係を保つことでしょう。それは、しっかり飛べば、「空腹になり、その後、飼い主から餌がもらえる」という、この関連を体に覚えさてることです。
この対処法は500m~1000mの山岳地帯の高度ある地点から行なう訓練がポイントの一つと考え、この繰り返しは、平地での舎外のみとは飛び方が断然変化すると考えてます。
もう一つは、今の時季、餌に大麦を加えます。空腹であれば、好き嫌いなく早く啄ばみ、飼育者の思う壺です。つまり、鳩体を軽くすることにつながります。エネルギーある良い餌のみ日々与えてると鳩体が重くなります。レース鳩は空中を飛ぶので、鳩体が軽いレース鳩は大きな魅力です。これは系統に因ることもあるでしょうが、飼育者の管理にも因ります。
今は亡き大先輩から教わった「鳩舎を煙突にする」という鳩舎構造の教えは40年経過した今でも、これは正しいと心に響いており、睡眠中も呼吸してるレース鳩にきれいな酸素を与える換気の必要性を説いてます。つまり鳩舎内の空気を下から上に流すという教えです。
長距離レースでは「産卵もしくは育雛状態を利用」が有利なことは明らかです。これで帰巣本能がより高まると考えられます。それは鳩にとって決まってる巣房を逆算して扉を開ければいいのです。巣房の位置は高い方が動物の本能からも自然でしょう。
鳩舎内に日が当たれば、濡れた羽を乾かせます。多くの鳩舎では、水浴は飼い主にとって最も負担が大きいことの一つですが、当舎では選手鳩鳩舎も種鳩鳩舎でもご覧のように蛇口を捻れば、水が出て、栓を抜けば下水に流れるので、自慢できる構造はこれぐらいです。しかも、井戸水なので何回行っても水道代はかかりません。
風がない日の午前中に水を溜めれば我先に飛び込みます。このような状況であれば、結構回数も行なえます。今の時季、換羽が仕上がるときなので多めに水浴したがるものです。
今後も、天高く、横一線となる飛翔、スピードある舎外を求めます。高く飛翔してる姿を現在の子供たちに見せたいものです。60年間レース鳩を飼育してる私にとって、現在は時代が変わり、子供たちにとってレース鳩を飼育をする環境になく、親も進める人はいない時代になりました。
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