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2017年12月 7日 (木)

今冬はノクターン「遺作」ハ短調を集中練習

P1020352【47年前に購入したピアノは今も現役】

 学生時代に師から教わったこと。それは楽器とはしっかり弾きこなせば「年月と共に味わい深い音になる」ということです。ピアノは木製であるからより一層そう言えるのでしょう。管楽器においても、自ら目標とする音色になるにはある程度の年数がかかると教わりました。この点から言うと、楽器に関しては古くなったからと買い替えるのはもったいないことになります。
 
 近年、テレビコマーシャルで「要らなくなったピアノはありませんか。」という買い取りの広告がありますが、子供さんが小さいとき弾いたけれど、今では無用の長物扱いをされることが多く、そんなピアノはかわいそうです。もしかして専門家が聴いたら、年代物は落ち着いた音色に聞こえる可能性があります。子供が成人して弾かなくなっても、高齢化社会にあっては親が心の充実さ、生活の豊かさを求めて弾けば素晴らしい趣味となり、一つの生甲斐につながると思われます。
 
P1020353【ショパン(1810~1849)の遺作ノクターンハ短調】
 
 私は指が速く動かないので速い曲は苦手です。概して歌のようにゆっくりした音楽に取り組む傾向です。ピアノがスポーツと異なる点は、必ずしも速いほど優れてとは言えず、しみじみと心を表現する音楽はそれなりに難しく、特に鍵盤への「力を入れるタッチの加減」で音色が決まるので、見かけ上、上手く弾けるというより、聴いてくれる人の「心に沁み入る音色」をめざすことになります。
 
 以前に弾いたことがある「遺作」ハ短調は12連符など部分的に速い部分があっても、全体を通じて哀愁味を帯び、現在の私の心境にあってるようです。再度、練習してますが、途中、休みの期間があると、指が忘れてしまい最初から取り組むことになります。それでも、以前に弾いてある曲は、一回目よりは早めに指が思い出し、次第に曲の形になります。
 
この曲は遺作=Posthumousと記されてるので、ショパン生前中に公開の場で演奏されたことがなかったと考えられ、彼の死後、すでに160年以上経過しても世界中で名作として弾かれてるとは「優れた芸術には永遠性がある」のでしょう。この作品の崇高さを感じつつ実際に演奏に取り組めるとは幸福といわねばなりません。
 
 一方、ピアノの練習は脳と指先の連動であり、中枢神経が鈍くなりつつある私には困難なことです。それでも、登山同様、一歩一歩マスターしていくより道はありません。前述の如く、一応弾けるようになってからが本格的な練習となれば、結局、生涯を通じて取組む曲になります。
 
P1020354【ピアノの部屋として、よい響きがします。】
 
 以前はホームコンサートと称し、10名ほどの方に聴いていただいたことがあります。しかし、一人暮らしは精神的に弱い面があり、練習時間は少なくなってます。誰か聴いてくれる人がいてこそ成り立つ音楽でしょう。
 
 18畳の部屋の周囲は漆喰壁、天井はアーチ、床は硬いカリン、床下は50㎝ほどの空間があり、底はコンクリートが敷き詰められてます。ハード面からは音の響きはよいと感じます。問題はソフト面であり、それは私の精神面です。年末から梅が咲き始めるまでに「遺作ノクターン・ハ短調」を人に聴いていただけるよう、この冬は集中練習したい。
 

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コメント

When I was in my adolescence I was deeply impressed by the "Posthumous" by Chopin. The performance of his expression is excellent beyond description. Would you please make the blog topics more expand to music, I am looking forward to this sort of western classical music in your marvelous weblog.

投稿: Mitra from India | 2017年12月10日 (日) 07時03分

Ms. Mitra
 I am deeply appreciate your marvelous comment from the remote nation. I had ever being taught conducting by Mr. Bernard Jacob who was a Jewish conductor of Calcutta Symphony Orchestra in my stay in your nation.
Generally practicing the piano and any other instrument, it is need for me to continue to endeavor in succession. Any rate in this winter season, I will continue to effort the Posthumous Nocturne by Chopin. Would you please give me a warmhearted comment again.

投稿: Persimmon Marsh | 2017年12月11日 (月) 18時29分

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